Creamy Morning   

 イラスト・しのちゃん様

「お嬢ちゃん、もう、日もかなり高いぜ。そろそろ起きないか?」

「ふにゅ?んん〜もう、ちょっと…あと、ちょっとだけ…」

オスカーに軽く肩をゆすぶられたアンジェリークは、そのオスカーの手を拒むように寝返りをうった。

土の曜日の遅い朝、時刻は最早午前10時に近かった。

窓から燦燦と降り注ぐ陽光にオスカーはとうの昔に目を覚ましており、軽く馬を駆ってからシャワーなど浴びて愛しい妻の目覚めを待っていたのだがいつまでたっても起きないアンジェリークにさすがに業をにやし、声をかけたのだった。

「いっしょにめしを食おうぜ、お嬢ちゃん、いいかげん起きないと…こうだ!」

アンジェリークが肩までかけていた軽い羽毛布団を払いのけると、オスカーはアンジェリークの指を絡めとってベッドに縫いつけ、その体を自分のほうに開かせて覆い被さった。

昨夜の睦み事の名残の残る白い肢体は、オスカーのつけた刻印以外なにも身に纏ってはいない。

首筋から鎖骨へと唇を滑らせ、そのまま豊かな胸の稜線をなぞり、頂点に咲く可憐な桜色の蕾を口に含んで軽く吸った。

「あふ…ん」

アンジェリークの体に僅かに緊張がはしり、軽く頭が振られる。

しかし、その目はまだとじられたままで、体全体はいまだにくたっとしたぬいぐるみの様だった。

むしろオスカーの舌から紡ぎ出される心地よさにさらに夢見心地になってしまっているようにも見える。

アンジェリークにとって、寝覚めに胸をはだけられ先端を舐られるなんて、近頃では朝の挨拶みたいなものだった。

最初の頃こそびっくりして跳ね起きたが、それが日常茶飯事となってしまっては、その刺激を快いと思うばかりで半覚醒状態の頭がより夢うつつへとシフトするだけだ。

オスカーが舌先で転がすと乳首は口腔内で弾力を増したものの、アンジェリークはうっとりと快楽を享受しているばかりで、目覚める気配がまったくない。

さらに安らかな寝息をたてそうになっているアンジェリークにオスカーの方が根負けして、乳房から唇を離すと

「やれやれ、とんでもないねぼすけだな、お嬢ちゃんは…しかたない、朝食はこっちに運んでもらうか…」

と、一端アンジェリークから体を起こして、インタフォンで厨房に朝食を持ってこさせるように命じた。

アンジェリークはうとうととした状態でオスカーの言葉をきいていたが、なんと言われても起きられないものは起きられないのだった。

昨晩も半ば気絶する様に眠りに落ちるまで、オスカーに求められ声をあげさせられた。

もちろん、アンジェリークはそれがいやなのではない、むしろオスカーの情熱には積極的に応えていた。

オスカーに愛されることも、自分からオスカーを愛することもアンジェリークは大好きだったから。

ただ、一週間の執務の疲れも溜まっているところに激しく求められたその翌朝、つい惰眠をむさぼりたくなったとしてもこれは致し方ないことだろう。

オスカーもそれを理解していたから、今回は夢うつつのアンジェリークをしめしめとばかりに戴いてしまうこともなく、比較的あっさり引き下がったのだった。

ほどなくして、ノックの音が聞こえ、ブランチのワゴンが運びこまれてきた。

アンジェリークにベッドで朝食を取らせてやろうと思ったオスカーはその場で簡単なセッティングだけさせると、使用人を追い返した。

まだしどけない姿で胸も露に眠っているアンジェリークをドアの隙間からでも他人にみせるなんて、もったいなくて絶対できるか!と思うオスカーであった。(そのくせ、美しい妻を見せびらかしたいという欲求も同じ位強かったオスカーだが、それはさておき)

今朝のブランチはそば粉のクレープセットだった。

甘味のないシンプルなクレープに、スパイシーなチキンサラダや、マイルドなエッグサラダ(もちろんマヨネーズ不使用である)、ほうれん草のソテーやカリカリのベーコン、チーズやチシャなど好きなものをくるんで食べられるようになっていた。

