料理があらかたすむと、アンジェリークは「オスカー様、デザートお持ちしますね!」
と、今まで以上に張り切った様子で厨房に駆けこんで行った。
オスカーは率直に言ってもうデザートはどうでもよかったのだが、アンジェリークが至上の楽しみとしているものを奪う気はないので、おとなしく付き合う気でいた。
ただし、こっちのデザートはさっさと切り上げてオスカーは本当のデザートをじっくりこってり時間をかけて食すつもりでいた。
食事の最中、アンジェリークを膝に座らせアンジェリークの口にも料理を運んでやりながら、ずーっと髪をなで、背筋に指を滑らせ、かわいいお尻をなでまわし、ときおり何気ない振りで乳房にも触ってアンジェリークの身体を少しづつ、だが絶え間無く刺激しておいた。
肌に触れるたびに徐々に乳首が布を押し上げていくのがはっきりわかった。
この恥かしい姿でオスカーの膝に座らされているというのも、アンジェリークの身体を心ならずも熱くさせたようで、オスカーはアンジェリークの温もりを感じていた太腿の部分がじんわり湿り気を帯びてきたような感触も覚えていた。
そこが甘い蜜を湛えているのか、早く確かめたかった。じっくり確かめてから、舌先で掬って口に中で転がす様に味わいたかった。
うっすら透けてみえる紅色の実も早く口に含んで舐りたくてたまらなかった。
そこにアンジェリークがデザートのワゴンを押して帰ってきた。
「今、用意しますね!」
ライトブラウンのムースケーキをホールでとりだしてテーブルにおいたが、
「あれぇ?ない…どこやっちゃったかしら…」
と前かがみになってアンジェリークはワゴンの前でごそごそ何かを探しはじめた。
「どうした?さっさと食っちまうおうぜ、お嬢ちゃん」
最早デザートを食べた後のことしか頭になかったオスカーはアンジェリークのほうを振りかえって、そのまま硬直した。
アンジェリークのかわいらしい花弁が視野いっぱいに広がっていた。
何かを探す事に気を取られているアンジェリークはワゴンにかがみこんでいたので、オスカーの眼前に彼が愛して止まないかわいらしい花弁を無防備に晒していたのだ。
金色の繊毛に縁取られ、うっすら珊瑚の色にそまった一対の愛らしい花弁が真白い双球の真中でほっこりと咲き綻んでいる。
ふっくらともりあがった秘唇は僅かに露をのせ、早く満開に咲かせて欲しいとオスカーに語りかけてくるかのようだった。
咲き掛けの花びらを見ているうちに、いつもオスカーの剛直をどこまでも柔らかく受けとめて蕩けるように包みこんでくれるその感触がまざまざと脳裏に蘇り、身体がかっかと熱くなる。
無意識につばをごくりと飲みこんで、その魅惑の花から目をそらせずにいたら、
「あ、こんなところにおちてた〜」
といいながらアンジェリークが一際お尻を突き出す様にかがみこんだので、計らずもオスカーの鼻先に花弁が付きつけられるような形となった。
ふくふくとして食べてしまいたいほどかわいらしい花弁を目の前にして、その誘惑に抗し切れずオスカーはそーっと手を伸ばしてその花びらを指でなぞろうとした途端、
「オスカー様っ!おまたせしました!今火をつけますね!」
とアンジェリークが元気よく振りかえったので
「うわっ!はははいっ!」
とオスカーは悪戯が見つかりかけた子どもの様に一瞬固まってよいこのお返事を返してしまった。
行き場のなくなった手が手持ち無沙汰に中空をひらひらと泳いでいたが、アンジェリークは何も気付かず無邪気ににこにこ微笑んでケーキにろうそくをさしそれに火をつけていた。
「オスカー様の本当のお年じゃろうそくのせきれませんから、形だけですけど、願い事をして一気に吹き消してくださいね。」
