蜉蝣 5

オスカーの名がキーとなり、無理やり眠らされていたアンジェリークの意識がその拘束を解こうと身じろぎする。

暗い水底で生まれた泡沫が水面を目指して浮かびあがろうとするかのように。

「おすかーさま…会いたい…抱きしめて欲しい…でも、いらっしゃらないの…がまんしなくちゃいけないの…寂しいけど…寒いけど…」

アンジェリークの瞳が潤む。

クラヴィスが割って入った。

「あれの名は出すな。これの意識が戻る端緒となってしまう」

「あ、ああ、すまぬ、アンジェリーク。思い出させてしまって…だが、案ずるな。今だけは私が、私たちがおまえを暖めてやる。寂さも、寒さも、私たちが忘れさせてやる…だから、何も考えるな…何も気にせず、その身をわれらに委ねろ。」

ジュリアスがアンジェリークの体をきつくきつくだきしめた。

アンジェリークがぼんやりと不思議そうな表情で、自分の体を覆う豪奢な金の髪を掌に掬い上げた。

「きれい…お日様の光が凝ったみたい…お日様…ジュリアス様の色…ジュリアス…さま?」

ジュリアスが顔をあげ、アンジェリークを見据えた。

「私が…わかるのか?」

「ジュリアスさま…?どうして…」

「意識が浮上しつつある。アンジェリーク、こちらを向け」

クラヴィスが再度闇のサクリアを注ぎこもうと、アンジェリークの顎を摘んで自分の方に向かせた。

「クラヴィスさま?クラヴィス様もいらっしゃるの?なんで?…これは…夢?」

不思議そうな顔をしているアンジェリークにクラヴィスが優しく囁きかけた。

その瞳にはいたわりの色と、やるせなげな切ない光が混在していた。

「そうだ、これは夢だ。曙光の訪れとともに弾け散る泡沫だ。さあ、何も考えずもう一度深く眠れ。おまえに安らぎを与えよう…目覚めたときはもう涙を忘れていられるように…」

クラヴィスが口付けようとするのを、ジュリアスが押し留めた。

「すまぬ、少しだけ待ってくれ。」

ジュリアスは、ほんの一瞬躊躇ったように視線を外した後、思いつめたような瞳でアンジェリークの顔を覗きこんだ。

「アンジェリーク、私のいうことがわかるなら…ひとつだけ、答えてくれ。もし、オスカーより先に私がおまえに愛を告げていたら…おまえが欲しいと告げることができていたなら…おまえは…おまえは私を選んでくれることもありえたのだろうか。私が自分の気持ちから目を背けていなければ…」

クラヴィスが痛ましいものでも見るかのように、ジュリアスに向き直った。

「…ジュリアス…おまえ……よせ、ジュリアス、聞けばかえって辛くなるやもしれぬ」

クラヴィスにもその悔恨は痛いほどわかった。

自分から何もせずにいたことで、何より欲していた物を永遠に失ってしまったのだとしたら、その悔いは計り知れない。

だが、今更それを知らされたとて、取りかえしのつかないことをしたという忸怩たる思いが深まるだけだ。何にもなりはしない。

しかし、アンジェリークは夢見るように、歌うように言葉を発し始めた。

「私…みなさんが大好き…皆さんとってもお優しくて本当に大好き…でも、オスカーさまは特別なの…ずっと、ずっと私が欲しかったのは、オスカー様だけ…オスカー様しか見えなかったの…オスカー様しか欲しくなかったの…」

「…アンジェリーク」

「…そう…か。充分だ。クラヴィス、頼む」

「ああ…」

クラヴィスがアンジェリークの唇を塞ぐ。

アンジェリークの口中に舌とともに何かが入ってきて、それがアンジェリークの身も心も紫紺の闇の中に再び閉ざして行く。

水面に浮かびかけた意識は真綿にくるまれたように、穏やかでほんのりと暖かい濃紫の安らぎに包まれ眠りについた。

 