アンジェリークの好みを見越してか、新鮮なフルーツとりあわせにフレッシュクリームもそえられている。

『お嬢ちゃんにフルーツクレープばかり食べちゃだめだぞ、とくぎをささんとな…』

保護者のようなことを考えながら、オスカーはワゴンをベッドのすぐ脇まで運ぶと、あらためてアンジェリークに声をかけた。

「お嬢ちゃん、朝飯…というか、ブランチがきたぜ」

「ふにゅぅ…」

アンジェリークがネコの様にくぅんと手足を伸ばしてから、小さなあくびをひとつ零した。

つま先まで反り返るしなやかで伸びやかな四肢をみていると、絶頂を迎える時も同じようにつま先がピンと反り返ることをアンジェリークは気付いているのだろうかなどとオスカーは思い、知らず知らずのうちに誘惑されているような気分になってしまう。

これ以上そんなとろとろの様子を見せられていたら、また朝食より先にお嬢ちゃんをくっちまうかもしれないぜ、と心の内で呟きつつ、オスカーはまだ眠りの国に暇を告げるのが名残惜しげなアンジェリークに再度声をかけた。

「ほら、お嬢ちゃん、いいかげん目を覚ましてくれ。今朝はお嬢ちゃんの好きなクレープだしな」

「クレープ?」

アンジェリークがいきなりぱっちりと瞳を見開いたかと思うと、がばと上体を起こした。

「きゃ〜ん、ほんとだわ!私これ大好き!嬉しいな、シェフが覚えててくれんだわ」

瞳をきらきらさせて、とろけそうな顔をしているアンジェリークに、オスカーは一瞬あっけにとられた後、

『さっきまでの寝とぼけぶりは、一体なんだったんだ。ちょっとからかってやるかな…』

といういたずら心がむらむらと湧きおこってきた。

「お嬢ちゃん?あれほど俺が起こしても起きなかったくせに、クレープと聞いた途端ぱっちりと目が覚めるとは…お嬢ちゃんがこんなに現金で食いしん坊だったとはな…」

アンジェリークが傍目にもわかるくらい、ぎくりとした。なにやら、いや〜な予感がする。

「え、いえ、その、あの、目は覚めかけてはいたんですけどぉ、体が動かなかったというか…」

「じゃ、なにか?お嬢ちゃんは狸寝入りをしていたのかな?俺の声や愛撫に知らん顔をして…」

にやにやしながら、オスカーの顔が近づいてくる。アンジェリークは内心冷や汗をたらしていた。

オスカーは本気で怒っているのではない、それはわかる、これは何かのワナなのだ、オスカーは何かを企んでいて、有無を言わさず自分をそこに追い詰め様としている。

「狸寝入りなんてしてません〜」

「でも、俺の声や、俺が愛撫してたのには気付いてたよな?それを無視するような悪いこにはお仕置きが必要かもしれないな…」

端正な顔を極限まで近づけてきたオスカーと鼻と鼻が一瞬触れ合ったと思った瞬間、アンジェリークは全身の体重をかけられ、またベッドに沈みこまされた。

その勢いにベッドのスプリングが激しく軋む。

「きゃ〜!やぁん、オスカー様、お仕置きなんていって、またHなことするおつもりなんでしょー!」

アンジェリークは今までの経験から幾つか学んだことがあった

オスカーがお仕置きという場合、それは大抵未経験のなにか、しかも、とっても恥ずかしいことをされたり、させられたりすることが多いということだった。

オスカーが瞳を細めた。先ほどまでは存在していなかった妖しげな光が燈っていた。

「そんな生意気な口をきく子には、ますますもって、お仕置きが必要だな…」

「あっ!きゃ〜、ごめんなさい、許して、オスカーさまぁ」

アンジェリークは自ら墓穴を掘ったことに気付いた。

オスカーがお仕置きしたい気分になったら、オスカーはどうやったってその目的を遂行することは間違いないことも経験上あきらかで、アンジェリークはいまだ嘗てそれから逃げおおせたことはない。

そらなら、オスカーをあまり刺激しない方がいいに決まっているのに、つい、思ったことが口をついて出てしまったのだ。

「だめだ。覚悟しな、お嬢ちゃん?」

とっておきの甘く優しい声がアンジェリークの抗う気力を根こそぎ奪って行く。

『だめ、この声で囁かれたら、私、もう体に力が入らない…』

本当はアンジェリークは気付いている。オスカーのいうお仕置きは恥ずかしくても、決して嫌なことじゃないことを。

オスカーは、決して自分にいやなこと、つらいことは強要しないことを。

恥ずかしいことではあっても、めくるめくような悦びや快楽と対になったことを教えこまされるだけだということを。

そして、それは2人の睦み事により深く鮮やかな彩りを添えていくことも。

諦めた様に身じろぎしなくなったアンジェリークに、ふ…と微笑みかけるとオスカーは今朝初めての深い口付けを与えた。

 

