穏やかに晴れ渡った聖地の静かな昼下がり。眠気を催してしまいそうなほど平穏な午後である。つい先日、女王試験をいわば寿辞退し、新補佐官になることとなったアンジェリークは一人自室で着替えの最中であった。彼女の身を包んでいるのは、純白のウェディングドレス。あと一週間もしないうちに、アンジェリークはこのドレスを身につけお嫁に行くのだ。炎の守護聖オスカーの許へ。
先ほどまでアンジェリークは今日できあがったばかりのウェディングドレスの衣装合わせをしていた。オリヴィエがデザインし、オリヴィエ御用達のお針子さんに仕上げてもらったドレスはまさにアンジェリーク一人のためにあつらえられたものというにふさわしい出来映えだった。蜘蛛の糸で編んだかのような繊細なレースは触れると中空に消えてしまいそうななよやかさで、そのレースをを惜しげもなくふんだんに寄せたドレープは豪奢でいながら素材のよさ故に重さを感じさせない。フリルやパールビーズの縫取りなどかわいらしいディテールを散りばめていながら全体のシルエットはあくまでもすっきりすんなりと軽やかで、花嫁の愛らしさ、可憐さ、初々しさをとことんまで表現する絶妙のラインで構成されている。アンジェリークはこのドレスを今実際に着てみて、苦しいところや、逆にもたついている所がないかなど手直しの入用な部分のチェックをしてもらったのだが、ドレスの出来はスタイリストのオリヴィエも文句なしの太鼓判を押した改心のしあがりであった。
ドレスにオリヴィエのOKが出たところで、ヘッドドレスとベールに合わせた髪型を相談して実際に結い上げてもらってみ、お化粧もドレスに負けない華やかな、しかし、けばけばしくはない絶妙な色味で実際にメイクしてもらい…アンジェリークは一週間後にそうなるであろう姿を今、実際に見せてもらって、自ずと胸に湧き上がる喜びと誇らしさに頬をしあわせそうに紅潮させた。瞳も浮き立つ気持ちそのままにまぶしいほどに輝いている。その美しさと愛らしさの極致のようなアンジェリークの花嫁姿に、オリヴィエも満足気な感嘆の吐息を零したほどだ。
そして、無事衣装合わせを済ませたオリヴィエと御付きの女官たちはアンジェリークの許を辞し、今、アンジェリークは高揚感の余韻にひたりつつ、一人ドレスを脱いでいた。当日まで衣装を大事にしまっておかなくては…クロゼットに衣装を掛けている自分の姿が姿見に映っているのにふと気付き、アンジェリークは思わず自分の姿を見つめなおした。
ドレスを脱いだその下はウェディングドレスに合わせた特注のウェディングランジェリーである。実を言うとアンジェリークはドレスを着る前、このランジェリーを身につけて見た時から胸が高鳴って仕方なかった。こんなに豪華でかわいくて綺麗でうっとりするような下着を見たことがないと思った。
艶やかなシルクサテンのビスチェはアンジェリークのバストのラインにぴったりと吸い付くようで、魅惑的な胸の谷間をより美しく際立たせ、背の部分は大きく刳れた編み上げ仕様になっていて、無理なく綺麗に背中から腰へのラインを造形している。ドレスのシルエットを整えるパニエは白い花びらを幾重にも重ねたようで、さながら花の精の召し物とはかくやと思わせる。パニエは前の部分が合わせになっているので歩きやすく、また、歩くと絹の靴下を止めているサファイヤブルーのガーターベルトが差し色のようにちらちら見えて、全体を引き締める効果をあげている。
「下着だけど、綺麗でかわいい。ドレスで見えないのももったいないかも、なんてね、きゃv」
なんて、思ってしまったアンジェリーク。実際このランジェリーはちょっと見にはベアトップのミニドレスに見えるほど、綺麗に整い完成されたシルエットだ。
「こんなミニのドレスもかわいいわよね〜。思いきり肩があいてても、長手袋をしてるときちんと見えるし…今だってアクセサリーやベールをつけたら、そのままドレスに見えそうだもの。」
今しがた外したばかりのベールをもう一度軽くピンで留めてみて、アンジェリークは鏡を覗き込む。
「あ、やっぱり、かわいい…」
これにボリュームのあるネックレスやイヤリングをつけたら、本当にそのままドレスで通りそうだ。肌の露出は多い分、アクセサリーも映えることだろう。
「ガーデンパーティとかなら、こんなミニドレスの方が良いかも…うーん、こういうのも着てみたかったけど、いくらなんでも、もうオーダーは間に合わないわよね…」
荘厳な雰囲気の漂う豪奢なウェディングドレスもいいけれど、軽やかで愛らしいミニドレスも正直言って捨て難い…おしゃれ心というのは際限がなく、アンジェリークの想像も同じように際限なく広がっていく。
「レースのフリルを何段にも重ねたスカートで、だけど思いきりミニ丈にして…かわいいだろーなー。でも、歩くとガーターベルトがちらちら見えちゃうのはいくらなんでも短すぎるかしら、うふふ…」
姿見の前でくるりと半回転して、後姿もチェックしてみるアンジェリーク。すっかり一人ファッションショーの気分だ。大きく開いた背中の編み上げもかわいくてお気にいりだし、ウェストからヒップラインを綺麗にみせるV字の切り替えに沿って付けられたパニエは、後ろのラインを徐々に長くとってあるので動きがあってしかもエレガントである。
尤も今着ているパニエは霞のようなレースだから何段重ねても、ガーターベルトどころか、足の付け根から、いやレースのショーツに覆われた丸いヒップまでばっちり見えてしまっている。
「こんなミニドレスが本当に結婚式の衣装だったら、オスカー様、なんておっしゃるかしら…喜ぶかしら、それともあわてちゃうかしら…」
思わず想像してしまい、くすくす笑いが零れ出る。
