それは、主星の暦が12月にはいってまもなくのとある休日のことであった。
「オスカー様、もうすぐオスカー様の誕生日ですね。プレゼントは何が良いですか?」
女王補佐官アンジェリークは、愛する夫オスカーにニコニコと、話し掛けて来た。
金の髪の女王候補アンジェリークが、金の髪の女王補佐官アンジェリークとなって早数ヶ月
育成においてロザリアに大差をつけていた彼女が女王の座をなげうったのは、ひとえに炎の守護聖オスカーへの愛ゆえであった。
オスカー自身も執務もそこそこに毎日のようにデートに誘い、せっせと力を送り、
並み居るライヴァルを蹴散らして射止めたアンジェリークに文字通りめろめろであった。
アンジェリークに愛の告白をし、お互いの気持ちを確かめたオスカーは、即座に聖地で簡単な結婚式をあげ、アンジェリークを自分の妻としたのであった。
そうでもしないと、例え愛の告白が成就しているとはいえ、他の守護聖がアンジェリークをいつまでも狙っているようなきがして、オスカーは気が気でなかったのである。
「お嬢ちゃん、気持ちは嬉しいが、俺たち守護聖には誕生日にはあまり意味はないんだがな?」
守護聖は外界とは異なった時間軸をいきている。
サクリアがその身中にあるかぎり、暦が過ぎていってもそれは彼らの外観にはほとんどなんの変化ももたらさない
この運命を厭うたこともあったオスカーだが、同じ時間軸を歩める愛する伴侶を手に入れたことで
むしろ、一般の人間より長くアンジェリークとすごすことができる自分はなんと幸せ者なのであろうかと、発想が180度転換してしまった。
それくらい、アンジェリークが彼に及ぼした影響は大きかった。
「だって、せっかく結婚して始めてのオスカー様の誕生日なんですもの。私、オスカー様に何かして差し上げたい・・」
『なんて、かわいいことをいってくれるんだ・・』
思わず、そのまま、押し倒したくなったが、話の途中でアンジェリークを押し倒すと彼女がお冠になることを、
この数ヶ月で一応学習したオスカーは、ここはぐっと、我慢する。
ただ、この我慢、往々にして、すぐなし崩しになるのだが・・・
「俺はお嬢ちゃんさえそばにいてくれたら、なにも欲しいものはないんだがな・・・」
こう言うと、オスカーはアンジェリークを後ろから抱きすくめ、アンジェリークの白桃のようなほほに自分のほほを摺り寄せた。
これはまごう事無きオスカーの本心であった。自分の全存在を賭けても、欲しかったものはもう彼の腕の中にある。
「でも・・」
アンジェリークが寂しそうにしょんぼりしてしまった。
彼女の寂しそうな顔を見てオスカーは慌てて、欲しいものを考えた。
『俺がほしいものはいつだってお嬢ちゃんだけだ、強いて言えばいつもは見られないお嬢ちゃんの姿なんか見せてもらえるとすごく嬉しい・・』
『制服はつい最近まで着てたし、1枚のパジャマを上と下でわけて着るのもやった。素肌にワイシャツもはだかエプロンもやろうと思えばすぐできる』
オスカーの思考はどんどん危ない方向にむかっていく
『聖地では絶対見られないお嬢ちゃん・・・』
「水着だ〜〜っ!」
「きゃっ」
突然大声で叫んだオスカーにアンジェリ―クは心底驚いた。
「ど、どうしたんですか?オスカー様、水着っていったい・・・」
「お嬢ちゃん、俺にプレゼントをくれるって言ったよな?」
「え、ええ・・」
「俺にお嬢ちゃんの水着姿を見せてくれ!俺はまだお嬢ちゃんの水着姿を見たことがない!」
「え、えええ〜〜っ!」
「二人で、どこかの星の常夏のリゾートにでもいこう、お嬢ちゃん、なに、聖地の土の曜日と日の曜日の2日を使えば
執務を休まなくても、外界なら1週間くらいは過ごせるはずだ。早速、女王陛下に週末の外出許可をいただこう!」
「あの、あのオスカーさまぁ・・」