ひとしきりアンジェリークの舌に自分の舌を絡めた後、オスカーは

「お嬢ちゃんは、クリームが好きだったな…俺はあまり甘い物はすきじゃないが、今日は試してみてもいい…」

といって、ホイップクリームの入ったポットを手に取ると、中のレードルでクリームを掬い取り、アンジェリークの乳頭にそれをぽたりとおとした。


アンジェリークの体がびくっと竦んだ。

クリームの冷たさに、一瞬はだが粟立った。

「ひゃんっ!つめたっ!やっ!オスカー様、なにを…」

皆までいわぬうちに、またオスカーに唇を塞がれた。

「決まってる、クリームは果実に添えて食すためにここにある。違うか?ここにこんなに美味そうに熟した実があるじゃないか…」

というと、クリームごとぺろりと乳頭を舐め上げた。

「あ…ん…」

クリームの冷たさにオスカーに舐られる前からアンジェリークの乳首は硬く立ち上がってしまっていた。

その部分を今度は暖かな舌で焦らす様に舐められ、先ほどとは違う意味でアンジェリークのはだが粟立つ。

「ふ…確かに、クリームを添えると、果実のまろやかさが一層引き立つな…」

クリームは甘味を押さえられており、しかもヴァニラではなくブランデーで香り付けがなされていたので、辛党のオスカーの口にもあった。

「熟し切った果物は生で食べるのが一番美味いんだが、たまには目先がかわっていい…」

オスカーはもう片方の乳頭にもクリームをおとすと、敏感な先端部分をちろちろと弾く様に舐めとりはじめた。

「あっ…あん…オスカーさま…こんなこと…なんだか、すごくえっち…」

「何を言ってるんだ、お嬢ちゃん、俺はクリーム添えのフルーツを戴いてるだけだぜ、ほら」

かりりと軽く乳首を噛むと、アンジェリークの体がびくんと撓り、図らずもオスカーの燃え立つ髪に埋められた指に力がはいった。

「あっ、やぁん、噛んじゃ…だ…め…」

「じゃ、噛まなくていいのか?本当は好きなんだろう?軽く噛まれるのが…」

舌を回すように乳首を転がしながら、オスカーが見透かした様に言う。

「だめなんていうと、もう舐めたり吸ったりもしてやらないぜ、それでもいいのか?」

「やっ!オスカー様の意地悪…」

「こんなに優しくしてるじゃないか。さ、言ってご覧。どうして欲しいか…」

「言わないと…だめ?」

アンジェリークが甘えるな瞳でオスカーを見上げる。大抵あっさり降参してしまうオスカーだが、今回は引き下がらない。

「だめだ、これはお仕置きなんだからな。さ、どうしてもらうのが好きか言うんだ、お嬢ちゃん」

「あの、あの、しゃぶったり、吸ったりして、それから…ちょっとだけ、噛んで…」

「どこを?」

「あ〜ん、もう……おっぱい…」

蚊の泣くような声で応えるアンジェリーク。だが、まだオスカーは手綱を緩めない。

「おっぱいのどこを舐めて欲しいんだ?ここか」

わざと乳房の裾野あたりにオスカーは舌を這わせた。

「あん、もう!わかってるくせに…ね、もう、許して?」

「いわなきゃわからないだろう?それともここかな?」

オスカーは今度は乳房の谷間に舌を這わせ始めた。

どこまでもすっとぼけるつもりらしいオスカーにアンジェリークは焦れて自棄になったように叫んだ。

「あぁ〜ん、もう!…乳首です…乳首の先っちょにいろいろして欲しいの…」

「ほら、ちゃんと言えたじゃないか。じゃ、ご褒美だ」

オスカーが再度クリームをたらして丁寧に、しかし、執拗に乳首を舐りだした。

乳房全体を揉みしだきながら、先端を舌先で弾いては時折吸い上げたり、軽く甘噛みを加えたりする。

「ああっ…あん…あん…」

「ふふ、美味いぜ、お嬢ちゃんの実は本当に…瑞々しくって、跳ね返すような張りがあるのに、そのくせ口の中で蕩けそうなほど、柔らかい…俺に食べられるのを待っているようにぴんと立っているところも、かわいいぜ。俺に食べられるのは好きか?お嬢ちゃん?」