「ううん、それより、今、ここにオスカー様がいらしたら、なんておっしゃるかしら?下着だってわからなくて、『随分大胆なドレスだな』とかおっしゃるかしら。でも、オスカー様はセクシーなドレスもお好きよね、きっと。こんなかわいいデザインなら、セクシーでも背伸びした感じには見えないだろうし…」
なんとなく、オスカーに見てもらいたいような気のするアンジェリークである。この姿を見たらなんて言ってくださるかしら、でも、結婚する前から下着姿を見てもらいたいなんて、ちょっと恥かしい…でも、やっぱり…などという、自分でも矛盾した考えに思わず知らず頬を染めていたその時であった。
コンコーンとノックの音がして、返事をする間もなくガチャッと扉が開いて
「お嬢ちゃん、式のドレスが届いたって?俺も見せてもらってかまわないか?」
と、まさにアンジェリークの想い描いていたその人がこれ以上はないというタイミングで現れたのであった。
そしてアンジェリークの姿を見るや「うぉ…」と一言唸る様に言ったきりオスカーはその場に固まって立ち尽くしてしまった。
想像していた事がいきなり現実になると、人はかえって咄嗟に対処できなくなる。アンジェリークもすっかりあわてふためいて体は硬直、頭の中はぐるぐるスクランブル状態となった。
『きゃー!どーしよー!オスカー様が本当においでになってしまったわ!森の湖に祈ったわけでもないのに、なんて、ナイスタイミング…じゃない、来てもらいたいようなもらいたくないような絶妙な時を狙ったようにいらっしゃるのー!んもう、ほんとに流石オスカー様なんだから!』
混乱故に自分でも何を言っているのかわからないアンジェリークの心の叫びは、しかし、実際の声にならなかった。なる暇もなかった。
というのも、一瞬の空白を置いた後、マッハの速度で移動したか、部屋の中央までひと跨ぎで来たのかという勢いと
「か、かわいい…かわいすぎる…このまま、嫁に来てくれ!お嬢ちゃ〜〜んっ!」
という雄叫びとともに、アンジェリークは瞬きする間もなくその場に押し倒されたからであった。
「きゃあああ〜」
「かわいい!かわいいぞ!お嬢ちゃん!この世のものとは思えぬ愛らしさだ!今すぐ、今日この瞬間から、俺の嫁になってくれっ!」
オスカーは組み敷いたアンジェリークの乳房をビスチェのカップの上から激しく揉みしだく。差し出した舌でアンジェリークのすんなりとした首筋に唾液の跡を忙しなく縦横につけまくる。押し倒された時の風圧(衝撃波?)で髪にピンで軽く留めてあっただけのベールは部屋の隅まで吹っ飛んでいた。
しかし、アンジェリークはすんなりと唯々諾々にはならない。かなり本気になって抵抗した。首筋に吸い付いているオスカーを必死に押し返そうとする。
「きゃーん、いやーん、オスカー様、だめだめだめぇ〜!結婚式本番までお預けですぅ〜」
もしかしたら、この下着姿にオスカーもどきんとしてくれるかしら…くらいに思っていたアンジェリークはつくづく自分の見通しが甘かったと思い知らされた。感動したように「かわいい…」と言ってくれたのは嬉しいのだが、まさか秒速の勢いでその場で押し倒されるとまでは考えていなかった。
「だから、今日、いますぐ、この場で結婚しちまおう!お嬢ちゃん!」
「な…そ、そんなむちゃくちゃですぅ〜、結婚式はどうするんですか〜」
「俺を見そこなうなよ、お嬢ちゃん。こんなかわいい花嫁姿を見せられて俺が辛抱できるとでも思うのか?ましてや後一週間もお預けなんて…俺がそんなに待てる筈がないだろうっ!!」
あまりに堂々とした欠片も悪びれた所のないオスカーの宣言に一瞬毒気をぬかれて絶句したアンジェリークだったが、直後にはっと我に返り即座に抗弁した。
「えばって言うことじゃないですぅ〜!」
しかし懸命な主張もか弱い抵抗も全く意に介せず…どころか、却ってますます情欲の炎を煽られてしまったオスカーはもうどうにも止まらないという勢いでビスチェのカップに少々強引に手を差し入れてぐいと引き下げ、豊かな乳房を陽光の許に惜しげもなくさらした。
おわんを伏せたような形のいい乳房がぷるんと揺れて零れた。明るい陽の光を弾いて目にまぶしいほど真っ白な乳房だ。
「きゃああ〜そんなに乱暴にしちゃだめぇ〜!ランジェリーが破けたりしみになったら困ります〜」
その言葉にオスカーの手と舌が瞬間止まった。今にも乳房の先端をきつく吸いたてようと思っていたところだった。
「お嬢ちゃん、これはその、やっぱり下着なんだな?ドレスじゃなくて…」
「そ、そうです〜!ドレスの下に着るランジェリーですぅ。だから、これは花嫁姿じゃないんですぅ〜」
ここぞとばかりにオスカーの顔を押し返し、にじにじとオスカーの身体の下から這い出ようとするアンジェリークだったが、オスカーは目の端できちんとそれを捉えていた。きっちり全身で体重を掛けて押えこみ、アンジェリークを逃げるに任せるようなへまはしない。
「ドレスにしては大胆だとは思ったんだが…お嬢ちゃんがベールをつけてたから、俺は愛らしくも蠱惑的なこの衣装がウェディングドレスかと思って…焦ったぜ…」
「え?オスカー様…どうして?」
「決ってるじゃないか…俺を魅惑してくれるのは嬉しいが…実際俺はハートのど真ん中を撃ちぬかれちまった…こんなにかわいくてセクシーな花嫁を見せられたら…俺と同じように、他の連中も君に惚れ直しちまう、ますます虜になっちまう。それがわかるから列席者になんぞもったいなくて見せられん。見せたくない。こんなにかわいいお嬢ちゃんは俺だけのものにしておきたい、魅惑するのは俺だけにしてほしい…他のヤツらにこんな魅力的な姿を見せちゃいけない…」