事態が良く飲み込めていないアンジェリークを急き立て、オスカーは思い立ったが吉日とばかりに、早速ロザリアを訪ね次の週末、聖地を離れる旨報告した。
執務に支障は無いようだし、何よりアンジェリークに甘い女王陛下は、良い息抜きをしてらっしゃいと快く、外出許可を賜ったのである。
そして、次の週末アンジェリークとオスカーの二人は普通の若夫婦を装って、とある熱帯気候のリゾート地に降り立った。
オスカーが選んだのは、敷地内にプライベートビーチはもちろん、多くのスポーツ施設と多彩なプログラム、プールにジャグジーといたれりつくせりで
敷地から1歩も外に出なくても、有に一週間は退屈せずにすごせるリゾートホテルであった。
女王陛下の許可を取っているとはいえ、一応お忍びの二人としては人目に立つのはできるだけ避けたく、宿泊客と従業員以外の人目に晒されなくてすむ
このリゾート地は願ったり、適ったりの場所であった。
二人はチェックインを済ませ部屋のキーを受け取ると、とりあえず部屋で着替えて、ビーチに出ることにした。
「オスカー様、私こんなホテル始めてです」
アンジェリークが、うれしそうにはしゃいでいる。
その愛らしい姿を見ているだけで『来て良かった・・』と到着早々、しみじみしてしまうオスカーである。
ところがアンジェリークは突然立ち止まると、
「オスカー様、私突然の旅行だったから、水着を用意できなかったんです。オスカー様に水着を見せる約束だったのに・・
今、ホテルのブティックで急いで買ってきますね!」
と、元来た道引き返そうとした。
「お嬢ちゃん、ちょっと待った」オスカーが押しとどめる。
「水着なら俺が持ってきてあるぜ。俺の見立てが気に入らなかったら、買いに行けばいいさ」
アンジェリークはびっくりしたようで大きな瞳がさらに大きく見開かれた。だが、すぐ嬉しそうに微笑んだ。
「オスカー様が、私に水着を選んでくださったの?
嬉しいけど、オスカー様のお誕生日なのに、私のほうがプレゼントをもらっちゃうなんてなんか申し訳ないです」
「俺がお嬢ちゃんの水着姿を見たいってわがままを言ったんだからな、これくらい、当然さ」
オスカーがアンジェリークにウインクをした。
そんなことを話しているうちに、二人は部屋についた。二人の荷物はもう室内に運びこまれている。
「俺が見たてたお嬢ちゃんの水着は・・ああ、これだ。」
オスカーがスーツケースを開けて水着を取り出した。
パステルグリーンのギンガムチェックのビキニで、白いレースの小花のモチーフが所々にちりばめられているかわいらしいデザインのものだった。
「わあっ、かわいい水着!」アンジェリークが目を輝かせた。どうやら気に入ってもらえたようだ。
オスカーは内心安堵のため息をついたがそんなことはおくびにも出さない。
「気に入ったか?俺がお嬢ちゃんの瞳の色に合わせて選んでみたんだが・・」
「すっごくかわいくて、とっても嬉しいです。ありがとうございます、オスカー様、でもオスカー様、いつこれ、お買いになってたんですか?」
「ふっ・・俺はお嬢ちゃんの喜ぶ顔を見るためなら、なんでもできるのさ」
実際はこの1週間、執務の合間を縫って聖地御用達の商人にカタログを持ってこさせ、必死に選んでいたのだ。
この商人、風体はあやしいが、持ってくる商品は品質と言いデザインと言いまず文句のつけようがない品揃えで、信用が置けた。
『とりあえず、ビキニだ、これははずせない・・』
しかし、あまりに大胆なデザインのものを選ぶと、一目で着用を拒否されるかもしれない。それでは、リゾートに行く意味がない。
かといって、アンジェリークに自分で選ばせたらおとなしい無難なデザインのものにしてしまうだろうし、
アンジェリークが喜びそうで、なおかつ、自分のよこしまな願望をみたしてくれそうな、
デザインはかわいいが、カッティングは大胆な水着を、苦労の末選び出し取り寄せたのだ。