それからまた、互いにアンジェリークを抱いた。

アンジェリークの意識は2度と浮かんでくることもなく、ただただアンジェリークの肉体だけが2人を際限なく受け入れた。

ジュリアスが後ろから膝の上に抱きかかえ、アンジェリークを突き上げる。

背後から乳房を捏ねるようにもみしだき、すんなりとしたうなじに舌を這わせる。

クラヴィスはアンジェリークの顔を少しはすかいにして自分のものを含ませる。

アンジェリークは2つの果実を慈しむように撫でさすりながら、熱い滾りに手を沿え、先端に舌をまわし、吸い上げる。

半分くらいしか口に収まらないそれを、それでも懸命にふっくらとした唇でしごくようにこすりあげている。

しかし、ジュリアスが乳首を指で摘み上げながら一際強くつきあげた拍子にクラヴィスのものが外れてしまい、同時にアンジェリークの口からは嫋嫋たる啜り泣きの声が上がる。

「あぁっ…だめ…もう…もう…ゆる…して…」

「だめだ、おまえはまだ震えている。おまえのここは私を離そうとしない。まだ、足りないはずだ…」

ジュリアスが強く激しい勢いで突き上げる。腰を砕かんばかりに自分の杭でアンジェリークを突き刺す。

「はぁああっ…」

アンジェリークが背を弓なりに反らせ、白い喉も露にのけぞる。

「くぅっ…」

苦しげな表情でジュリアスが押さえていた物を解き放つ。

力なく頭をおとしているアンジェリークの頤を摘み上げ、クラヴィスは口付けを与え舌を吸う。

クラヴィスはジュリアスの上からアンジェリークを抱き上げると、横たわった自分の腹の上にアンジェリークを後ろむきに跨らせる。

アンジェリークと指を絡ませて腕を引き寄せると、アンジェリークの背が反り返り、美しい乳房が前に突き出される。

その乳房をジュリアスが捕らる。ジュリアスは揺れるアンジェリークの乳房を揉みしだきながら、先端を吸う。

クラヴィスはアンジェリークの腕を手綱を操るように引きながら、アンジェリークの体を揺さぶり、突き上げる。

背面で腹の上で突き上げると、自分のものがアンジェリークの花を出入りするところがはっきり見えて、その光景にクラヴィスのものは冷めることを知らずにさらに熱く滾る。

ジュリアスは指を花芽に押し当てながら、開いたままで忙しない呼吸を繰り返す唇を深く吸い、その息ごと飲みこもうとする。

自らが指を動かさずとも、クラヴィスの激しい突き上げに自然と上下する腰の動きに花芽が擦られ続ける。

秘裂をいっぱいに満たされて奥を抉られると同時に、ジュリアスの指に花芽を弄われアンジェリークはまたも絶頂を迎える。

秘裂の小刻みな痙攣に耐え切れず、クラヴィスも爆ぜる。

クラヴィスのからだの上に突っ伏してしまったアンジェリークの腰を持ち上げ、今度はジュリアスが後背から貫く。

2人はアンジェリークをとことんまで追い詰め、酷いまでに貪り続ける。

アンジェリークの肌の隅々にまで唇をよせ、たおやかな肢体の輪郭すべてをなぞり、アンジェリークの存在そのものを自分たちの内部にとりこもうとでもしているかのように。

アンジェリークが最初からオスカーのことしか見ていなかったとわかったがゆえの腹立ちや、やりきれぬ思いをぶつけていたのではない。

むしろその逆で、息も付けぬほどの激しい行為のさなか、今、2人の心は恐ろしいまでに静かに澄んでいた。

自分たちの思いに、けりはついた。

もう、悔恨を引きずることもないだろう。

今、アンジェリークを愛するのは、感謝にも似た感情と、そして惜別の感情ゆえ。

ただ一度だからこそ、この一夜だからこその万感の思いが留まるところを知らず溢れだし、その思いの丈のすべてをアンジェリークに注ぎこむ。

いくら注いでも涸れることのない思いそのままに、体は何度でも力を取り戻した。

ただその思いは最初の頃のような、自分でももてあますほどの激情ではなく、アンジェリークにひたすら慰撫をあたえたいという、慈しみと思いやりの感情に裏打ちされたものだった。

アンジェリークの体は2人のその思いをすべて受けとめるかのように開き、どこまでもおおらかで豊かだった。

今、再びクラヴィスがアンジェリークの白い肢体を正面から組み敷いていた。

アンジェリークの足を高々と肩に担ぎ上げている。

ジュリアスはアンジェリークの胸元に覆い被さり乳房全体を食むように愛したり、慈しむように舌を絡めたりしながら、自分のものをアンジェリークの小さな手に握らせ擦らせていた。

クラヴィスは自分のものがアンジェリークの花を出入りするところを、よく見ておきたかった。

自分のものが確かにアンジェリークの胎内に姿を消し、また現れる。

アンジェリークの紅く充血した花弁が、引き抜かれる自分のものにまつわりつき、ふっくらと包みこむ。

しっかりと目にすることで、今自分は確かにアンジェリークとひとつなのだという実感を噛み締める。

この光景を網膜に焼きつけたくて、自分とアンジェリークが繋がっている部分を飽くことなく見つづけていた。

アンジェリークの秘裂は2人の放った精で溢れかえっていた。

律動を繰返すたびに押しだされてくる白濁した男の証を見て、クラヴィスはその無駄に散らされた命の種の事を思う。

この、本来新しい命を生み出す為の行為は結実することはない。

外部からの人・物の流入が頻繁にあり、無菌状態が保たれているわけでもない聖地に病気と言う物が存在しないのは、女王のサクリアが微細な生物の活動を抑制しているからだと考えられている。