「オスカーさま…」
「それなら、いっそ結婚式なんてしなくていい、こんなに愛らしい君を他の誰にも見せたくない。だから、このまま、今すぐ君を俺の花嫁にしちまいたくなった…」
胸が痛くなるような熱いオスカーの心を知ってアンジェリークはほっこりとオスカーに微笑みかけた。
「大丈夫ですよ、オスカー様。これは下着姿だから…他の方に見せるなんてことはありません…お見せするのは…オスカー様だけです…お見せしたいのも…」
自分で言って頬を真っ赤に染めるアンジェリーク。
「お嬢ちゃん…」
「だから…安心してください。この姿で結婚する訳じゃないですから…ね、だから、結婚式まで待ってくださいね?式が終わればオスカー様だけにお見せできますから…やん…」
自分の言葉に更に照れてしまってアンジェリークは耳まで朱に染まる。
「そうか…」
アンジェリークの言葉にオスカーも笑みを浮かべた。しかしその笑みはアンジェリークがなんとなく不安を覚える笑みであった。いかにも、何かいいことを思いついたとでもいうような…
「…それなら…」
にやりとしたままオスカーはアンジェリークに一気にこうせまった。
「じゃ、じゃ、約束だ!式が終わったら、速攻その姿で初夜に突入だからな!もちろんドレスは脱いでもランジェリーは脱いじゃだめだぞ!式が朝だろうか、真昼間だろうが、式が終わり次第即刻初夜だからな!いいな!」
「えええ〜!パーティーとかしなくていいんですか〜?皆さん、結婚披露パーティーがあるものと思ってるみたいですよ…?オリヴィエ様とかはりきって準備してるみたいな…」
「結婚式はともかく、パーティーなぞ、したいやつがすればいい、結婚式さえ済めば俺たちがその場にいる必要はないだろう?だから、俺とお嬢ちゃん即刻初夜だ。朝でも昼でもすぐに初夜に突入するぞ、いいな?お嬢ちゃん。」
パーティーができないのは困る。オリヴィエもはりきって準備してくれてるのにパーティーをしないというのも申し訳ない。しかし、それより何より、式が終わり次第「じゃ!」とでも言うように二人で私邸にひっこんでしまったら、それって、その…いくらなんでもばればれじゃないのおおお!そりゃ、夜は仕方ないと思うけど(ぽ!)式が済むや否や、二人で速攻で家におこもりしちゃったら、いかにも、我慢できないみたいっていうか(←実際その通りである)しかも、それから朝までずっと…って皆に想像されちゃうじゃないの〜!それって、いくらなんでも恥かしすぎるわ〜!!!
と瞬時に考えたアンジェリークである。いくらなんでもオスカーのこの提案を受け入れることはできっこないと思った。
「そ、そんなー、主役っていうか、花嫁花婿のいない結婚披露パーティーなんて聞いたことありませんよー。そんなのだめですぅ〜!」
「なんだ、お嬢ちゃんはパーティーにでたいのか?ん?」
アンジェリークは必死にこくこく頷いた。自分が出たいというよりパーティーを開いてくれるという守護聖たちの気持ちを無にしないためという気持ちの方が強かったが、自分がパーティーに出たがっているとオスカーが思ってくれれば、式が終わり次第真昼間から初夜という展開を逃れられるかもしれない。
「そうか、お嬢ちゃんはパーティーに出たいのか…それならだなぁ…」
オスカーが先刻より更に妖しい笑みを浮かべた。アンジェリークはなんとなーくいやーな予感にたじろぐ。
「速攻初夜じゃなければ、今、この場で初夜の予行練習だーっ!」
「きゃぁっ!」
オスカーはずりずりと上に逃げようとしていたアンジェリークの細い手首を掴んで床に押しつけ、その肩口に顔を埋めて耳許に息を交えて囁きかけた。
「今、一回練習しておけば、パーティの間くらいなら俺も我慢できるかもしれないぜ?そうすれば速攻初夜に雪崩こまずに済むな…」
「え…それって、その、あの、もしかして、今、この場で、この姿で…まさか…そういうこと?…ですか…?」
恐る恐る上目遣いにオスカーを見やるとオスカーは至極真面目な顔でもっともらしく、かつ、不必要なまでに重々しく頷いて言葉を続けた。
「さ、お嬢ちゃん、今、予行練習するのと、式直後の初夜とどっちがいい?俺はお嬢ちゃんの好きな方でいいぜ?お嬢ちゃんが選びな?」
「そ、それは選ぶっていいませーん!」
「じゃ、今すぐってことでいいんだな?よし、わかった!」
「な、なにがわかったなんです…きゃあああ〜んぐぐぐぐ…」
有無を言わさずオスカーはアンジェリークの唇を塞いだ。
しゃべりかけていたアンジェリークは口を開けていたので、そのチャンスを逃さずオスカーは強引に口腔深く舌をねじ込んだ。
びっくりしたように奥に隠れているアンジェリークの舌に自分の舌を絡めあわせ逃れられないようにして強く吸う。彼女の舌の表裏全てを愛撫する様に舐め回す。彼女の口腔内を犯すように舌を深深と差し入れてはあらゆる所を舐り尽くさんとばかり激しく舌を蠢かせた。
アンジェリークの舌を弾くように舐めあげるうちに、強張っていた腕の筋肉が徐々に力を失っていく。桿馬のように跳ねまわって逃れようとしていた身体が徐々に柔らかく解れたように弛緩していく。
それを感じてオスカーは押えていた手首を放した。自由にされたアンジェリークの腕はもう、オスカーを押しのけようとしない。自ら逞しく太い首に巻き付いてくる。
自分の首にからみ付いてくるしなやかな指先を感じて、オスカーは一度唇を放してアンジェリークを見下ろした。アンジェリークが僅かに非難を含む瞳でオスカーを見つめ返す。『ずるい人』と…
「お嬢ちゃん、そんな目で俺を見ないでくれ…わかっているんだ、自分でも…」
アンジェリークの瞳の色が和らぐ。問いかけるような視線がオスカーを見上げる。