誕生日にはケーキにろうそくをさして、その火を一気に吹き消して…そんなことをしたこともあったな、とてもとても遠い昔のことだ…オスカーはアンジェリークのおかげで遥か彼方に過ぎ去りし子どもの時のことを思いだす。アンジェリークがろうそくを持ち出さなければそんな習慣があったことすら忘れたままだっただろう。
「なつかしいな。ケーキのろうそくを吹き消すなんて何年ぶりだろう…」
「お願い事も忘れずなさってくださいね。」
「俺の願い事?きまってる、いつも、いついつまでもお嬢ちゃんと供にあって、その笑顔を守る事さ。」
「やだ、オスカー様…でも、うれしい…今日は私のお誕生日じゃないけど、私も願っていることはいつもそれだけです…」
「お嬢ちゃん、その願いはきっと叶えられる、俺が叶えてみせる。」
オスカーは一気に火を吹き消した。
「オスカー様、本当にお誕生日おめでとうございます。また次の一年がオスカー様にとっていい年でありますように…」
「お嬢ちゃんさえ側にいてくれたら、俺は絶対に幸せだ。だから、そう願ってくれるなら俺の側から離れないでくれよ?お嬢ちゃん?」
「はい、オスカー様…」
ウインクをよこすオスカーにアンジェリークはどぎまぎしたのか、頬を染めて俯いてしまう。
黙ったままアンジェリークがろうそくを取り去ってからケーキを切り分けオスカーの目の前に置いた。
「あの、召しあがってみてください…」
アンジェリークが切り分けてくれたケーキからシナモンの香がふわりと漂った。
「これはカプチーノか?」
一口食べてオスカーが訊ねた。豊かなコーヒーとシナモンの香が口腔をいっぱいに充たした。
「はい、カプチーノをムースにしてコーヒーリキュールを染みこませたビスキュイに乗せてみたんです。これならオスカー様にお気に召していただけるかと思って…」
「いや、これは美味いな。こんなケーキなら俺もいくらでも食えそうだ」
実際、甘味を押さえたカプチーノムースのまろやかな味わいと、洋酒で風味をつけた幾分ほろ苦いビスケット生地のハーモニーは絶妙であった。
アンジェリークがあからさまに安堵の表情を見せた。
「よかった!このケーキだけは、私が全部自分で作ったんです。オスカー様いっつもデザートは私に付き合ってくださるだけで、あまりお召し上がりにならないからオスカー様のお気に召しそうなレシピ一生懸命考えて昨日から用意してたんです。お誕生日に自分の好みのケーキがないと寂しいですものね!」
「お嬢ちゃん…」
オスカーは誕生日にケーキを食べるなんて習慣をすっかり忘れ去っていた。ろうそくの火を願いを込めて吹き消すことも。
聖地にきてからの自分に誕生日に特別な意味もなく、祝ってくれる人間も祝って欲しいと思うこともなかった。その日はただ、守護聖の任期が一歩終わりに近づいたのかもしれないと思わせてくれるだけだった。しかし、いつ果てるともしれないサクリアを抱える身としてそんなことを数えるのもいつか虚しく止めてしまっていた。
だが、今はアンジェリークが自分を祝ってくれる。幸せだった頃の自分を思い出させてくれ、より一層鮮やかな幸せを目の前に開いてくれる。
アンジェリークと出会え、同じ時間を供にすごしていけることで、生まれてきてよかったと謙虚に思える自分をオスカーは改めて発見していた。
「お嬢ちゃんの気持ち、本当にありがたかった。俺はこんなわがままばかり言っているのに、いつも俺のことを大切に考えてくれて…」
「だって、そんな当たり前です。オスカー様がうまれてきてくださった大切な日ですもの。だから、私、そのことを感謝したくてお祝いしたくて、でも、オスカー様はなんでももうお持ちだから、何をさし上げたらいいかわからなくって、オスカー様がびっくりするようなプレゼントを考えられなくてごめんなさい…」