すべてのものを慈しむ女王のサクリアは何物にであれ死をもたらすような力はないにも拘わらずである。

女王のサクリアが最も濃密に満ちているここ聖地では、生命を生み出す(細菌などの繁殖を含め)という行為や活動は女王のサクリアの前に力を失い、無効化されてしまうのかもしれない。

生命の力(エロス)と死の力(タナトス)

どんな生き物でも、その生涯におけるもっとも重要な節目は誕生と生殖と死である。

生き物の死を司る力を持つものは守護聖にいる(自分がそうだ)のに、その逆である、誕生と生殖、いわば生命の創造・エロスを司る守護聖は存在しない。

自分たち守護聖のもつサクリアは、生き物が命を受けた後、生きていく上で必要な力だ。

生まれた命が生きていく気力を失わないための、いわば、一度産み落とされた命を維持、メンテナンスする力である。

しかし、大元のはじまりであるべき生命を誕生させるサクリアをもつ守護聖は存在しない。

創造と誕生、本来もっとも輝かしい意味合いをもつ力を司る守護聖の不在が意味するところはなにか?

それを司るのが女王のサクリアなのだろうとクラヴィスは思う。

実際アンジェリークの生命の豊穣そのものを体現しているような瑞々しい肉体に自分たちが受け止められていると、クラヴィスは、エロスの力を司るのは確かに女性であらまほしい、いや、そうでなければやはり納得できぬとさえ思う。

そして、聖地においては自ずと女王から滲み出るエロスの力は余りに強大で濃密すぎるほどにこの地を覆うゆえに、他の生命の創造の行為が阻害される、簡単にいえば、負けてしまうのやも知れぬ。

いや、ただ単にわれら守護聖の力は女王のサクリアの前にすべて無条件に屈服するだけなのかも知れぬと、クラヴィスは思う。

女王に負けぬほどの豊かな慈愛のサクリアをその身中一杯に内在させている、この小さな白い肉体のなんと豊かなことかとクラヴィスは不思議な感慨に捕らわれる。

アンジェリークの肉体を自分が組み敷いていても、その身を肉の楔で突き刺していても、彼女は決して自分に屈しているのではない。

逆に限りない豊かさで受けとめてもらっている。

自分たち男は、この豊かさの前に頭をたれ、跪いて愛を乞う。

男を受けとめることで、女は限りない情愛を注いでくれているような気さえする。

自分たちが慰めているつもりだったが、いつしか、自分たちのほうがアンジェリークに癒されていたのかもしれない。

「あぁっ…やめないで…もっと…もっと…」

アンジェリークの懇願の言葉にクラヴィスは取り止めのない思考に幕を下ろす。

知らず知らずのうちに、律動の勢いが衰えていたのを済まなく思いながらも、

「ふ…もっと、どうして欲しいのだ?言えるか?」

と、さも、故意にアンジェリークを焦らしたかのように振舞った。

「もっと…奥まで、いっぱい来て…いっぱいいっぱい頂戴……さま…」

「ああ、おまえの望みなら…どんなことでも叶えてやる。おまえが喜ぶならば…」

これが誰を見ていてもいい。ジュリアスの言った通りだ。今これの求めている物を与えてやれる、与えてやれるのは自分たちだ、それがクラヴィスの悦びであり、自負だった。

「こうか?」

肩に担ぎ上げた足を、両腕で抱えこんで更に大きく股間を開かせ、もっと奥深くを抉るように突きたて、素早く力強い律動を与えた。

「あはぁっ…んんっ……」

「ふふ、気持ちいいか?」

「ああっ…いい…気持ちいいの…すごく…」

「なら、もっとよくしてやろう…」

クラヴィスは言うと同時に、渾身の力をこめて深く突き上げた。

「ああっ!」

アンジェリークが激しくかぶりをふり、自ら官能を高め様とするかのように切なげに自分の乳房をだきしめた。

ジュリアスが替りにその乳房を揉んでは、乳首を摘み上げ乳頭を指の腹で転がしてやる。

紅潮し、悩ましげに眉を顰めるアンジェリークの顔をうっとりと見下ろしながら。

「ああっ!だめ…だめ……やぁっ…」

「おまえの顔を…よく見せてくれ…声を聞かせてくれ…よく、覚えていられるように…決して忘れぬように…」

「はぁあああっ!」

アンジェリークが大きくのけぞり、体全体が小刻みに震えた。

クラヴィスが、今夜何度目かの精を放つ。

「あったかい…あったかいの…」

夢見るようにアンジェリークが呟いた。

クラヴィスは、たまらなくなってその唇をふさいだ。

「もう寒くはないか?体は暖まったのだな?」

アンジェリークはにっこりと微笑んで小さく頷いたかと思うと、そのまま目を閉じすぅっと本当の眠りに落ちてしまった。

幸せそうな笑みを桜桃のような唇に乗せて。

 