「それでも自分が抑えられない。さっき言ったことは本心だ。本当は今すぐにでも君を俺だけのものにしてしまいたい。特に…こんな…愛らしくも悩ましい姿を見せられたら…俺は本気で心配したんだぜ?清楚なのに挑発的で…聖らかなのに官能的で…こんな姿を見たらどんな男だってノックアウトされちまう…君は俺の花嫁だ…誰のものでもない、俺の…俺だけのものだ…本当は誰にも見せたくない、このまま俺の腕の中に閉じこめてしまってどこにもやりたくない…だから、俺は…」
「オスカー様…私も…同じなの……」
「お嬢ちゃん?…」
「あのね…私も本当はオスカー様に見てもらいたいって思ったの…この姿にオスカー様がどきんとしてくれるかな、なんて思ってたの。でも、そう思ってもらいたいのはオスカー様だけです。見てもらいたいのはオスカー様だけです。だから…」
「ああ、実際、この天使の誘惑に俺はメロメロになっちまった。きっとお嬢ちゃんが想像する以上に俺は君に夢中だ…なのに、俺を今以上に骨抜きにしようとして…いけないお嬢ちゃんだ…」
「オスカー様…」
「君は俺を…俺だけを誘惑したかったんだな?…それなら…覚悟はできてるな?…いや、今、覚悟しろよ、お嬢ちゃん…」
返答を待たずオスカーは再度アンジェリークの唇を塞いだ。
今度はアンジェリークの身体も舌も逃げようとしない。
積極的に自分から仕掛ける技術はまだまだ及ばない。それでも、背に回される腕の力に、自分の身体をなでるような指の動きに自分を求める熱い気持ちをオスカーは感じる。
だから、自分の情欲も更に熱が増す。
オスカーは口付けを解き、自分の着衣を無造作に毟り取る。間をおかず剥き出しにされたままの乳房を二つ同時に荒々しくこねるように揉みしだく。絞るように先端を際立たせ勢い良く舌で弾く。口腔に深く含んできつく吸いあげる。吸いながら舌先で先端を円かに転がす。すっかり固く尖った乳首の弾力が唇に心地良い。
「あ…うぅん…」
アンジェリークの眉が悩ましげに顰められる。切なく擦れた吐息が漏れる。
その表情が愛しくて、その声をもっと聞かせてほしくて、オスカーは乳首を舌で舐りながら、手を股間に伸ばす。手探りでほわほわとした繊毛の感触を探し、その部分を隠し覆っている小さな布に手をかける。まろい臀部をなでさするような動きでその小さな布を取り去ろうとしたら絹の靴下のさらりと冷たい感触が指に触れた。その冷たさが逆にオスカーの熱を煽る。
逸る心で股間をまさぐると、指先を熱く焼く滴りがオスカーの来訪を待ちわびていたかのように絡みついてくる。その熱さは、きっと自分の心を灼く熱さと同じほどだと思えることが、更にオスカーの喜びをいや増す。
「お嬢ちゃん、もう、こんなになって…すごく濡れてるぜ…」
「あ…やん…」
「ほら、わかるだろう?」
オスカーは水音を響かせるように、指先で愛液を花弁全体に塗りひろげる。ふくふくとした花弁を滑らかに撫でさする。指先が花芽を掠める度にアンジェリークの腰がもっと…とでもいうようにひくりと妖しく蠢く。その求めに応えたい…いや、俺の方が触れたいんだ、この愛らしい膨らみに…指先はすぐに固くしこった花芽を探り当てる。中指の腹で円を描く様にそっと転がす。
「はっ…あぁっ…」
「ここもこんなに固く尖らせて…」
「あっ…あんっ…」
花芽を指先で擦るとアンジェリークは、くっと顎をのけぞらせる。あらわになる白い喉笛に噛み付くように口付ける。
でも、オスカーはすぐに物足りない思いに駆られる。莢の上から触れるだけではどうにももどかしい。この焦燥は何だろう。休む間もなくより強い快楽を与えていないと、何故か不安が忍び寄ってくるような焦りは…
追いたてられるような思いでオスカーは身体全体を下方にずらす。まろやかな臀部の下に手を差し入れて少し持ち上げ気味にする。とろとろに濡れ光る花弁がよく見えるようになる。溢れた蜜は周囲の柔毛に宿る露の珠となって、明るい日差しをきらきらと弾き返す。
「ああ、すごく綺麗だ、お嬢ちゃんの花は…」
「あっ…やっ…」
つぶさに見られていると知り、アンジェリークが腰を引けようとする。もちろんオスカーはそれを許さない。柔らかく、しかし、しっかりと臀部を抱えて更に自分の眼前にアンジェリークの花が開くような姿勢をとらせる。持ち上げられた腰の周囲にはパニエのレースが幾重にも重なって広がり、アンジェリークの花弁を華芯として大輪の白い花がその場に咲いたようだった。
「やっ…オスカーさま、こんな…はずかし…」
「恥かしくなんてない…お嬢ちゃんはすごく綺麗だ…清楚で艶やかな大輪の白薔薇だ。このレースが君の花弁を飾り彩る花びらみたいで、君自身が一輪の花のようだ…」
オスカーは差し出した舌で、僅かに綻んでいる花弁の合せ目を割り、そのまま何度も舐めあげはじめた。
「ああっ…」
「君はやっぱり花そのものだな…こんなに蜜を溢れさせてるじゃないか…」
オスカーは舌を秘裂の奥深くにさしいれ複雑に重りなった襞を解きほぐすように舌先を蠢かす。かと思うと花弁全体に唇を押し当てるようにして喉を鳴らして愛液をすする。
「ああ、美味いな、お嬢ちゃんの蜜は…どんな花の蜜より甘く香しい…」
「やっ……そんな……」
アンジェリークは顔を背けてしまう。自分の胎内の奥深くをオスカーの舌に探られる感触に身体も心も灼けつくような羞恥に炙られている。
「もっと味わいたい…この甘い蜜を…」
オスカーはアンジェリークの臀部を大きな掌で抱えこんだまま、両の親指でぐっと花弁を押し広げた。莢に包まれていた小さな薔薇色の宝珠が顔を覗かせた。慎ましやかに、でも、触れてもらうことを期待するかのようにぷっくりとふくらんでいる。