「早速、着て見ますね」
アンジェリークが水着をかかえて、フィッティングルームに入っていく。ほどなくして、アンジェリークが水着に着替えて出てきた。
ちょっと恥ずかしそうに、もじもじしている。
「あのぅ・・オスカー様、これ、かわいいけど、ちょっと大胆じゃないですか?」
「そんなことない、良く似合っているぜ、お嬢ちゃん」
実際パステルグリーンの水着は、彼女のはだと瞳の色に映えて、とても似合っていた。
トップスは首と背中で紐を結ぶデザインで、きっちり作られたカップがアンジェリークの乳房を形良く整えているし
小さなボトムも、緩やかなハイレッグのカットがアンジェリークのくびれたラインとかわいいお臍、すんなり伸びた白い足をきれいに見せていた。
『・・しかし、思ったよりも健康的過ぎて色気に欠けるな・・』
オスカーは少々当てが外れた思いだった。
若い肌を、惜しげも無くさらしたビキニの水着は、体のラインを覆い隠すよりもかえって健康的で締まった印象を与えるのだ。
そのときオスカーは、あることを思い出した。
「そうだ、お嬢ちゃん、水着だけじゃ恥ずかしいなら、確か、パレオがあったから、それをつけるといい。ああ、あった。」
と、共布でできたパレオを取り出した。
アンジェリークはほっとしたように、言った。
「あ、じゃあ、そのパレオもつけます」
「じゃあ、俺が結んでやろう」
オスカーはこう言うと、器用にアンジェリークの腰にパレオを巻きつけた。
「これはこうして、少し斜めに巻くのが粋なんだぜ、お嬢ちゃん」
「オスカー様ってほんとになんでもご存知なんですね・・」
アンジェリークが素直に感心する。
「さ、これでいい。俺も着替えるから、ちょっと待ってな、お嬢ちゃん」
こう言うと、オスカーは自分も手早く水着に着替えた。
オスカーの水着はシンプルな黒のビキニだ。
そのシンプルさが鍛えぬかれた肉体をより一層魅力的に見せている。
「さ、とりあえず、プールサイドに行って、何をするか、考えるか」
オスカーはアンジェリークを連れて部屋を出た。
アンジェリークが歩くたびに、パレオの合わせ目から白い足がちらちらとのぞき、ほのかな色気を漂わせている。
オスカーはパレオが自分が狙った通りの効果をあげているのを見て、つい顔がほころぶ。
プールサイドに出て、今日のスポーツプログラムを見ていると、他の客や従業員がそれとはなしに、二人を見ていく。
『やはり、俺のお嬢ちゃんは最高にかわいいからな、つい見とれてしまうのも無理は無いぜ』
そんなことを思っていると、アンジェリークも自分たちに投げられる視線に気付いたのか、オスカーに話しかけてきた。
「オスカー様、みんなオスカー様をみてますよ。オスカー様があんまり素敵だから・・」
心からそう思っているようだ。
「ふっ、お嬢ちゃんは自分の魅力がわかってないな。お嬢ちゃんが回りの視線をくぎ付けにしてるんだぜ?」
二人の言葉はそれぞれどちらも真実といえた。
逞しく引き締まった浅褐色の肉体と燃えるような紅い髪の美丈夫と、乳白色の肌に蜂蜜色の髪、新緑の瞳の天使を思わせる愛らしい少女の
カップルは、否が応でも、人目を引きつけずにはいないのだが、
この二人はどちらもパートナーの魅力はきちんと認識していたが、お互いに自分自身の発している魅力には関しては若干認識不足の気があった。
プレイボーイと言われていたころのオスカーは、自分がいかに女性から魅力的に見えるか自覚していたし、そのような演出も欠かさなかったが
アンジェリークと結婚してからは、自分のことよりアンジェリークのことが気にかかって仕方なく
自分がいかに女性の目をひきつけずにはいないかということを、つい失念してしまう。
アンジェリークに至っては、自分の愛らしさ、可憐さ、周りに与える暖かな印象などに全くと言っていいほど自覚がなかった。