「あっ…好き…好きです、オスカー様ぁ、オスカー様にしていただくことはなんでも好きなの…あふ…」

「そんなかわいいことを言われたら、他の場所も食ってやりたくなっちまうな…」

そう言いながらアンジェリークの股間に手を伸ばす。当然の如くそこはしとどに熱い蜜を溢れさせている。

「ここにも小さな実が俺に食べられのを待っていたな…」

体を下方にずらして、オスカーはアンジェリークの膝をたたせた。

指で秘唇を押し開いて、硬くしこった花芽を露出させ、指の腹でくりくりと転がしてやる。

「あぁんっ」

「こんな小さな実も、俺に食べられるのを今か今かと待ち望んでる様だぜ?震える様に息づいて…お嬢ちゃん、食べて欲しいか?」

「ああっ!オスカー様、食べて!私を食べて!」

オスカーのゆったっりとした指使い焦らされ、アンジェリークにはもう取り繕う余裕もなかった。

火の様に熱い欲望だけがアンジェリークを支配していた。

やはり、この人は炎なのだ、自分が望むと望まざるとに拘わらず…アンジェリークはふと思う。

この炎に晒されて、巻きこまれて、いつしか自分に火がつく。

ともに燃えあがる体の熱さを自分でも持て余すこともあるが、もうこの炎なしでは息もつけない自分をアンジェリークは知っていた。

「ふ…かわいいな、お嬢ちゃんは。そんなに夢中になって…」

オスカーは今度はクリームをアンジェリークの押し広げた秘裂にぽたりと落とした。

「ひんっ!」

冷たさにアンジェリークが無意識に足を閉じようとするのを、がっしりと押さえこんで阻んでから、徐に股間に顔を埋めた。

クリームから漂うブランデーの香りと愛液の香りが渾然一体となって、オスカーの鼻腔をくすぐる。

アンジェリークの体の熱さでクリームがとろけて、秘裂全体を覆う様に流れ落ちる。

舌先を丸めて秘裂に舌を差し入れ、愛液とクリームをともに掬い取り嚥下する。

「お嬢ちゃんの蜜と混じって、なんともいえん妙味だぜ、このクリームは…」

「やぁん、オスカー様、そんな、そんなこと、言わないで…恥ずかしすぎます…」

アンジェリークが羞恥に全身を薄紅色に染めて身を捩る。

「こんな美味いんだから、こうして食ったら、もっと美味いかな…」

オスカーはふとおもいついて、ワゴンの上にあった苺をてにとり、アンジェリークの秘裂にそれを押しこんだ。

「きゃんっ!やっ!なに?冷たい!」

オスカーはかまわずアンジェリークの秘裂のなかで苺にたっぷりと愛液とクリームの交じり合った物をまぶしてから取りだし、アンジェリークにその苺を見せつけた。

「こうして食ったら、ただの苺もさぞかし美味いんじゃないかと思ってな」

といいながら、その苺をぺろりと舐めるオスカー。

「ふ、やっぱり一段と美味いぜ。お嬢ちゃんもたべてみるか?自分の蜜漬けの苺を…」

アンジェリークが耳まで真っ赤になった。自分自身が舐められているような気分がした。

「そ、そんな…いいです…」

「いらないのか?もったいない。美味いのにな…なら、クレープならどうだ?お嬢ちゃんの好物だろう?お嬢ちゃんの蜜をまいたクレープなんていかにも美味そうじゃないか…」

にやにやしながらとんでもないことを言うオスカーに、アンジェリークはもうどうしてよいかわからず、泣きそうになってしまった。

「ふぇ…もう、そんなにいじめないでください、オスカーさまぁ…」

アンジェリークの心底困ったような顔に、ちょっとやりすぎたかと一瞬、あくまで一瞬思ったオスカーだったが、この困ったような顔がまたそそるんだよな、という罰当たりな考えが結局オスカーの思考の中で勝利を収めた。