本気で恐縮しているらしいアンジェリークにどうしようもなく愛しさが込み上げてきた。
「俺はもう十分驚いているし、感激している…」
オスカーは突然アンジェリークの細い身体を抱きしめた。身体は先刻からとっくにアンジェリークを欲してやまない状態になっていた。アンジェリークの健気な言葉にアンジェリークを欲する気持ちももう押さえ様がなくなってしまった。
「お嬢ちゃんが今すぐ欲しい、もう我慢できないんだ…」
「え?そ、そんなオスカー様、今って、ここで?ちょ、ちょっとまって…んんむむぅ…」
オスカーはアンジェリークをきつく抱きしめたまま改めて深深と口付けた。
そのまま体重をかけるように覆い被さりアンジェリークの身体を真っ白なテーブルクロスの上に横たえてしまった。
アンジェリークの身体を自分の体で押さえこみ、唇を貪りながら申しわけ程度に胸元を覆っている布の上から乳房を激しくこねまわした。
そのまま両の乳首を指で摘み上げると、アンジェリークが小さくのけぞった。
先端が布に擦りあわされる刺激が、摘まれる感触に重なって直接触れられるのとは違った快感が迸ったのだろう。
塞がれた唇からくぐもった吐息が漏れ、指先で捻る様に摘んでいる乳首はみるみる硬度を増して薄い布を押し上げ始めた。
オスカーはその様子を覚って唇を一度離した。
「お嬢ちゃんのケーキも美味かったが、これも食べさせてくれるか?…」
オスカーはアンジェリークの胸元に顔を埋め、薄い布を押し上げている乳首を生地ごと口に含んで軽く噛んだ。
「んんっ!」
アンジェリークが首を振って腕に力を入れた。オスカーを突っぱね様としているのか、抱き返そうとしているのかわからなかったが、オスカーは今更愛撫をとめられなかった。
一度口を離して乳房を見下ろすと、唾液に塗れた布は更に透けて、しかも乳首の形そのままにぺたりと張りついたようになっていた。
オスカーに指と口で愛撫され、乳首自体も薄紅色から濃い紅色に色づき、それが濡れた布を通して見える様はより扇情的でオスカーの身体を熱くした。
オスカーは辛抱できずに前当てを乱暴にはだけて乳房を露出させた。
直接、そして思う存分、艶かしく色づいた果実を舐め転がし吸い上げたくてたまらなくなってしまった。
むしゃぶりつくように乳首を口に含んできつく吸ったかと思うと、優しく舌で転がした。
アンジェリークが切なげな声を途切れ途切れにあげ始めた。
「あっ…ああん…あふ…」
その声に押される様に、更にオスカーは執拗に乳首を舌と唇で弄う。
同時にフリルを捲り上げて半ば強引に指を股間に滑りこませると、奥まで行かぬうちに熱い滴りを指先に感じた。
「お嬢ちゃん、もうこんなに濡れて…俺を欲しがって…それとも、こんな格好をしていたからそれだけで濡れちまってたのかな?」
指先を曲げる様にしてその蜜を指に絡めるように掬い取った。
きらきらと光る液体がオスカーの指と指の間に糸を引くのをアンジェリークに見せつけるようにしてから舐めとった。
「うまいぜ、お嬢ちゃん。」
「いやん、オスカー様…」
オスカーの乳房への愛撫に甘い声をあげていたアンジェリークは、我に返ったように顔を覆っていやいやをした。
「どうしてだ?お嬢ちゃんの蜜はこんなに甘く芳しく豊かに溢れてる。この豊穣さを誇りこそすれ、恥かしがる事はない。」
オスカーはテーブルに乗せたアンジェリークの足をぐいと開いて股間に顔を近づける。
息が掛かるほどの距離で、指で大きく秘唇を押し開いて花芽を剥き出しにした。
敏感な宝珠はぷっくりと膨らんでオスカーの愛撫を待ちわびていた。