だから、周囲の視線が感嘆の思いを込めて二人に向けられているものでも、お互い自分のパートナーだけが注目されているのだとつい思ってしまうのだ。
オスカーも自分がアンジェリークのコーディネイトをしたことを棚に上げ
『こんな魅力的なお嬢ちゃんを人目に晒すんじゃなかったぜ』
と、速くも後悔を感じ始めていた。
と、そんなオスカーに今日のプログラムが目に入った
《無人島ピクニック・・・桟橋より10時ランチボート出発》
これだ!無人島ならここより、人は少ないはずだ。オスカーは心のなかでガッツポーズを取りながら
「お嬢ちゃん、これから、無人島ピクニックがあるぜ、面白そうだからこれに行ってみないか?」とさりげなく、きりだした。
「あ、ほんと、無人島なんて、面白そうですね、行きましょうか、オスカー様」
アンジェリークがにっこりと微笑んだ。
二人はプライベートビーチの桟橋に向かってあるいて行った。
小型のランチには、約20名ほどのリゾート客が乗り込んでいた。
オスカーとアンジェリークがランチに乗り込むと、程なく船は桟橋をでて、10分ほどでビーチの沖合いにある、小さな無人島に到着した。
この無人島で客は帰りの船の時刻まで、思い思いの好きなこと・・多くはシュノーケリングやダイビングをしてすごす。
無人島とはいっても、ホテルのスポーツプログラムの一環であるから、2人きりになれるわけはない事など、ちょっと考えればすぐわかりそうなものだが、
オスカーは思いのほか他の客が多かったことに、おもしろくない思いを覚えていた。
『これじゃ、やはり、お嬢ちゃんと二人きりになるのは無理か・・』
二人きりでいたいのなら、ホテルの部屋に閉じこもっていれば良いのだが、それではアンジェリークが納得しないだろうし、
オスカー自身も明るい日差しの元ではじけるように輝くアンジェリークを見たかった。
つけくわえれば、この愛らしい天使のような少女が自分の妻であると、見せびらかしたい気持ちも少々あったのだが
いざ、自分の思惑通り、アンジェリークが他人の視線を浴びると、今度は逆に不安と独占欲が頭をもたげてしまう。
自分でも自分の感情をもてあますのだが、こうなると、理屈でなくアンジェリークを1人占めしないときがすまないオスカーであった。
「オスカー様、私たちも海にはいりましょうか?」
アンジェリークが無邪気に自分の腕にしがみついてくる。
オスカーはアンジェリークの腰に腕を回して抱き寄せると、
「お嬢ちゃん、お嬢ちゃんは無人島に上陸するのなんてはじめてだろ?二人でこの島がどんな様子か散歩にでも行かないか?」
と誘いかけた。
「そうですね、無人島なんて、また来る機会があるかどうかわからないし、なんか探検みたいでわくわくしちゃいますね、オスカー様」
「じゃ、決まりだな」
そう言うとオスカーはアンジェリークの肩を抱いて、船着場とは反対の島の裏手のほうへ歩をすすめた。
無人島の砂浜は、整備されたリゾートのビーチとはまた趣が異なり、人の手が入っていないゆえに荒けずりな、しかし、どこか無垢な印象だ。
珊瑚礁が波に砕かれ堆積した砂はどこまでも白く、ぬけるような青空を反射した海はエメラルドグリーンにきらめいている。
10分ほどもそぞろ歩いただろうか。砂浜の所々に大きな岩礁が目に付く。どうやらこの先は岩場になるようだ。
他の観光客の声も聞こえなくなり、ランチボートも歩きすぎてきた岬の影に入ってしまい、もう見えない。
アンジェリークがオスカーの腕にぎゅっとしがみついてきた
「オスカーさまぁ、こんな誰もいないとこに来ちゃって、船にもどれなくなっちゃいませんか?」
オスカーの顔を不安そうに見上げている。人の気配が感じられなくなって、不安になってきたらしい。
「なんだ、お嬢ちゃん、こわいのか?」
オスカーが肩を抱く手に力をこめる。