ジュリアスとクラヴィスがアンジェリークの体をきれいに清め、夜着をきせてベッドに横たえたのは、暁の星が最早その光を失いつつある頃だった。

外はまだ暗かったが、気の早い小鳥たちがかまびすしく囀りを交し合っており、ほどなく夜明けが近いことを伺わせる。

「夜があけきる前に立ち去ったほうがよかろう。人目にたつと厄介だ」

「ああ、これの立場があるからな」

ジュリアスが愛しげにアンジェリークの髪を撫でた。

いつまでも、この寝顔をみていたいという思いに駆られたが、そんなことは不可能だということもわかっていた。

後ろ髪を引かれる思いを最後の口付けで絶ちきり、2人は静かに部屋から立ち去った。

 

朝焼けが空を染めつつあるなか、2人はそれぞれの私邸にむかって黙々と歩いた。

「今日が土の曜日で幸いであった…」

ぽつりと呟いたジュリアスに、

「ああ、そうだな、おまえが執務中に船をこいだりしたら、聖地に雪がふる以上の騒ぎになるのは目にみえているからな」

クラヴィすがくっくっと笑いながら、可笑しそうに答えた。

「なっ…」

激昂しかけたジュリアスは、しかし、ふと、口の端に笑みを浮かべこう言った。

「ああ、そなたなら昼間から寝ていても、誰も何も言わぬのにな。それが当たり前なのだから、まったく難儀なことだ」

「羨ましかったら、おまえも少しは肩の力を抜くのだな。なにもかも自分で抱えこもうとするから、自分も難儀になれば、周りの者も難儀するのだ」

「私まで、そなたのように力を抜いてしまったら、執務が滞るばかりではないか、まったく…」

「アンジェリークをこき使うくらいなら、私に執務をまわせということだ」

「その言葉、わすれるなよ」

互いにふ…と笑みを交し合い、2人は何事もなかったかのように、それぞれの私邸に帰っていった。

 

オスカーの私邸の使用人たちは、休日とはいえ、いつまでも起きてこない女主人を案じていた。

オスカーが在宅の休日は夫婦揃って部屋から出てこないこともしばしばだったので、使用人も何も思わなかったが、オスカーの不在中には、休日とはいえ、女主人が朝食に降りてこないことはなかったのだ。

昨晩、疲れているから早く休むといわれ、使用人たちは早々に引き上げてしまっていた。その後女主人の容態が悪くなっていたりしたら、責任問題だと思った執事が思いきってドアを叩いた。

女主人はぐっすり眠りこんでいるだけだった。声をかけたら、後、もう少し寝かせてくれと、目が覚めたら自分から下に降りるからと、部屋から追い出された。

執事も女主人の顔色が優れないことは気付いていた。

主人が不在ゆえ、執務の絶対量が増えているのは明らかだろうから、そのせいでお疲れなのだろうとは思っていた。

ただ主人の不在中に女主人に不都合でもあったら、どれほど主人が嘆き哀しむかと思い、女主人に体をいたわってきちんと休んで欲しいと思っていた。

よく眠ることで、疲れがとれるなら、それにこしたことはない。

執事は厨房にブランチは消化のよいものにするようにと伝えに急いだ。

 

アンジェリークはなぜか体が重くてうまく動かず、起きるに起きられないでいた。

しかし、ここ数日なかったほど、ぐっすり眠れた実感があった。

ただ、昨晩の記憶が曖昧だった。

眠れないベッドを抜け出して階下に行き、オスカー愛飲の酒を飲んでからの記憶が飛んでいる。

気がついたらベッドでねていたということは、酒の所為で眠くなり、すぐ眠ってしまったのだろうか。

募る寂しさに自分で自分を慰めたような気がして頬を染めたが、あれも、ほんの少し喫した酒が見せた夢だったのだろうか。

夢と言えば…アンジェリークはおぼろな夢の断片が、記憶の片隅に残っていることに気付いた。

寂しくて自分を慰めてる時、なぜかクラヴィスがやってきて、恥ずかしいと思う間もなく抱きしめられたような気がした。

しかし、次の場面ではなぜか自分を抱いているのはジュリアスに変わっていた。

夢だから、取り止めがなくて当たり前なのだろうが、泣いていた自分を抱きしめてくれたのがなぜオスカーではなく、クラヴィスとジュリアスだったのだろう。

ああ、きっと…とアンジェリークはあることを思い出した。

昨日、クラヴィスとジュリアスの2人からそれぞれに、顔色が悪い、無理をするなと、自分の身を気遣ったいたわりの言葉を投げかけられたからだろう。

孤独に耐えきれない弱い心が駄々をこねてよく眠れずにいただけなのに、2人ともとても自分の事を心配して、優しくしてくれたから、そのことが頭のすみに残っていて、夢に見たのだろう。