オスカーはその愛らしい様子に一瞬惚れ惚れと見惚れてから、徐に舌を宛がって丁寧になめあげた。
「ぅくぅっ…ん」
アンジェリークが甘えたような声をあげる。その声音はアンジェリークの望みを何よりもはっきりとオスカーに伝える。もっと愛してくれと。
誘われた以上に応えてやりたくて、オスカーは舌の動きを速める。上下に、左右に素早くちろちろと舌先を踊らせてその珠を激しく愛でる。
「きゃぅっ…くぅっ…んんっ…」
「気持ちいいか?お嬢ちゃん」
「んっ…痺れる…みたい…」
「…もっと気持ちよくしてやろう…」
オスカーはぷくんとしこった珠全部を口に含んでねっとりと舌を絡めて舐めまわしたり、唇に挟みこんでちゅくちゅくと吸う。ぷりんとした触感は舌をはじき返すようで、それがまた心地良くていくらでも舐めてやりたくなる。その思いのままに、更に素早く舌を踊らせて、かわいい珠を弾き転がす。
「あっ…ああっ…んくっ…」
アンジェリークはいやいやをするように首を振ったり、自分の小指を噛んだりと、取り止めない。呼気は火を吐くように熱くせわしない。愛液は止めど無く溢れ出て際限なくオスカーの喉を潤す。
「お嬢ちゃん、我慢できなくなったら…」
「え?…あっ…あんっ……」
「欲しくなったらちゃんと言うんだ…ここをしっかりと充たしてもらいたくなったらな?」
本当は自分が堪えられそうにないのだ。もう一刻も早くアンジェリークの中に入りたかった。この花の中心を思いきり刺し貫いてしまいたい。
それでも、アンジェリーク自身がどうしようもないほど自分を求める気持ちになるまでは待つ。その方がアンジェリークの快楽もより深くなるはずだから…自分一人が良ければいいセックスになんの意味があろう。愛する人とこの上ない悦びを分かち合う為にこそ、人は肌を重ねるのだから。
オスカーは宝珠をねっとりとなめまわしながら、徐に指を秘裂に差し入れた。そのまま勢いよく最奥を突く。
「ああんっ…」
アンジェリークの背中が大きくのけぞった、合わせて腰のパニエが風に揺れる花びらのように広がる。
艶かしい花の風情にたまらない気持ちになって、オスカーはくちゅくちゅと水音をたてて激しく指を抜き差しする。指にまつわりつく襞を苛むように掻き回す。
「あっ…ああっ…やっ…」
「ほら、襞襞が物欲しげに俺の指を締めつけてくる…」
オスカーは長い指をくの字に曲げて、腹側の肉壁を意識して強くすりあげた。
「ああんっ…やぁあっ…」
「欲しいか?お嬢ちゃん……」
「ああっ…お、オスカーさまぁっ…」
アンジェリークがすがるように真剣な眼差しでオスカーを見上げた。翠緑の瞳に情欲の焔が燃え踊っているのをオスカーはしっかりと認めた。
「俺は…お嬢ちゃんが欲しい……」
「あっ…オスカー…さまっ…」
『来て…』
声はなかった。だが、赤い唇が確かにそう動いた。
間髪をいれず、オスカーは渾身の力で花の中心を差し貫いた。
「ああああっ…」
オスカーの背に細い指が食いこむ。
オスカーも華奢な身体を思いきり抱きしめながら、激しく腰を打ち付ける。
「あっ…あんっ…ああっ…」
小さな手が拠り所を求めるようにオスカーの背をさ迷う。強く突き上げる度に、ぐっと指に力が入る。快楽に流されそうな意識を必死に繋ぎ止め様としているのか、オスカーにすがるように抱き付いてくる。
その様がいじらしくて、愛しくて、オスカーは更にきつくアンジェリークを抱きしめる。アンジェリークの身体を覆うシルクサテンの艶やかな感触が熱く火照る身体に心地良い。
「アンジェ…俺の花…」
オスカーは一度身体を起こすと、アンジェリークの花弁が良く見えるように足首を掴んで大きくハの字に足を広げさせた。
「あっ…」
そのままねじ込むように腰を打ち据えると、素早い律動を続けざまに放つ。
「ああっ…」
白くすんなりとした足の真中に咲く薔薇色の花弁、その中心を激しい勢いで出入りする自分の物が見える。アンジェリークの蜜に塗れててらてらと濡れ光っている。
オスカーの動きに合わせてパニエのレースが揺れて踊る。あたかも風に踊る花びらのように。白い大輪の花が床に咲き広がる。
「ほら、俺のものが君の花を刺し貫いている…君の蜜にまみれて…」
「やぁああっ…はずか…し……」
「俺で一杯にしてやる、俺で充たしてやる…君は俺の、俺だけの花だ…何よりも美しく愛らしい俺の白薔薇…」
「ああっ…あっ…おすかー…さまっ…」
オスカーは掴んでいた足首を自分の肩にかけなおして、上体を倒しアンジェリークに覆い被さった。アンジェリークの身体はオスカーに二つ折りにされたように組み敷かれる。
そして間髪をいれず重い律動を矢継早に放った。腰を回すように打ち据え、アンジェリークの胎内を抉るような鋭く激しい突き上げを惨いほどに与える。
「あああっ…やっ…だめ…もう…」
「アンジェリーク…俺の…アンジェ…」
「ああぁっ…」
オスカーの身体の下でこよなく愛する白い花が可憐に震えた。
「ふぅ…最高だったぜ、お嬢ちゃん…やっぱりランジェリーをつけたままは燃えるな…」
オスカーは特上マグロを食った後の猫みたいに至極ご満悦な様子だった。おいしいお口を満足げに舌なめずりせんばかりだ。
「ランジェリー姿のお嬢ちゃんはまさしく白薔薇の精みたいだったぜ…」
オスカーは舌なめずりの替りに愛しげにアンジェリークに無数のキスを落す。
「は、はぁはぁ…おすかーさまったら、ご、強引なんだから…」