「ほら、このかわいい芽ももちろん味あわせてくれるだろう?」
有無を言わさず花芽をぺろりと舐め上げてから、舌先で素早く小刻みに弾いた。
「ああああっ!」
アンジェリークが無意識に強すぎる刺激から身体を逃そうと、腰をずりあげる。
オスカーはそれを許さず腰を押さえこんで、花芽を舐め吸い転がしては、時折愛液をとめどもなく零している秘裂に舌をさしこんで愛液を掬い取っては飲み干した。
「お嬢ちゃんの蜜は吸っても吸っても溢れてくるな?そんなに俺がほしいのか?」
「ああっ!そんなこと…」
「俺はお嬢ちゃんが欲しくてたまらないぜ?ほら…」
オスカーはスラックスの前をあけて自分のものを素早く自由にすると、アンジェリークの手をとってそれに触れさせた。
アンジェリークは一瞬身体を固くしたが
「熱い…それに、すごく固い…」
とうわごとのように呟いて、手を逃す事もなくやんわりとそれを握り返してきた。
そのものの輪郭を一通りなぞってから軽くしごく様にその存在を確かめるように手を動かし始めた。
開放された雄渾のものは逞しく脈打ち、天にむかって屹立している。その力強さを掌いっぱいに感じていると身体の最深部が熱く煮えたぎってくるように思え、アンジェリークはその自分の熱さを持て余す様にオスカーのものをいとおしむように擦った。
「お嬢ちゃん、嬉しそうだな?俺がお嬢ちゃんをほしがっているとわかって嬉しいか?」
アンジェリークはオスカーのものの逞しさに魅入られ、羞恥に足踏みすることを止めた。
「ああ、はい…オスカー様、こんなに固くなってくれて…嬉しい…」
「俺もお嬢ちゃんがこんなに濡れてくれて嬉しいんだぜ?わかるだろう?」
「はい、オスカー様…私も嬉しいもの…」
「いいこだ…お嬢ちゃん」
オスカーは両の乳首と唇にちゅっと軽く吸ってから、徐に再び股間に顔を埋めた。
「こんなかわいいお嬢ちゃんをもっともっと気持ちよくしてやりたい…」
オスカーはアンジェリークの膝を立たせ、豊かな臀部を抱えこむようにして秘唇を上向かせると、優しい、しかし、執拗な愛撫を与え始めた。
花芽と秘裂に交互に舌を這わせる。
秘裂に舌を律動させるように抜き差ししたとおもうと、襞の隅々まで舌を回す様になめとろうとする。
露出させた花芽のさらに先端をつつくように舌で弾いては吸う。
その度にアンジェリークの身体はテーブルの上で跳ねまわる。
「あっ…ああっ!だめ、もう、許して…」
「イッていいんだ。我慢しなくていい。ここには俺たちしかいない…」
「ああああっ!」
花芽への軽い一噛みでアンジェリークは軽く気をやってしまったようだ。
全身が一瞬小刻みに震えた。
「もう、俺のほうも限界だ…」
くったりしているアンジェリークの膝の下に腕をまわして若干臀部をもちあげるようなかたちで、オスカーは正面からアンジェリークを一気に貫いた。
そのまま寸分の隙間もできぬほどに激しく腰を打ちつけ始めた。
明るい食堂に湿った肉を叩く音がリズミカルに響きわたる。
その音の合間に途切れ途切れあがっていたやるせなげな声が嫋嫋たる啜り泣きに変わるのにさほど時間はかからなかった。
「はっ…ああっ…くふっ…気持ちいい…気持ちいいです、オスカーさまぁっ…」
「ああ、お嬢ちゃんはかわいいな…こんなに乱れて…もっと淫らになれるか?もっと乱れた姿を俺に見せてくれるか?」
「ああっ!そ、そんな、そんな…もう、これ以上なんて…ああっ!」
「もっと淫らに、もっと色めいてくれ。俺だけにこの艶やかな姿を見せてくれ…」
オスカーはアンジェリークの身体を手早くくるりと裏返すと、豊かな臀部を持ち上げる様に抱えこんで後背から貫きなおした。