『いけない、いけない、もっとしっかりしなくちゃ!お2人にご心配をおかけしちゃ申しわけないもの』

自分の心を励ましながら、なぜか、昨日までの鬱々とした気分がすっかり霧散しているような気がした。

2人の夢に、寂しさに立ち向かう活力を分け与えてもらったようにも思えた。

だが、その一方でこんなことも思った。

『でも、どうせなら、オスカー様の夢をみたかったわ。夢でもいいからオスカー様におあいしたかった…それに、寂しくて泣いてたらジュリアス様とクラヴィス様に慰めていただいたなんて、恥ずかしくて誰にも言えないもの…』

なぜだろう、その夢のことを思うと、体が熱くなる。

『やだ…なんで?』

何かに引き寄せられるように指で股間を探ると、そこは熱い滴りをあふれんばかりに湛えていた。

 

「炎の守護聖オスカー、任地よりただいま帰還いたしました」

謁見の間で、オスカーは女王の御前に跪き最敬礼の姿勢をとっている。

炎の守護聖は漸く長期の出張から聖地に戻り、女王に帰任の報告を奏上していた。

この宇宙を統べている青紫の髪をもつ麗麗しい女王のすぐ横には、金色の髪のかわいらしい補佐官が控え、その反対側には、オスカーが敬愛する誇り高き筆頭守護聖が女王を守護するように佇んでいた。

少女のような趣を持つ補佐官は、背筋をぴんと伸ばしてまっすぐにたっている。

その頬は紅潮し、唇はきゅっと硬く噛み締められたいた。

手に持っている錫杖が小刻みに震えている。

光の守護聖が補佐官の様子にちらりと視線を走らせたが、謹厳な表情に変化は現れなかった。

女王が面を上げるようにオスカーに促し、ねぎらいの言葉をかけた。

「ご苦労様でした、オスカー、炎の守護聖の視察を受けて王立軍の士気も一層上がったのではなくて?」

「もったいのうございます、陛下。軍の士気があがっているのは、比類なきお力で宇宙を統べている美しい女王陛下をお守りしたいと兵たちが心より思っている故です。陛下の御為に、一朝ことあらば兵士一同その身をなげだす所存であると、私は各惑星を回って感じ入って参りました。」

「ほほ、お上手ね、オスカー。ジュリアス、視察の報告はどうなっていますか?」

「はっ、オスカーより既に各惑星毎の駐屯軍の現状と改善を要する点に関しては、すでに視察中から順次ファイルが届けられており、現在王立研究院で解析されております。」

「そう、仕事の手際がよいこと。それなら、この報告で今日の執務は終りにしても問題は無いわね。オスカー、長期の出張でお疲れでしょうから、今日はもう私邸に帰って体をやすめなさいな。」

「いえ、そのようなお気遣いは無用に願います。炎のオスカー、それほど柔ではございませんが…」

戸惑うオスカーに女王はにっこりと微笑みかけた。

「人の厚意は素直に受け取るものですよ、それに、これは慰労でもあるのです。もちろん貴方にもだけれど、貴方の不在中、身を粉にして働いていた補佐官へのね…」

そして女王が忍び笑いを零しながら傍らの補佐官に何事かを小さな声で耳打ちすると、補佐官の顔がみるみる耳もとまで真っ赤に染まった。

「補佐官ともども、今日の執務は終りにして私邸にお帰りなさい。いいわね?」

女王が補佐官にもねぎらうような微笑みをなげかけた。

「ロザ…いえ、陛下、でも…」

「これは命令よ。アンジェリーク。ジュリアスも異存ありませんね?」

女王が筆頭守護聖に声をかけたのは、確認の為ではなく、牽制のためだった。

厳格で秩序を重んじる(だからこそ信頼の置ける)筆頭守護聖が、補佐官へあからさまな私情を滲ませた女王の決定に対して「陛下は補佐官に甘すぎます」とか「公私混同です」とか何かしら異を唱えると思ったからだ。

しかし、筆頭守護聖は

「御意」

とだけ答えると黙礼した。

少々拍子抜けした女王だったが、なにもないに越した事はないので補佐官に再度の帰宅を促した。

「ほら、ジュリアスもああ言っていることだし、今日は2人でお帰りなさいな。ね?」

「ロザ…陛下、本当にいい…」

まだ、躊躇っている補佐官の手を取って、炎の守護聖が言葉を継ぎ

「陛下、ありがとうございます。では、お言葉に甘えさせていただきます。」

というと、一礼してから補佐官の手をとり、礼を失しない程度の速度で、しかし、明かに足早に扉に向かった。

補佐官が申し訳なさそうな顔で一瞬振りかえり、女王と筆頭守護聖に目礼した。

筆頭守護聖が軽く頷くような素振りでそれに答えた。

その口元には穏やかな笑みが微かに湛えられ、紺碧の瞳には柔らかな、しかし、どこか寂しげな光が宿っていた。

補佐官の姿が扉の向こうに消えた後も、筆頭守護聖は、そこに彼の人がいるかのようにしばらく扉を見つづけていた。

 