ビスチェのカップ部分は完全に裏返され、いわゆるおっぱいぽろり状態のアンジェリークは激しく息を荒げている。白い乳房には点々と紅色の愛の証が散らされている。この時点ではその意味を考える余裕はなかったが、後にアンジェリークはドレスが首許までレースのあることを天に向って感謝した。もしかしたら、オリヴィエがこういうことを見越してデザインしてくれたのかもしれないとおもったのは、さらにその後のことだ。
花びらのようなレースのペチコートは完全におなかまでまくりあげられ、ガーターベルトと靴下のみの下半身はいまだ金色の叢がばっちり全開である。しかも、情事の後のこととて、その叢はしとどに塗れそぼったままだった。
「その割にはお嬢ちゃんも雰囲気だしてたぜ?ランジェリー姿のまま抱かれて燃えたんだろう?すごくいい声でないてたし、あそこは大洪水だったぜ?ほら、俺のアンダーヘアまでぐっしょりだ。」
言うやオスカーはアンジェリークの手を導いて自分の濃い緋色のアンダーヘアを触らせた。
「きゃ!いやーん!………」
そのちょっぴり(?)Hっぽい後戯に照れて真っ赤になったアンジェリークは突然はっとしたように硬直した。
「…こんなにオスカー様のが濡れちゃってるってことは…もしかして、もしかしすると…」
がば!と身を起こし、アンジェリークは自分の身なりをあちこち確認点検し始め、直後に小さな悲鳴をあげた。
「きゃあああ〜!あっちにも、こっちにも恥かしいしみがこんなにたくさんついてるー!」
「ま、あれだけ濡れれば、それは止めておけずに零れるだろうなー。俺もかなり燃えたしな。」
うむうむとしたり顔でいけしゃあしゃあと頷くオスカーである。アンジェリークの愛液も豊富に溢れていたが、オスカー自身の体液も熱情に比例するかのように勢い良く迸ったという自覚があったからだ。
「しかも、あっちこっちほつれたり、ほころんじゃってるー!オスカー様、ひどい!下着を破くなんて〜!」
アンジェリークが珍しく強い視線できっとオスカーを見据えた。
「い、いや、破いたつもりなんてなかったんだが…お嬢ちゃんがあんまりよく反応するから、つい、ちぃっとばかしワイルドにめくっちまってたかもしれんな…」
その視線の強さにたじたじとするオスカーである。以前にやはりアンジェリークのお気に入りのショーツを勢い余って破いてしまい、アンジェリークに泣きながら怒られたことがあってから、下着を脱がせる力加減には気をつけていたつもりだったのだが、今回は、あまりに挑発的で魅惑のランジェリー姿に、ついつい興奮して手の力の抑えが効かなかったらしい。
「ひどい、ひどい、オスカーさま、これじゃ結婚式にランジェリーが着られない…このレース手洗いできるかどうかわからないし、こんなかぴかぴの恥かしい沁み抜きなんて館の人にも外注のクリーニングにも恥かしくて出せないし、第一、破れちゃった下着をつけての結婚式なんて……惨めでみっともない…破れた下着なんて見せられないから、ドレスの着つけも、もう、頼めないわ…ふぇえ〜」
顔を覆ってアンジェリークはしくしく泣き出してしまった。オスカーは当然、びっくり仰天である。みっともないほど大あわてにうろたえた。
「わたたたっ!泣くな、お嬢ちゃん、泣かないでくれ、すまん、俺が悪かった!」
「ひっく、ひっく、謝ってもらったって下着はもとにもどりません。私、ノーブラノーパンでウェディングドレスを着なくちゃいけないんだわ、ふぇ〜」
更に激しくなきじゃくるアンジェリークである。
しかし、オスカーは
『ウェディングドレスの下はノーブラノーパンの花嫁…これはこれでかなり…』
なんて一瞬その姿を想像してしまい、アンジェリークが泣いているというのに不謹慎にも、しかも放ったばかりだというのに激しく反応してしまったのだが、慌てて、かつ、かなり無理矢理に今はその妄想を振り払った。
『なんてことを考えてる場合じゃないぜ!』
「お嬢ちゃん、泣くな!下着は改めてオーダーしなおせばいい!下界の時間なら今から注文すれば式までにはできあがるはずだ!新しい下着を今すぐオーダーするから、泣くんじゃない、な?」
「ふえ?ほんと?ほんとに間に合います?」
「ああ、絶対大丈夫だ。なにせ、彼我の時間差は1:7くらいだから、2、3週間かかったとしても、聖地では2、3日後にうけとれるはずだ。お嬢ちゃんの下着なら、もう型紙はあるわけだから、もっと早いと思うぜ。ちょっとまってな。」
オスカーは部屋のコンソールを手際良く立ち上げると、ぽぽんぽんと軽快にキー打ってIDを入力しネット通販の注文をする。守護聖のIDはVIP待遇だから最優先で処理されるはずだ。程なくして注文受けつけ完了のメッセージが流れた。
「ほら、もう大丈夫だ。ここの時間であさってには、新しい下着がくるからな。もう心配ない。すまなかったな、お嬢ちゃん、心配させて、泣かせちまって…本当に悪かった。この通り謝る。」
アンジェリークの頬に伝わる涙の雫を人差し指で拭い、心配そうに顔を覗きこむ。アンジェリークが怒ってしまって、結婚を取りやめるなんて言出したらどうしようとオスカーは心臓ばくばくである。
「ひっく、くすん…ううん、オスカー様、下着がちゃんと着れるならもういいんです。よかった…ちゃんとお式ができそうで…」
涙に濡れた頬でにっこり微笑むアンジェリーク、その笑顔にまたも、ずっきゅーん!と胸を撃ちぬかれたオスカーである。
そうだ、考えてみれば、アンジェリークが下着がだめになったといって泣くのも、俺とちゃんと結婚式を挙げたいと思ってくれてるからじゃないか…俺と正式に結ばれたいと思ってくれているからじゃないか…お嬢ちゃんは俺との式を大切に思ってくれてるんだ、俺と結婚する事を嬉しいと思ってくれてるんだな…俺も嬉しいぜ、お嬢ちゃん…そんなお嬢ちゃんが俺はかわいくてかわいくて、もう、どうしようもないんだ!