オスカーは苺を自分の口に放りこむと、

「クレープもいらないのか…なら、替りにこれを食うか?お嬢ちゃん?」

と言いながらアンジェリークの顔をまたいで、自分の硬くいきり立ったものをアンジェリークの唇におしつけた。

「お嬢ちゃんにはこれをやろう。これをしゃぶるのは好きだったよな?お嬢ちゃんは…」

有無を言わさぬ口調でオスカーが問いかける。

とても否などといえずアンジェリークは目の前の視界を埋め尽くすグロテスクなほど逞しいオスカーの物を魅入られたように見つめていた。

「お嬢ちゃんも、クリームを塗って食うか?」

からかうような口調でオスカーがさらに問うてきた。

アンジェリークは一瞬絶句し

「…こ、このままでいいです…」

とだけ、やっとのことで答えた。これ以外なんと答えていいのか、わからなかった。

「そう、新鮮なものは素材のまま味わうのが一番だからな。お嬢ちゃんはよくわかってるじゃないか。」

くっくっと笑いながら可笑しそうに話すオスカー。からかわれているのはわかったが、アンジェリークには対処の仕様がなかった。

「さあ、食っていいぜ、お嬢ちゃん、俺もお嬢ちゃんの蜜をもっと味あわせてもらうからな。自然のままのものが確かに最高だが、いつもと違う料理法、これもまた一興だ…」

そういうとオスカーは再度クリームを秘裂の上に垂らしてから、徐にアンジェリークの秘裂に舌を差し入れ肉壁の隅々までその舌を伸ばしいれた。

「あああっ!」

思わず声をあげた唇に、オスカーの怒張した物が押し当てられた。

オスカーが愛撫を求めている。

そう感じたアンジェリークはおずおずと小さな舌を差し出してオスカーのものをそっと舌でなぞった。

体のむきが互い違いなので口に含むことは難しい。

先端の張り出した部分から根もとの方へ、口に含めない替りに全体の輪郭を確かめる様に、手を添えて懸命に舐め上げる。

アンジェリークが舌を這わせるたびに、これ以上ないほどにオスカーのものが硬く大きく脈打つような気がして、アンジェリークの体の奥の熱が増す。

ただ、オスカーが秘裂の愛液を吸い、露出させた花芽を舌先で弾くたびに、アンジェリークの舌は瞬時止まってしまう。

「はぅっ…ああっ!そんな、そんなに舐めちゃ…ああっ溶けちゃう、溶けちゃいそう…」

「ああ、お嬢ちゃんのここはもうどろどろに溶けてる…俺が舐めきれないほど、後から後から蜜が溢れてくるぜ。クリームも、もう押し流されちまった…」

オスカーが秘裂に中指を根元までさしいれ熱く蕩ける坩堝をくちゅくちゅとかきまわした。

「ああぁん、オスカー様…もう、もう、お願い…」

「何をお願いしたいんだ、お嬢ちゃんは…」

今日のオスカーはとことん容赦がなかった。どこまでもアンジェリークを追い詰める。

ここで躊躇うほどの半端な燃え上がり方ではないと思ったし、オスカーは半端な愛撫をしたつもりはなかった。

オスカーもわかっていて言っているのだ。もうアンジェリークがぎりぎりのがけ淵にいることを。体は力強い一押しを求めていることを。

「オスカー様、もう、ください。オスカーさまのこれを…私のそこに…お願い…これ以上は言えない…」

アンジェリークが声を震わせていた。これだけいうのでも、相当な思いきりが必要だっただろう。

そう思うと愛しさと同時に、震えがくるほどに独占欲が満たされることを感じる。

アンジェリークがなにもかもかなぐりすてて自分を求める。

その瞬間だけは、アンジェリークを確かに手中にしていると、オスカーは実感できた。

「ああ、よく言えたな、お嬢ちゃん…素直な子にはご褒美だ。」

オスカーは体をおこして胡座を組むとアンジェリークの体も起こして自分の膝の上に抱きかかえ、屹立している自分のものでアンジェリークの花をゆっくりと貫いて行った。

「ああ…」

オスカーに突き刺されてアンジェリークがせつなげな声をあげる。

オスカーは根元までおさめきると結合をより深くできるように、アンジェリークの足を前に投げ出させた上で、アンジェリークの豊かな臀部を力をこめてだき抱え、激しい揺さぶりをかけた。