オスカーはアンジェリークの肩を抱いて、聖殿の廊下を足早に歩いていた。

オスカーの足取りについていくのが精一杯のアンジェリークがオスカーを見上げて訊ねた。

「オスカー様、ほんとに帰っちゃってよかったんでしょうか…」

「陛下から今日の執務は終りにしていいと言質を戴いてる。ジュリアス様も異義を挟まれなかった以上問題はないだろう。そういえば、お嬢ちゃん、陛下はお嬢ちゃんに何を耳打ちされたんだ?」

「…早く2人きりになりたいでしょう?って…見透かされちゃってて恥ずかしかったです…」

「陛下は人心の掌握を心得てらっしゃる。今の一言だけで、俺の忠誠心はますます高まったな」

冗談めかした口調だったがオスカーは別のことを考えていた。

アンジェリークに甘いロザリアの決定はともかく、ジュリアスがロザリアの裁断に異義を唱えなかったのは不可解といえば不可解であった。

女王の決定を覆すようなことはなくても、ジュリアスなら苦言の一言でも呈するほうが自然に思えた。

ただ、オスカーは自分が出張中から報告書を完璧に仕上げて前もって提出しておいたせいだろうと考えた。

聖地に帰ってきてから報告書作成に追われて、アンジェリークとゆっくり過ごせないのは真っ平だと思ったオスカーは帰任前に提出を求められるであろう内容に関しては、ほぼ完璧と言っていい自信をもって予め報告書を作成して送付しておいた。

ジュリアスは、やるべきことさえやっておけば、理解のある上司だった。それは自分の私生活が放縦に流れていた時から変わらなかった。

アンジェリークが、重ねてオスカーに訊ね掛けた。

「で、でもオスカー様、こっちは執務室の方ですよ。家に帰るなら聖殿をでないと…」

オスカーは戸惑ってるアンジェリークの肩を一層固く抱きしめると

「お嬢ちゃん、俺に会いたかったか?」

と、絞り出すような声で訊ねた。

アンジェリークは一瞬びっくりしたような顔をしてから、その顔をくしゃくしゃにすると

「オスカーさま…とっても、とってもお会いたしかった…私、私…」

と、眦からじわりと涙を溢れさせかけた。

オスカーも思いつめたような声で答える。歩調は緩めぬままに。

「俺もだ、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんに会いたくて、声を聞きたくて、だきしめたくて…」

アンジェリークも畳み掛けるように言葉を返す。

「お、オスカー様…わ、わたしも、寂しくて、オスカー様に抱きしめて欲しくって、我慢しなくちゃって思ったんだけど…ちょっと泣いちゃった夜もありました…」

「俺がほしかったか?」

オスカーが歩みを止め、真摯な瞳でアンジェリークの顔を覗き込んだ。

アンジェリークは頬を真っ赤に染めながら、それでも、その言葉を否定したりはしなかった。

思いつめた瞳でオスカーに勢いよくむしゃぶりついた。

「オスカーさまぁ!オスカー様がほしかったの!ずっと、ずっとほしかったの!」

オスカーの胸にぶつかるように飛びついてきたアンジェリークの髪を撫でながら、オスカーは

「俺もだ。お嬢ちゃんが欲しくて欲しくてたまらなかった…」

と、擦れた吐息まじりの声でアンジェリークの耳に囁きかけた。

その言葉が合図となり、2人は磁石が引き寄せ合うように抱きしめあった。

アンジェリークの体は約束された場所に落ち着くように、すっぽりとオスカーの腕の中に納まる。

音をたてるような勢いで2人の唇が出会い、互いを激しくむさぼり合った。

ここが聖殿の回廊だということも2人の意識からは消え去っていた。

ひとしきり舌を絡めあい、唇を吸ってからオスカーは

「家につくまでなんて我慢できん。今すぐお嬢ちゃんが欲しいんだ。」

というや、アンジェリークの体を抱き上げて自分の執務室にまろび込む様に入っていった。

その勢いのまま寝椅子に倒れこむと、アンジェリークの体に覆い被さる。

体にぴったりしたマーメイドラインの衣装を脱がそうと気ぜわしげにファスナーに手をかける。

アンジェリークは躊躇っていた。オスカーと口付けあっていた時から、体に火がついていたのは自分も同じだったが。

「オスカー様、まだ執務時間中です…誰かきたら…」

「炎の守護聖が帰任したことを知っているのは、まだ陛下とジュリアス様だけだ。誰も執務室には来やしない。それに、お嬢ちゃん、お嬢ちゃんも俺がほしくてたまらなかったんだろう?」