このコンマ数秒でオスカーの理性は、瞬殺というか蒸散してしまった。
「か、かわいい…かわいすぎるぞ!お嬢ちゃん!よし、今度はバックからだ!そのかわいいお尻をこっちに向けな?」
やにわにアンジェリークを裏返してくっと腰を持ち上げて四つんばいにさせてから、オスカーはぺろりとペチコートをまくってアンジェの真っ白な臀部を剥き出しにした。
「きゃああ!や、何かんがえてるんですか、もー!下着を汚しちゃうっていってるのに〜!」
「だから、今、新しい下着は注文しただろう?てことは、今着てるランジェリーは、これ以上汚そうが、多少破けようが、問題ないってことだよな?」
にやりとするオスカー、対称的にアンジェはたらーりと冷や汗を流す。
「うそ…じょ、冗談ですよね?オスカーさま…」
「嘘や冗談でお嬢ちゃんを抱くなんて、俺がそんな失礼で不実な真似をする訳がないだろう?俺は、お嬢ちゃんを愛する時は常に誠心誠意、これ以上はないほど真剣・真摯の塊だからなっ!」
後ろ向きにさせたアンジェリークのお尻をぐわしっとばかりにしっかりかかえこむとオスカーは惚れ惚れと白い臀部の中央に咲き綻ぶ花弁に見入った。先ほどオスカーの精を受け入れたばかりの花弁は僅かに入り口をほころばせて、二人の混交した愛の証に濡れ濡れと妖しくつやめいている。
「ああ、ほんとにお嬢ちゃんのお尻はかわいいな、ガーターベルトがかわいい花弁を更にかわいく彩ってるぜ…こんな魅惑の花をみせつけられたら…俺はその感触を確かめずにはいられない…見てるだけで我慢できるはずがない…」
編み上げビスチェの大きく開いた背中に舌を這わせながら、いきなりオスカーはずしんと勢いよく挿入した。濡れそぼった秘裂は何の抵抗もなくオスカーの凶悪なまでに逞しい怒張をすんなりと受け入れ、ふっくらとした花弁は柔らかくオスカーのもの受けとめる。
「あぅっ…」
「ほら、お嬢ちゃんも待っていたんだろう?こんなにするりとはいっちまったぜ?」
いきなり勢いをつけてオスカーは激しい律動を加えた。一度高みに達したばかりの体はあっと言う間にその律動に響く様に応え乱れる。
「あ…や…あああっ」
「ああ、かわいいな…こんなに乱れて…ほら、もっとお尻をいやらしく突き出してみな?そう、そのまま…」
ぱんぱんと高い音を立てるように強く腰を打ち据える。張りのある臀部が自分の律動を跳ね返すような感触がたまらない。
「あ…あ…あ…ああっ…」
アンジェリークも床のラグを毟る様に爪をたてている。背中側の肉壁を意識して刷り上げるように突き上げると、正面からよりストライドが長く感じられオスカー自身も強い快感に陶然となる。
「お嬢ちゃんのお尻は…いや、お尻もどこもかしこも、最高だ…」
「ああっ…あっ…オスカーさまっ…」
「最高に素敵だ…俺の…花嫁…」
「ああああっ…」
オスカーは結局この後もう一回アンジェリークを、今度は座位で思いきり抱きしめながら貫き突き上げ存分にいい声で鳴かせて、漸く疼きと火照りをなんとか宥めこんだ。
アンジェリークは声も出せずにくったりとオスカーに全身を預けるようにもたれかかっている。結い上げてあった髪はところどころほつれて、零れた後れ毛が何ともつやっぽい。もちろんあのかわいいランジェリーを身につけたままだ。だが、乳房はカップから零れて完全に露になり、背中の紐は緩み、絹の靴下まで滴りおちる愛液に濡れそぼって絖のような光沢を放っているというなんともしどけない淫蕩な様子だった。全裸で横たわっているよりよっぽど艶かしく悩ましい。
そのくたんとしたアンジェリークの髪を撫で、小さな口付けを一杯落しながらオスカーの方はというと、結婚式当日のことに思いを馳せていた。考えていたのは、もちろん式次第のことではなく、その後のだんどりだ。今日できなかった騎乗位と立位は絶対欠かせないなと初夜の手順をシミュレートしていたのである。
ランジェリー姿のアンジェリークを下から見上げて乳房を揉みながら思いきり突き上げれば、俺も楽しいし、彼女も多分今日と同じ位乱れることだろう。立位で綺麗な背中を舐めまわしてお尻を鑑賞しながらっていうのも、きっと凄く燃えるぞ。
それから、下着を脱がせて、お嬢ちゃんが言ってたようにノーブラノーパンの花嫁姿の彼女を抱こう、うん、それは絶対だ。いかにも、初夜というか新婚らしくていいじゃないか。ウェディングドレスでの情事なんて、それこそ結婚式当日じゃないとできないからな…ああ、結婚式が本当に待ち遠しいぜ。お嬢ちゃんのドレス姿はどれほどかわいらしく美しいことだろう。白いレースのドレスに身を包んだ彼女はまさしく地上に降りた天使のように見えるだろう。そして可憐で初々しく清らかな花嫁衣装の下はうまれたままの姿…想像するだけでまた勃起しちまいそうだ。そんなお嬢ちゃんを思いきり抱けるなんて、結婚式とはまさにこの世の最高の幸せ、春の中の春だ。こんな楽しみをうきうきわくわく待つのも楽しいもんだな。
それと同時にオスカーは、今度はアンジェリークが何を着ているか確認してから部屋のドアをあける事にしようと自分に言聞かせた。
万が一ドレスを試着しているアンジェリークを見かけてしまい見惚れてしまったら…いくらなんでも、ドレスの再オーダーは式までに絶対間に合わないぞ、だから、ドアを開ける時は気をつけろよ、オスカー。
と自分を厳しく戒めるオスカーであった。
おしまい
オオヤナツさんのサイト「紅屋」さんのカウンター5000番をゲットした(狙いました、ええ、狙いましたとも!笑)私がナツさんにリクエストさせていただいたイラストは
『結婚式の下準備でも、衣装合わせでも、当日ドレスを着る直前でもどれでもいいのですが、ウェディングドレスの「下」に着る真っ白でふりふりで透け透けでレースびらびらのウェディングランジェリー姿のアンジェ!これが見たいんです〜!