アンジェリークの臀部をしっかりとつかんで、自分の杭にうちつける。

「あっ…あぁっ…すご…」

いきなりの最深部を激しく抉られアンジェリークは大きくのけぞった。

オスカーのものが最奥にあたるたびに全身を楔で貫かれるような錯覚に思わず高い声が喉から迸る。

オスカーの首に回した腕が解けそうなほど背は反り返り、その反動で乳房がぐっと前に突き出された。

誘われるままにその先端をオスカーは口に含んで強く吸い上げる。

「ああああっ!」

その刺激にアンジェリークはオスカーの首から手を離してしまう。

アンジェリークは離した手をベッドについて自分の体を無意識に支えようとしたので、アンジェリークの背中はさらに大きく反り返り、豊かな乳房はより一層オスカーの方に突き出された。

アンジェリークが刺激に耐えられずに手を離してしまい、その手を後ろについて大きく背を撓らせたのを見てオスカーはアンジェリークの凝脂のような臀部を掴んでいた手を緩め、自分の体のわきに投げ出されていたアンジェリークの足を結合したまま素早く自分の肩に担ぎ上げた。

「ああっ!やぁっ…」

肩に足を担がれ、後ろ手をついて体が反り返っているため、アンジェリークの秘裂にオスカーの物が深深と刺さっているところがオスカーからも、アンジェリークからもまざまざとよく見えた。

「見ろ、お嬢ちゃん、お嬢ちゃんのここが美味そうに俺を咥え込んでいるところを…」

オスカーが律動を揺るめて、アンジェリークに話しかける。

結合部をよくみえるように足を肩にかけてしまったため、逆に激しい律動が難しくなった。

しかし、今一瞬はこれでいいとオスカーは思っていた。

羞恥を煽り精神を居たたまれなくさせながら、むしろ、律動は緩めてアンジェリークの肉体を焦らし、もっと切羽詰るほどにアンジェリークに自分を請い求めさせたかった。

「いやぁっ!」

アンジェリークが目を瞑って横を向いてしまう。頬は真っ赤で閉じた瞼は小刻みに震えている。

「お嬢ちゃんが見なくても、俺にはよく見える。お嬢ちゃんのここが俺のものに大きく押し広げられているのも、そのくせ、俺のものを放すまいと、きゅうきゅう襞が締め付けてくるのも…」