「はあああっ!」
アンジェリークの白い背中が美しく反り返った。
ウエストのあたりになよなよとまつわりついたままの布が目に入った。
オスカーはとっさにアンジェリークの腰で結ばれていた紐を解くと、その紐でアンジェリークの手首を後ろ手に軽く拘束した。
「ああっ!やっ、オスカーさま、なに?」
アンジェリークが怯えた様に後ろを振り向いたところ、オスカーはすかさず唇を塞いだ。
「大丈夫だ、こわいことなどしない…」
うなじから背筋に唇を滑らせながら、手首を縛った紐を手綱を操る様に軽く引くとアンジェリークの背中が軽くしなる。
と、同時に結合部分がさらに密着してより奥深い部分にオスカーのものがずしんとあたり、アンジェリークの全身に痺れるほどの快楽が走りぬけた。
「あああっ!やぁっ…」
「たまらないだろう?お嬢ちゃん?さあ、思い切り突き上げてやろうな?」
オスカーは縛り上げた手首を引いて深い結合を保ったまま、激しい律動を開始した。
ぐいと紐を引っ張ては揺るめたり、引っ張る角度を変えたりと、緩急自在の手綱さばきでアンジェリークとの結合をコントロールする。
密着したまま深い結合で様様な角度で胎内を抉られ、こねまわされ、張り出した部分で内壁を擦りあげられ、アンジェリークは激しく乱れた。
白いテーブルクロスに頬を押しつけたまま、熱く忙しない喘ぎを零しつづける。
「あああっ!すごい、すごい奥まできてるのっ…くはぁっ…」
「奥を突かれるのは好きか?」
「ああっ!好き、好きです、オスカーさまっ!」
「なら、もっと突いてやろうな?さあ、もっといやらしくお尻を突き出してごらん、お嬢ちゃん?」
「やぁっ…そんな…」
言葉と裏腹に、身体はより鋭い快楽を無意識に求めるのか、オスカーのものを更に奥深くに咥え込もうとするようにアンジェリークの白い双球がせりあがる。
オスカーは更に手首を強く引いて結合を深めたうえで、素早く力強く腰を打ちつけた。子宮口まで貫くような激しく重い律動にアンジェリークの脳裏に白い火花が飛び散った。
「そんな、そんな奥まで…ああっだめ、もう、私…あ、ああああっ!」
体重をかけて一際奥まで抉った瞬間、アンジェリークの柔襞がきゅうっと収縮し激しく痙攣した。
うち寄せる波のように繰り返される締め付けの余りの甘美さにオスカーも抗し切れずに熱い滾りを迸らせた。
オスカーは手首を軽く縛っていた紐を解いてやった。
幅広の布でゆるく縛っていたので痕はついていなかったことに安堵した。
アンジェリークは食堂のテーブルにくったりと力なく伏したままだった。
とろんと濡れたような瞳はまだ快楽に余韻に身体が浸っていることを物語っていた。
「オスカーさま…もう、私、びっくりしちゃいました…何されるのかと思って…」
「ふ…だが、よかっただろう?ものすごく激しく乱れてたぜ?お嬢ちゃん?」
「やだ、もう…でも、最初、ちょっと怖かったです…」
「すまなかったな。じゃ、もう二度としない方がいいか?」
「いえ、あの、その…またして下さってもいいです…きゃっ!」
照れて俯いてしまったアンジェリークがかわいくてたまらず、オスカーはアンジェリークを背後から抱きしめると汗ばんだうなじから背中の所々に口付けていった。
アンジェリークがくすぐったそうに身を捩る。
激しい絶頂を迎えた直後は同じ愛撫がくすぐったく感じられてしまうようで、アンジェリークは情事の直後に身体のそこここに口付けると、よくくすくす笑いを零していた。
その様子がまたいとけなくて愛らしく、オスカーはアンジェリークの顎を摘んで自分のほうを向かせて軽く口付けた。
アンジェリークもオスカーの肩に手を回して愛しげに抱きついてきた。