色こそ白で清楚ですが、ボンデージと見紛うばかりの編み上げコルセットに透け透けレースのパニエなぞ如何でしょう。
もちろん靴下にガーターベルト(これがブルーが良いでしょうか?)はばっちり見えて欲しいのであのアンジェみたいに(←ナツさんの同人誌にいらっしゃるアンジェ)前は足丸出しになるよう花びらが合さったような形のパニエもいいですねー!後ろだけ長くして。で、ドレスだけは身につけていないものの、アクセサリーORベールORヘッドドレスも装着済みで一見既に花嫁さん、実はランジェリー姿っていうアンジェを描いていただけないでしょうか?
で、それを見たオスカー様
「このまま俺の嫁に来てくれ!お嬢ちゃん!」になるわけです(爆)
あ、ポーズは立ちでも座りでもなんでもOKです。』
というものでした。オスカーは絡んでも絡まなくてもお任せにしました。しかも、この妄想もナツさんの同人誌読んでて刺激されたものだったりします(笑)
でもって、いただいたイラストがこれ↑です!ナツさん、ありがとうございますうう!
キリ番取ってよかったあああ!と感涙でしたよ、私は。こんなに愛らしくセクシーなアンジェをお嫁にいただけて、オスカー様も私も宇宙一の果報者です〜。あああ〜かわいい〜色っぽい〜美しい〜!
しかも私のリクしたタイトルは「このまま嫁に来てくれ!お嬢ちゃん!」だったのに御輿入れくださったアンジェは「このままの私でもいいですか?」(ずっきゅーん…)オスカー様じゃなくて私の心臓ど真ん中直撃です、はぁはぁ。このままの君がいいんだ!お嬢ちゃーん!と私が雄叫びをあげたのは言うまでもありません。
でもって、爆走する(自分の)妄想をオスカー様に仮託して書いたのが私の駄文です(爆)だって、こんなアンジェを見てオスカー様が押し倒さない訳ないじゃないですかー!って、最初からそういうアンジェを描いてもらったのでした(爆)
しかも、イラストいただく前から大まかなプロット考えていたのだから(でもって、ナツさんにメールでプロットを小話にして送っては書いてもいい?いい?ってしつこくお願いしてた)私って馬鹿?(爆)ナツさん、こんな馬鹿な文章つけること許してくださってありがとおお!しかも、イントロ部分の衣装合わせが終わった後のランジェリー姿の自分に見惚れているところに期待を裏切らない男・オスカーがやってくる、という設定はナツさんご自身がイラストを描かれた時に想定された設定なんです。つまり完全に合作なんですねー、これは。しかし、私のオスカー、とことんお馬鹿かも…
で、せっかくの健気で可憐なイラストタイトルはそのまま使いたかったので、創作とイラストのタイトルを分けました。アンジェのQuestionに対してオスカーのAnswerになってます。
このアンジェはうちのアンジェをイメージして描いてくださったそうです。どこがどうウチのアンジェかというと「おわんを伏せたような形のいい乳房」(私の創作には随所に出てきます)と男のロマンの体現「ふっくらぽっちゃり系の唇」です。なんでふっくら唇が男のロマンかっていうと、そりゃ、もう気持ちいいに決ってるからです(爆)
そのディテールをつぶさにご覧になりたい方はこちら↓にイラストのズームをUPしましたので、ファイルを開けてご覧になってください。
「こんなに綺麗にしてもらったの…」
アップのアンジェかわいいですよー。魅惑のバストラインもばっちりはっきりわかりますよー。オスカー様じゃなくても辛抱たまらんです。絶対。
ジューンブライドの麗しいアンジェと、私のばかっぷる創作をお楽しみいただけたら幸いです。
改めて、オオヤナツさん、本当にどうもありがとうございましたー!
ちなみにこの続きは、お約束のあなたの心の中で…ですが一応3通り考えてみました。
1)オスカーがもう一回下着をだめにしてしまい3度目のオーダーをするが、下着が届くのが結婚式当日で、ものすごくはらはらする。
2)自制するつもりだったのに、結局オスカーがウェディングドレスをだめにしてしまい(爆)仕方なくアンジェは↑のランジェリー姿にアクセサリーとベールをつけて式を挙げ、列席者の守護聖一同にハナヂを吹かせ&前かがみにさせる(爆)
3)美味しい物を美味しく食べるには空腹が一番だぜ!とオスカーは1週間きちんと我慢して無事結婚式を挙げる
このうちお好みの物をお選びくださいませー(笑)個人的には3番推奨ですが。だって、ドレスをだめにしちゃったらアンジェが泣くだろうし、この話でアンジェを泣かせたことをオスカーはちゃんと反省してますし、同じあやまちはくり返すまいと思ってるからです(そうはみえないかもしれませんが・爆)