お誕生日に欲しいものは何?私が尋ねたら、あなたはこう答えたの。
「お嬢ちゃんがいれば何もいらない」
欲しい物は私だけ?
「そう、君だけだ。他に欲しい物なんてない」
嬉しいけれど、困ってしまう答え。
だから、私は考えたの。
プレゼントって、もちろん中身が大切。
でも、中身がその人の欲しい物なら、それでいいの?
どんなに素敵な宝石も、ぽんと、むき出しでそれだけ渡されたら、それは輝いて見えるかしら?
どんなに芳しい香水も、のっぺらぼうのガラス瓶に入っていたら、とろけるようにうっとりできるかしら?
どんなに美味しいお料理も、おなべのまま食べたりしたら、美味しく感じられるかしら?
ね、素敵なものをより素敵に、美味しい物をより美味しくするには、飾ることも必要なの。
プレゼントも同じこと。
どんなにいいものでも、むき出しでもらうより、綺麗にラッピングされたものの方が嬉しくない?
綺麗に包まれた物の方が、きっと、うきうきした気持ちで受取ってもらえると思うの。
そして、包みを開ける瞬間のどきどきわくわくする気持ちが、きっとプレゼントをずーっと素敵に見せてくれると思うの。
だから、私をラッピング。
開ける最中にうんざりされないよう過剰包装に気をつけて。
あなたがリボンを解くのが楽しいと思えるように。
早くリボンを解きたいと思えるように。
どう?これなら、あなたは早く包みを開けて中身を確かめたいって、思ってくれるかしら?
そう思ってくれるといいのだけど…
だって、プレゼントもリボンを解いてくれるその一瞬を待っているのよ…
ねぇ、私も、ほしいものはあなただけ
『私のお誕生日には、あなたを頂戴ね?』
もし、私がそういったら、あなたはどんなラッピングで、貴方自身を私にくれるのかしら?
ちょっと見てみたいな…
白…じゃない桜文鳥様にさし上げたオスカー様バースディに寄せてのアンジェのモノローグです。
桜文鳥様のサイトでは「Birthday Present」のタイトルで、2002年度オスカー様バースディお祝いの一環としてUPしていただきました。その時は、バースディプレゼントという視点がボケてしまうので、最後のアンジェの語りは割愛したのですが、後に余韻を残すといいますか、想像を掻き立てるという点で、こちらの第一稿の方を、自サイトにはUPさせていただくことにしました(いつか、対のオスカー様モノローグを書けたらいーなと思いまして、その前振りの意味もこめまして・笑)
で、実を申しますと、私の方がこのイラストを桜文鳥様からいただいたのは、もう1年半くらい前でして、いつか文章をつけるつもりで(ええ、やる気はあったんです、やる気は・爆)放置プレイかましていた、という極悪な謂れがございます。
もともとこのせくすぃーなナイティアンジェは、拙作「甘い策略」で出張帰りのオスカー様のおみやげは、こんな↑ナイティだったのではないか?という背景でいただいたものだったのですね。なので、せっかくイラストをいただいたので、(次ぎの?)出張から帰ってきたオスカー様をオスカー様のお土産を身にまとってアンジェがお出迎えするシチュエーションででも創作を書いてから、イラストを私の駄文と供に掲載させていただこうなんて考えているうちに、自分で納得のいく『萌え』が湧いてこないまま幾星霜放置してしまっていたのです(大汗)でも、2002年度のオスカー様お誕生日記念に桜文鳥様が自サイトにこのイラストをUPされて、それが切っ掛けで「出張帰り」ってシチュエーションに拘らなければ書ける!といきなり目から鱗が落ちて30分くらいで書き上げてしまったのが、この「Wrapping」だったりします(この短さだから・笑)
最初に思いついた設定とかシチュエーションに拘ってばかりいると、萌えが却って育たないこともある、という、いい経験になりましたわ(笑)
白…じゃない桜文鳥お姉様、せっかくいただいてあったイラストの掲載、こんなに遅くなってしまって本当にごめんなさい、そして、ありがとうございましたー!