「お嬢ちゃん、ありがとう。お嬢ちゃんの愛らしい姿は俺には何より嬉しいプレゼントだったぜ?」
「いやん、オスカー様…私のほうが気持ちよくしていただいちゃって、なんか申し訳ないみたいですのに…」
「じゃ、この続きに寝室に行って、今度はお嬢ちゃんが俺を愛してくれるか?お嬢ちゃんのそのかわいい唇が俺のものを嬉しそうに頬張るところをみせてもらいたいな?」
「やややぁん、オスカー様、なに言ってるんですか、もぉおおおっ!」
オスカーの厚い胸板を軽くぽかぽか叩きながら、アンジェリークは耳まで真っ赤になってしまった。
「誕生日だからってことじゃだめか?そうしてくれたら、俺はもっと嬉しいんだがな?」
「もう…いいですけど…でも、別にお誕生日じゃなくてもオスカー様が喜んでくださるなら、私、いつでも…」
「え?なんだって?お嬢ちゃん、今、なんだかとっても嬉しいことをさらっと言ってくれなかったか?」
「なんでもないです。うふふ」
アンジェリークが困ったような、はにかんだような顔でうっすらと微笑んだ。そしてふと思い付いたように呟いた。
「あ、そう言えば、私ケーキ食べてなかった…」
「今から食べるか?ほら?」
オスカーがフォークで一口分切り取って差し出してくれた。
「んん〜、じゃ、一口だけ…ん、あ、あんまり甘くなくてもおいし…よかった…ちゃんとできて…」
「実際美味かったぜ、お嬢ちゃん?」
「じゃ、残りは冷蔵庫にしまっておきますね。」
立ちあがって片付けをはじめようとしたアンジェリークをオスカーが押し留めた。
「立つのは辛いだろう?俺がざっと片付けるから、お嬢ちゃんはそこに座ってな?」
オスカーはさっさと残った食器をワゴンにのせて、食器洗い機にぽいぽいと放りこみ、アンジェリークがフードを被せたケーキを手早く冷蔵庫にしまった。
「これでいいだろう。さ、寝室にいこうな?お嬢ちゃん」
あれよあれよという間にテーブルをきれいにしてから、オスカーはアンジェリークをさっと抱き上げた。
アンジェリークはなにか忘れているような気がしたのだが、その時降ってきたオスカーの口付けに頭のすみに引っかかった気がかりを忘れさせられた。
翌朝、いつもオスカーに起されるアンジェリークは珍しくひとりでに目が覚めた。
夢の中でも、なにか忘れてる、なにか忘れてると語りかけてくる自分がいて、自然に目がさめてしまったのだ。
オスカーはまだ眠っていた。
端正な横顔に見惚れていると、昨晩の情事がつぶさに思い出されてまた身体が火照りそうになる。
昨日つけさせられたエプロンは無造作にベッドのわきに転がっていた。
せっかくいただいた綺麗なエプロン、ちゃんと洗ってしまっておきましょう、と思ってアンジェリークはエプロンを床から拾い上げた時、洗う、洗濯、汚れ物…と連想が進んだところで、頭の片隅に引っかかっていた事象がいきなりクリアーになった。
「あっ!そうだわ!」
アンジェリークは慌ててガウンだけ羽織ると急いで階下の食堂に向かった。
食堂のテーブルの上は綺麗に片付いていたものの、真っ白なテーブルクロスのそこここに昨夜の情事の名残がしみとなって残っていた。
「きゃああああ〜!やっぱりぃ!」
アンジェリークは慌ててテーブルクロスを引っ剥がすと、急いでランドリーに突っ込みスタートスイッチを押した。
本来手でつまみ洗いをするところなのだろうが、朝には使用人たちが屋敷に戻ってくる。とてもじゃないけれどそんなことをしている暇はなかった。
ごぉんごぉんとランドリーが回り始めた音に胸をなでおろして、アンジェリークは着替える為に急いで踵を返した。
『あのしみ、落ちるかな?おちるよね?』