「時間はたっぷりあるし、来たのは1本道だ、それに小さい島だから同じくらい歩けば島を一周して、多分、元いた場所に戻るはずだ」
そして、アンジェリークに極上の笑みをむけた。氷青色の瞳は柔らかに細められた。
「それに、俺がいっしょにいるだろ?いつだってお嬢ちゃんのそばに・・」
「オスカー様・・・きゃっ!」
アンジェリークが砂浜から突き出していた岩に足を取られ、前のめりに倒れそうになった。
とっさにオスカーがアンジェリークを支えたが、はずみでアンジェリークの足から、サンダルが脱げてしまった。
アンジェリークはオスカーの顔をずっと見て歩いていた為、足下がおろそかになっていたのだ。
「おっと、大丈夫か?お嬢ちゃん、ああ、サンダルが脱げちまったな」
オスカーはアンジェリークのサンダルを拾い上げた。シルクフラワーの造花がついたかわいいビーチサンダルだ。
「ほら、俺がはかせてやろう」
「そんな、大丈夫です、オスカー様、私、自分で履けますから・・」
「いいから、ほら足を出して・・」
アンジェリークがパレオの合わせ目から、片足をつ、と差し出した。
アンジェリークの白い足が陽光に照り映えて、産毛が金色に光った。一瞬オスカーは眩暈を覚えた。
オスカーはアンジェリークの前に片膝をつくと、アンジェリークの華奢な足にサンダルを履かせたやった。
そして、そのままアンジェリークのすんなりと伸びた足に、口付けを落とした。
「きゃん!」アンジェリークがびっくりして、足を引っ込めようとしたが、オスカーがはしっかり足首をつかんで離そうとしない。
オスカーの唇は、アンジェリークのすねから、ふくらはぎへと、徐々に上に上がっていく
「やん、オスカー様、くすぐったいです〜。」アンジェリークが身を捩って逃れようとする。
しかしオスカーはアンジェリークの腰に腕を回して、アンジェリークが動けないようにする。
そして、唇を滑らすだけでなく、アンジェリークの足のラインに舌を這わせ始めた。オスカーの舌が膝頭の裏に伸びると、
「きゃうん!」
アンジェリークの体がピクリと跳ねた。そしてオスカーはアンジェリークの声に艶が混じってきたのを聞き逃さなかった。
アンジェリークの足を軽く持ち上げて、膝頭の裏に重点的に舌を這わす。
「あっ・・やん・・オスカー様、だめ・・だめですってば〜」
アンジェリークが必死にオスカーの頭を押しのけようとするが、オスカーは全く意に介さない。
それどころか、パレオのすそを捲り上げ、白く張りのある腿に舌を這わせてきた。
「あっ、だめ・・そんなとこ舐めちゃ・・ひゃんっ」
オスカーの舌がアンジェリークの腿の上を縦横にはしる
「お嬢ちゃん、俺がお嬢ちゃんを不安なんか感じなくさせてやるからな・・」
オスカーはアンジェリークを見上げてそう言うと、たちあがってアンジェリークを抱きすくめ、覆い被さるように口付けた。
「んんっ・・ん」
アンジェリークはもがいたがオスカーにがっちりと抱きすくめられているので身動きが取れない。
オスカーはアンジェリークの口に己の舌を侵入させ、口腔の奥に逃げていたアンジェリークの舌を絡めとリ、強く唇を吸った。
アンジェリークの体から力が抜けていくまで、思う存分アンジェリークの口腔内を味わう。
ころあいを見て唇をはなすと、アンジェリークはもう息も絶え絶えになって、オスカーにしなだれかかってきた。
オスカーは唇をアンジェリークのあごから首筋へと滑らせて行く。
手は首の後ろで結ばれている水着の紐を解きにかかった。
蝶結びにされただけの紐は片手であっけなくほどかれ、たわわな乳房がぷるんと零れ落ちた。
「あっ・・やん」
アンジェリークが慌てて胸を隠そうとする。
しかしオスカーはそれを許さず、アンジェリークの手首を一まとめにして掴むとアンジェリークの頭上に固定する。