「いやぁ…そんな、そんなこと言わないで…」

「だが、俺のものを引き抜こうとすると、お嬢ちゃんの珊瑚色の花弁が名残惜しげに絡みついてくるぜ。ほら…」

オスカーがアンジェリークの臀部を抱えて、ずんと一回強くつきあげた。

「ひぃんっ」

アンジェリークが突き上げにあわせてのけぞる。

「ほら、突かれるといいんだろう?お嬢ちゃん。こんなに嬉しそうにここは俺を締め付けてくる…」

アンジェリークは力なくかぶりを振る。

恥ずかしくて溜まらないのに、オスカーに言葉をかけられるたびに、体の奥がどうしようもないほど熱くなり何かがじゅんと音をたてて溢れ出してくる。

「お嬢ちゃん、正直にいわないと、これで終りにしちまうぜ。食事もまだだしな…」

アンジェリークがはっと瞳を見開いてすがる様に、頼りない視線でオスカーを見上げる。

その瞳の色に若干心が痛んだオスカーだったが、その一方で、アンジェリークの揺れる瞳にさらに被虐心をそそられてしまった。

「さあ、お嬢ちゃん、どうしてほしいのか、どうしたらお嬢ちゃんは気持ちよくなるのかちゃんと言うんだ…」

オスカーの氷青色の瞳に見据えられて、アンジェリークは操られたように、言葉を紡ぎ出した。

「オスカー様…突いて…」

一度言ってしまえば、後は堰を切ったように言葉が溢れてきた。

「オスカー様、お願い!一杯ついて!奥まで、一番奥までおもいっきり突いて!オスカー様のこれで!」

「承知したぜ、お嬢ちゃん!」

言うやオスカーは、足を肩にかけたままアンジェリークに覆い被さり、たおやかな体の自分の下に組み敷くと、狂った様に激しい律動を開始した。

「はぁあああああっ!」

アンジェリークが金の髪をシーツの上にきらきらと散らしながらかぶりを振る。

「ほら、おもいきり突いてるぜ。嬉しいか?お嬢ちゃん…」

オスカーが自分も息を荒げながら、アンジェリークの耳元に囁きかける。

「んくぅ!嬉しい!オスカーさま!もっと、もっと…」

「ふ…お嬢ちゃんは欲張りだな…まだ足りないのか?」

さらに深深とオスカーは腰を打ち据える。

「はぅっ…だって…好きなの!すっごく好きなの!」

「なら、もっと俺にしがみ付け。もっと硬く俺に抱きついて来い!」

「ああっ!オスカーさまぁっ!」

言われるままにアンジェリークはオスカーの首にうでを回して思い切り強く抱きしめた。

肩にかけられていた足も外して、自分からオスカーの胴に絡み付けオスカーの体に寸分の隙もなく肌を合わせるようにしがみついてきた。

アンジェリークが一亳の迷いもなく自分を求める情熱にオスカーの思考も沸騰した。

「アンジェ…俺のアンジェ…」

アンジェリークの体を折れよとばかりに抱きしめ、壊さんばかりに激しく力強く自分のものをアンジェリークに打ちこんだ。

「俺の…俺のものだ、アンジェリークっ!」

「あああああっ!」

オスカーが絞りに絞っていた自分の欲望を解き放ち、同時にアンジェリークの秘裂が激しい収縮を繰返した。

放った後もオスカーは力を緩めずにアンジェリークをしっかりと自分の腕の中に閉じこめていた。

オスカーの腕の中でアンジェリークは 快楽の余韻に小さな啜り泣きを零していた。

 

アンジェリークがおちついてきたのを見て、オスカーは軽い口付けをおとしてから腕の力を緩めた。

「すまん、俺が一緒に食事をしようと言ったのに、その前にお嬢ちゃんを食っちまって…食事が遅くなっちまったな…」

「はふ…さすがにおなか空きましたね、オスカーさま」

ブランチも食べないうちに、もう早めの昼食をとってもおかしくない時刻になっていた。

オスカーはベッドから起き上がると、アンジェリークの体を起こしてやり肩にレースのローブをかけてやった。

ポットのカフェオレはさすがに冷めてしまっていたが、クレープ自体は冷めても味の変わらない具材が多く、まるで、こうなることをシェフに見越されていたようで、オスカーはなんとなく決まりが悪かった。

アンジェリークがやはり真っ先にフルーツに手を伸ばす。

「お嬢ちゃん、好きなものばっかり食べてちゃだめだぞ。ちゃんとバランスよく食べないと、美容によくないぜ」

「あとでサラダも食べますから〜。あれ?オスカー様、クリームは?」

アンジェリークがクリームのポットを探している。

オスカーは、はっと気付くと、

「それが…俺が全部お嬢ちゃんにつけてなめちまったかもしれん…」

「ええ〜?も、ずるい、オスカー様ったら…オスカー様の方が、好きなものばっかり召し上がってるじゃないですか〜」

「いや、俺は決してクリームが好きってわけじゃなくて…」

オスカーが皆まで言い終わらぬうちに、アンジェリークがオスカーの頬を両手で挟みこんで唇にちゅと口付けた。

虚を突かれて呆然としているオスカーにアンジェリークは

「私が、オスカー様が好きなものばかり召し上がってるっていったのは、クリームのことじゃないですよ…」

とはにかんだようにくすくすと微笑みながら告げた。

艶然といってもいいような雰囲気を醸し出しているアンジェリークに、不覚にもオスカーの方が赤面してしまった。

「はい、オスカー様、オスカー様の好きなチキンサラダ巻きですよ」

アンジェリークが何事もなかったかのように、器用な手つきで巻いたクレープをオスカーに差し出した。

「ああ、ありがとう、お嬢ちゃん…」

心ここにあらずといった風情でオスカーはクレープを受け取った。

『掌の上で踊らされているのは俺のほうかもしれん…』

男としてこれじゃいかん、主導権はあくまで俺がとらねば!とここは思うべきなのだろうか…と考えつつ、ちっともそうは思えないし、思えなくてもなんともないどころか、何となく幸せな気分に包まれてしまう自分が何やら信じられないオスカーであった。

                                                                FIN


アンジェを生クリーム攻めするオスカー様のイラストをしのちゃん様からいただいちゃいました!あまりのHさにファイルあけた瞬間、興奮して机をばんばん叩いてしまった私(爆)駄文くっつけます〜と言った時は、コメント程度のつもりだったのがいつもまにやら短編に(笑)オードブルの時と同じパターンですね。女体盛りの一種と言うことで、某所のBBSと多少似通った展開もありますが、アレンジを変えましたのでどうぞご容赦くださいませ。ラストの「オスカー様は好きな物ばかり食べて…」の意味はわかりますよね?(笑)