万が一しみが落ちなくても、「このしみはなんですか?」なんて給仕頭に聞かれませんように、聞かれたら、ご飯を零したって絶対いいはらなくちゃ。子どもみたいって思われても、まだその方が恥かしくないもの…
アンジェリークはそんなことを考えながら、寝室に戻っていった。
その朝帰ってきた使用人はランドリーの中でテーブルクロスが回っているのを見て、朝食をサーブしながらアンジェリークに
「テーブルクロスの洗濯など私どもがやりましたのに…」
と話しかけてきた。
アンジェリークは思わず
「いえ、あの、いつも綺麗にしていただいているクロスにしみをつけちゃったから…」
としどろもどろに弁解していたら、オスカーが
「え?昨日は俺が食べさせてやったから、食べ零しなんかなかっただろう?俺のカトラリーさばきは絶品だからな?」
なんて余計な口を挟んだ物だから、アンジェリークは冷や汗をかいて、
「いえ、私がお給仕がへたくそで、お料理零していっぱいしみつけちゃったんです〜!」
とわざと周りに聞こえる様に言い張らねばならなくなった。
アンジェリークはオスカーと口裏をあわせておけばよかったと激しく後悔した。
そしてこの後オスカーはアンジェリークから
『食堂のテーブルの上、少なくともテーブルクロスの上ではもう2度とだめですからね!』
と厳しく言い渡されたのであった。
オスカーがその言いつけを守ったかどうかは定かではない。 FIN
どこかで見たネタっていわないでくださいね〜確信犯でやってますから、裸エプロン(笑)でも、オスアン裏なら一度はやりたいネタだと思うんです、これ。オスカー様お誕生日おめでとう記念創作ですし、私なりの味付けをした裸エプロンってこと大目にみてやってくださいね〜。
裸エプロンは一本書いてみたくて、でも、私はなにかの理由付けがないとアンジェに裸エプロンさせられなくて、それならオスカー様のお誕生日に合わせて書くのが一番かなと実は去年オスカー様お誕生日創作書いた直後から思ってました(爆)
自分から積極的にアンジェが裸エプロンやるとは思えないけどお誕生日のプレゼントってことなら、アンジェも絶対嫌とはいえないと思って(笑)もっともあの頃の私はまだお師様の居候ともいえないようなただの寄稿屋で、どこまで創作やれるか自信も実力もなくて(今ならあるって訳ではありませんが・爆)一年後にまだ創作書いていられたら、書こうくらいの気持ちでした。あの時は自分でサイト立ち上げるなんて想像だにしてませんでしたね〜(笑)
それはさておき、しのちゃん様のイラスト、すごかったでしょう?(笑)
あのイラストもずーっと以前にいただいてて、どうUPしようか考えていたのですが裸エプロンネタ書いているときにバックからの挿入を表すのにこれほどぴったりの構図はないな〜と思って挿絵風に使わせていただきました。
もともとイラストいただいた時のしのちゃん様のコメントが
「アンジェがちょっと変な格好なのは、両手を縛られてるから。でもSMじゃないのよ?ちょっとシャツかなんかで、手の自由を奪うと燃えるでしょ?そののりよ!突き出されたアンジェのバックにオスカー様が挿入!「ああ〜ン!奥まで来る〜ン!」ですか?」
こうだったので(笑)それならエプロンの紐で縛ったら燃えるかな〜と(笑)
しのちゃん様のイラストのおかげでさーらーに燃え燃えなお誕生日創作になったことは見てくださった皆さんが一番よくおわかりではないでしょうか?(笑)オスカー様もさぞかしお喜びのことでしょう(笑)
いつもイラストに創作つけるときは「いただきもの」にUPするのですが、今回去年のお誕生日創作「太陽のバースディ」に連動してますので、創作の本だなのほうに収めさせていただきました。