オスカーが補佐官服の下から手を差し入れ、ガーターベルトの上の小さなショーツを探った。ショーツはじっとりと湿っており、布の上から秘唇の形がわかるほどだった。

「ほら、もう、こんなに俺を欲しがってるじゃないか…」

「あっ…やぁ…ん」

オスカーが緩めた補佐官服を全部脱がさぬまま、もどかしげに裾を捲り上げてアンジェリークの股間を露にした。

ガーターベルトの上のショーツだけを引きむしるように脱がせる。小さな下着を脱がす時、最早蜜が糸を引いていた。

オスカーが自分も素早くスラックスのジッパーを下ろすと、極限までいきり立った物が悠々と天を突いて現れた。

「すまない…俺も、今は、優しくしてやれそうにない…」

アンジェリークが弾かれたように答えた。あなたが欲しい、早くひとつになりたい、その気持ちは寸分違わず一緒だった。

「いいの!優しくなんてしなくていいの!すぐ来て!オスカー様!」

アンジェリークの言葉が終るか終らぬうちに、オスカーの雄渾のものが激しい勢いでもってアンジェリークを一杯に満たした。

「あああっ!オスカーさま!オスカーさまぁっ!」

いきなり貫かれたアンジェリークが熱にうかされたように、オスカーの名を呼ぶ。

真紅の髪に指をうずめてオスカーの体をもっと側へと抱き寄せようとする。

なんの愛撫をしていなくても、アンジェリークのそこは潤み切っていた。

その助けをかりてオスカーは力強い注挿を繰返す。

「アンジェリーク…俺のアンジェリーク…」

「オスカー様、寂しかったの!だから…だから…」

「ああ、いっぱいやる、お嬢ちゃんに俺をいっぱいやるからな…」

「うれしいっ!オスカー様、いっぱい頂戴!私をオスカー様で一杯にして!」

言葉で答える替りにオスカーはアンジェリークの最奥を力強く抉った。

「あああっ!」

アンジェリークの目許がほんのりと紅潮し、花びらのような唇がオスカーを誘うようにうっすらと開く。

「ああ、お嬢ちゃんのこの顔がみたかったんだ…お嬢ちゃんは本当になんてきれいなんだ…」

アンジェリークを貫きながら、オスカーはちょっと会わない間にアンジェリークが一際あでやかになったような気がして、心から見惚れた。

以前から、愛らしく可憐だった妻は、かわいらしさの中にはっとするような艶を見せるようになっており、自分に貫かれてのたうつ肢体の妖しい美しさは、まさに艶冶というにふさわしい物だった。

一人思いを馳せる時間の長さが、アンジェリークに愁いを覚えさせ、それがこの大人びた艶を醸し出したのだろうか。

肌を合わせればあわせるほどに、艶を増すアンジェリークに酔い痴れ、その魅力に絡めとられるような気がする。

『お嬢ちゃん…お嬢ちゃんを抱いた男は絶対お嬢ちゃんを忘れられなくなる…この俺ですら、お嬢ちゃん以外の女をもう抱く気もおきん』

出張の間、機会は無数にあったがオスカーは一度も刹那的な欲望を他の女で満たすことはなかった。

砂を噛むような虚しい行為に勤しむくらいなら、アンジェリークの熱い柔肌を思って自分で慰めるほうが余程ましだと思った。

アンジェリークも、もしや自分を思って、指で己の花を慰めたりしたのだろうか。そんな行為を覚えたことが、アンジェリークにえもいわれぬ艶を添えさせたのではないだろうか。

その光景を思いうかべオスカーは思わず爆ぜそうになり慌てて自分を引き絞った。

オスカーは絶頂に向かい収斂して行く官能を感じながら、この考えを後でアンジェリークに問いただしてみようと心に決めていた。

きっと、自分の想像は的を射ているにちがいないと、心中でほくそえみながら。

 

軽いノックの音とともに、

「はいるぞ。」

という落ちついたしめやかな声が聞こえた。

「私はまだ入っていいとは言っていないぞ。」

プリントアウトされた書類から顔を上げずにジュリアスは答える。

声の主が誰かは、顔を見なくてもわかった。

「やはりまだいたか。執務が左様に残っているのならアンジェリークを帰さなければよかっただろうに…」

「なぜ、アンジェリークが先に帰ったと知っている。」

「あの2人が聖殿の廊下を思いつめた様子で気ぜわしげに歩いていたからな。周りの様子などまったく目に入っておらず、それでいてただ事ならぬ血相だったから、なにも知らない者がみたら心中の道行きとでも思いかねん風情だったぞ。」

「まったく何年も会えなかったわけでもあるまいに…」

ここでジュリアスは漸く顔をあげて、客人と視線を合わせた。

「私は陛下の御意に従ったまでだ。あれを早く帰してやれと仰せだったのでな。そなたはそんなことをわざわざ言いに来たのか?私は忙しいのだ。用がないなら帰ってくれ。」

「それほど執務に没頭して気を紛らわせないではいられないのなら、せめて執務時間中くらい側に留め置いてもよかったのではないか?おまえが正論を呈すれば陛下もごりおしはできなかったと思うが…」