腕を上に持ち上げられたために、乳房も上に引っ張られ、先端がつんと上向きになる。
「こんなうまそうに熟した果実なのに、お預けをくったら、たまらないからな・・」
オスカーは乳房を掬い上げるように持ち上げては、手の力を抜いて、ぷるぷると弾む弾力を楽しむ。
「やっ・・オスカー様・・恥ずかしい・・です。こんな・・ところで・・」
アンジェリークは羞恥に顔を背けてうつむいてしまう。
「ふっ・・すぐに、恥ずかしいなんて思う暇もなくなる」
そう言うと、乳房を絞り上げるように揉みしだくと、突き出た先端を唇で軽く挟んだ。
「あっ・・」
アンジェリークが一瞬背をしならせた。
オスカーの口腔内でみるみる先端が固くたちあがって行く。
オスカーは固くなっていくその感触を楽しみながら、尖らせた舌先で先端をつつき、舌で転がし、チュっと音を立てて吸い上げた
「ほら、お嬢ちゃんのここが、もっと食べてくれって言ってるぜ?」
オスカーが固くなった先端を親指とひとさし指で、くりくりと摘み上げる。
「あっ・・あん・・やっ・・そんな・・こと・・」
アンジェリークの吐息が切なげになっていく。
オスカーの乳房への愛撫にアンジェリークの背は我知らず反り返り、オスカーに豊かな胸をさらに惜しげなく供してしまう。
自然に腰が揺らめき内股をすりあわせてしまう。
オスカーはそんなアンジェリークの様子を楽しそうに見つめると、乳首を甘噛みしながら、アンジェリークの股間に手を伸ばす。
水着の上から大きな手が股間をなで上げると、ビキニのショーツはじんわりと湿り気を帯びていた。
「おや、お嬢ちゃん、まだ泳いでいないのに、水着が濡れてるぜ?」
アンジェリークがいやいやをするように首を振る。
「んん・・・だって・・あっ」
オスカーがショーツの上から指を侵入させた。
「なんで、ここだけ濡れているのか調べないと・・な?」
オスカーはこういうと、中指と薬指、二本の指でアンジェリークの秘唇をなで上げた。
つぷりと指を秘裂の入り口にあてがうと、熱い愛液が指に絡みついてきた。
オスカーは愛液を秘唇全体に塗り伸ばす。
「ああっ・・んくぅっ・・」
オスカーは愛液ですべらかになった秘唇に指を上下させる。
人差し指と薬指で秘唇を押し広げて、中指で花芽を探り当てると、指のはらで掬い上げるようにこすりあげた
「ああっ・・」
最も敏感な場所への愛撫にアンジェリークの白いのどがのけぞる。
オスカーはそのアンジェリークののどに舌を這わせながら、指で花芽を存分に弄んだ。
花芽はぷくりと固くなり、愛液はあとからあとからあふれ出て、ショーツから滴り落ちてきそうだ。
「ここだけこんなに濡れちゃ、気持ち悪いだろう?」
オスカーはアンジェリークのビキニショーツを脱がすと、花芽を弄くっていた中指をそのままうしろに滑らせ、秘裂に飲み込ませた。
指し入れた中指を秘裂の中で軽く曲げ、中を掻きまわしながら抜き差しを繰り返す。
「くぅあああっ・・」
アンジェリークの体が傍目にもわかるほどびくりと跳ねる
「あっ・・あん・・あっ・・やっ・・だめ・・たってられなくなっちゃ・・んんっ」
オスカーの秘裂への飽くなき愛撫にアンジェリークの膝はがくがくと震え、オスカーが手首の戒めを解いたら、すぐにも崩れ落ちてしまいそうだ。
「ん?もう、我慢できないのか?しかし、砂浜に寝かせて、お嬢ちゃんの大事なところに砂が入ったりしたら大変だからな・・
ああ、お嬢ちゃん、あの岩にちょっと捉まってみな?」
オスカーはアンジェリークの腕を開放すると、アンジェリークにそばの岩礁を抱えるように寄りかからせた。
アンジェリークはもう自分で自分の体を支えることができず、言われるままに自分の胸くらいの高さの岩にすがり付いて肩で息をしている。
オスカーはそんなアンジェリークの腰を今度は後ろから抱えこみ、自分は砂浜に跪いて、濡れそぼった秘裂に舌を差し入れた。
そのまま愛液を音を立てて啜り、舐め取る。
わざとぴちゃぴちゃと音を立てて舌の抜き指しを繰り返す。
かと思うと、尖らせた舌先で花芽をつついたり、軽く噛んだりする。
「ああっ・・あっ・・あん・・・あっ・・やっ・・あんっ」
オスカーの間断ない秘唇全体への愛撫にアンジェリークは頭の中が真っ白で、もうなにも考えられない。
花芽は充血しきって今にもはじけそうな錯覚を覚え、
与えられる鋭い刺激に秘裂はより一層の充足を求めて、ひくひくと蠢いている。
「どうして欲しいんだ?お嬢ちゃんは・・」オスカーが一瞬花芽から口を離してわかりきった問いを投げかける。
「あっ・・オスカー様・・来て・・私の中に・・おねが・・」
アンジェリークが我を忘れてオスカーを求める。
オスカーはこの一瞬、身中に戦慄が走るような感覚を覚える。
「俺はお嬢ちゃんの願いならなんでもかなえてやるぜ」
オスカーはたちあがって、自分も水着を脱ぎ、アンジェリークの丸い臀部を抱え、固く屹立した己をアンジェリークのひくつく秘裂に一気に突き刺した。
「ひぁあっ」
アンジェリークの体が挿入の衝撃に一瞬中に浮いたかのようだった。
オスカーはアンジェリークの腰を自分に引き寄せるように揺さぶると同時に自分の腰も激しく打ちつけアンジェリークの深部を抉る。
「あっ・・あっ・・・オスカーさまっ・・すごい・・あっ」
アンジェリークが苦しそうに眉をひそめ、必死に岩で体を支えるが、オスカーの律動に腰ごと体を持ち上げられるかのようだ。
「どう、すごいんだ?お嬢ちゃん?」
オスカーが腰の動きを休めることなくアンジェリークに問いかける。
アンジェリークが快楽の波に翻弄されている姿をもっともっと確かめたい。
「あっ・・あん・・すごく・・すごく気持ちいいの・・あぁっ」
「ふっ・・お嬢ちゃんが喜んでくれると、俺も嬉しいぜ、さ、もっともっと良くしてやるからな」
オスカーは口の端に笑みを浮かべると、アンジェリークの豊かな乳房に手を伸ばし、
固くたちあがったままの先端をつまんだりひっぱったりしながら、乳房の形が変わるほど揉みしだく。
快楽に反り返る背中のそこここに唇をあて、強く吸い上げる。
その間も腰の動きは止めず、むしろ、打ちつける速度を速めていく。
「あっ・・くぅん・・あっ・・オス・・カ・・も・・おかしくなっちゃ・・」
「ああ、おかしくなっていいんだぜ、俺のお嬢ちゃん・・」
「あっ・・だめ・・もう・・・も・・あ・・ああああっ」
さらにアンジェリークの最奥を狙って、深く己を差し込んだ瞬間、アンジェリークの秘裂がびくびくと痙攣し、オスカーのものを絞り上げるように締付けた
オスカーは秘裂の不規則な締め付けに酔いしれるがそれでも己は開放せずに耐える。
しかし1度絶頂に達したアンジェリークはもう、岩で体を支えることも適わず、がくりと砂浜に膝をついてしまう。
「しょうがないな、お嬢ちゃん、もう、物に捉まる力も出ないか・・」
「あっ・・はぁ・・はぁ・・ごめんなさ・・オスカ・・さま・・」
オスカーはアンジェリークを抱き起こすと、体を自分の正面に向けさせ、アンジェリークの背を岩礁に寄りかからせた。
「ちょっと、背中が痛いかもしれないが、一瞬だからな、少し我慢してくれよ?」
オスカーはアンジェリークの足を開かせると、自分は腰を落とし、今度は正面からアンジェリークの体をゆっくりと貫いていく。
アンジェリークの腰をしっかりと抱きかかえ、己を秘裂に飲みこませて行くにつれ、アンジェリークの足が地面を離れ、からだが不安定に揺れる
「あっ・・やっ・・こわい」
背中を岩に預けているとはいえ、自分の体が中に持ち上げられた不安定な姿勢にアンジェリークが泣きそうな顔になる。
「大丈夫だ、お嬢ちゃん、ほら、俺にしがみつけ」
オスカーがこういうと、アンジェリークが腕をオスカーの首にまきつけ、必死の面持ちでしがみついてきた。
「いいか、お嬢ちゃん、そのまましっかり俺に捉まってろよ」
こう言うとオスカーはアンジェリークの腰を両手で支え、アンジェリークを貫いたまま一気にたちあがった。
「ひっ・・ああぁっ」
自分の重みでオスカーのものに今まで以上に最奥を抉られ、アンジェリークが白いのどをのけぞらせた。
オスカーはそのままアンジェリークの腰を激しく揺さぶり始めた。
「あっ・・やぁっ・・」
あまりに激しいその刺激に、アンジェリークの瞳に涙が滲む。
オスカーはアンジェリークの涙を唇で拭うが、突き上げを緩めるどころか、さらに律動を早める。
「かわいいぜ、お嬢ちゃん、もっと乱れた姿を見せてくれ・・この俺だけに・・」
「やっ・・もう・・いっぱい・・なの・・オスカーさまで・・いっぱい・・ああっ・・」
「ああ・・お嬢ちゃんを俺で満たしてやる・・俺のことしか考えられなくなるように・・」
オスカーの声も快楽にかすれて始めている。
オスカーはアンジェリークの唇に貪るような口付けを与えながら、アンジェリークを壊さんばかりの勢いでさらに強く腰を突き上げた。
「んんっ・・ん・・」
その惨いほど容赦のない突き上げに、快楽は苦痛とない交ぜになり、閉じたまぶたの裏には熱帯の太陽の光が残像となってスパークする。
オスカーの律動に、固くたちあがった乳房の先端がオスカーの厚い胸板に上下にこすり付けられ、胸からも鋭い快感が全身を駆け巡る。
アンジェリークはもう口付けが続けられず、オスカーから唇を離し、空気を求めるように喘ぐ。
息もできないほどの快楽に、アンジェリークの秘裂は生き物のようにオスカーのものを絞りつけ、締め上げる。
その締付けのきつさにオスカーも我慢できず、己の欲望をついに解き放つ。
「そらっ、お嬢ちゃん、受け取れ!」
「くっ・・あ・ああああっ!」
オスカーの熱い欲望がからだの中心を叩き、全身に染み渡って行くようなその感触にアンジェリークも再度高みに上り詰め、そのまま意識を失った。
「お嬢ちゃん、お嬢ちゃん・・・・気を失っちまったか・・」
アンジェリークとまだつながったまま、オスカーがアンジェリークの耳に囁きかけるが、
あまりに激しい快楽にアンジェリークは失神してしまったようだった。
『ちょっと刺激が強すぎたか・・』
オスカーは己をアンジェリークからひきぬくと、アンジェリークのほほをぴしゃぴしゃと軽く叩いた。
「お嬢ちゃん、ほら、しっかりしろ」
「んん?・・あ、おすか・・さま?」
「お嬢ちゃん、ちょっとでいいからたてるか?いくらなんでもこの格好じゃ、船に戻れないからな、ほら、俺に捉まって・・」
オスカーはかがみこむとアンジェリークを自分の肩に捉まらせ、アンジェリークに水着のショーツをはかせ、乳房も水着のカップにきれいに収めてやる。
自分も水着をはくと、水着を着せなおしたアンジェリークを横抱きに抱き上げて、
「さ、もう、船に乗ってホテルに帰ろうな」
と言って、アンジェリークに触れるだけのキスをして、船着場に向かって歩き出した。
「も・・おすかーさま・・わたし、こんな様子じゃ、周りのお客さんに変に思われちゃいます・・」
もう、自分で歩く気力もないアンジェリークがオスカーに弱弱しく抗議する。
「大丈夫さ。強い日差しにちょっと気分が悪くなったとでも言えば。」
オスカーがにやりとする。
「なんにせよ、俺は明るい日差しの元で、お嬢ちゃんをおいしくいただけて満足だけどな」
「もう・・オスカー様の・・ばか・・」
アンジェリークがオスカーの首筋に自分の顔を埋める。
「本当さ、俺には最高のバースディプレゼントだったぜ?」
オスカーがもう1度アンジェリークにキスをする。
岬をまわると、ボートが見えてきた。
『ホテルに戻ったら、次はなにをするかな・・』
二人のヴァカンスは、まだまだこれからだ。