「な…!」

何を馬鹿なことを!陛下の意に異を唱えるなど、と言おうとして踏みとどまり、ジュリアスは大きく吐息をつくと諦めた様に言葉を発した。

「そなたはオスカーを目の前にしたあれの様子を見ていないから、そんな事が言えるのだ。頬を真っ赤に染めて、体中を小刻みに震わせて…声をだすまいと唇を必死に噛んでいた。オスカーの元にかけよりたい、オスカーの名をよびたいと全身からその思いが見える様なのに、当たり前だが補佐官として女王の御前でそんなことはできぬから、あらん限りの精神力で必死にそれを押さえていた。されば、女王があれを帰してやれとおっしゃった。それならば、是非もない。異義を差し挟むこともあるまいと思っただけだ。」

「だが、そこまであからさまにオスカーのことで頭が一杯の様子を見せられたのがたまらずに、執務に逃避しているというわけか。」

「そなたは何がいいたいのだ。」

流石に語尾に怒気が孕んでいた。クラヴィスが自分をからかいに来たのかとさえ思った。

「見せつけられて思い知らされたのはおまえだけではない、と言いたかっただけだ。わかってはいても、やはり、改めて思い知らされると、まだ、胸が痛む…」

「クラヴィス…」

「おまえも同じであろう?その痛みに目を瞑り執務で紛らわそうとしても、心は晴れぬぞ。」

「私にどうしろというのだ…」

クラヴィスが懐から一本の酒瓶を取り出した。

「カティス秘蔵の銘酒だ。同じ痛みをわかつもの同士酌み交わそうと思ってな。」

「私は執務が…」

「今更取り繕うな。今日中に終らせなければならない仕事でもあるまい。それともおまえの片腕はそれほど後始末の必要な報告をよこしたのか?」

ジュリアスが諦めた様に大きな吐息をついて、執務机から立ちあがった。

「まったく…そなたと杯を酌み交わす日がくるとは思いもよらなかったぞ。悪酔いしなければよいが…」

言葉と裏腹にジュリアスは続きの間に消えると、ほどなくして金属製のゴブレットを2つ携えて戻ってきた。

クラヴィスがその間に栓をあけていた。

「カティスの酒で悪酔いなどするわけがなかろう。それにおまえにもわかっているのだろう?今宵のわれらほど、酒を酌み交わすのに相応しい相手はおらぬことを…」

とくとくと小気味よい音をたてて酒が継がれる。

ジュリアスにもわかっていた。

このやるせなさも、この寂しさも、それでいて一抹の満足感を感じていることも、この無い混ぜの感情を理解できるのは同じ立場と想いを共有した目の前の男だけだということを。

きんと済んだ音をたてて、グラスがあわされた。

これは自分たちの恋に終止符を打った音。

涼やかな音を耳にし、芳醇な香りに鼻腔をくすぐられながら、ジュリアスはそんなことを思った。

FIN


 この話はななせ様の『ぷち・えんじぇる』の裏掲示板が切っ掛けでできました。ななせ様はご自分でカスタマイズされたオスカー様&アンジェドールをサイトで公開なさってますが、このオスカー様ドールが諸事情でななせ様の手元を離れてた期間がありまして、それを知った私は「オスカー様は長期出張中ですね。孤閨をかこつアンジェを慰めに私だったら闇&光様を送りこむわ〜」というふざけたかきこを、ななせ様の掲示板にかきこんだのです。そうしたら、それを読んだ当時の常連様が(しかもななせ様も含む)「この妄想の育成をお願いします!ハート8個で!」(笑)とレスを返されたのです。
 でも、おふざけの掲示板はともかく、このシチュエーションを創作にするには無理がありすぎると思った私は創作の依頼を「無理です〜無理です〜」とずっと断りつづけてたのです。業を煮やしたななせ様は闇&アンジェ&光様の三人が絡んでるお人形の画像を撮って(もちろんぬうど)私に送ってくださいました。この画像がもう、すごかったのなのって…今思い出しても鼻血がでます。しかもこの画像は全体にモザイクがかかっていて見えそうで見えない…メールには「ちゃんとしたのはお話が書きあがってから送りますねv」というコメントがそえられており、鼻先に人参をぶら下げられた私は、思わず「かきます、かかせていただきます!」と後先考えずお返事してしまったのでした(爆)←餌に弱い事実が露呈(笑)
 しかし、私はうーむと考えこみました。出張中のオスカーの妻であるアンジェを闇&光が抱く。うちのアンジェはオスカー様一筋だから合意のわけないし、かといって無理やり凌辱というのは私の闇&光様観に合致しません。私はアダルト創作でも、いくらなんでもこりゃ嘘だ!というものや、キャラの個性や性格を無視したものは書けないし、書きたくない。しかも、アンジェに責任はなくても2人に抱かれたらアンジェはそれを心の負い目として苦しむでしょう。アンジェらぶの私はこれもよしとできなかった。
 でもって、苦肉の策で考え出したのが、今回の話です。闇のサクリアで意識を失わせた上での儚い一夜の夢。お題だけみると、不倫で3Pで昏睡強姦(爆)にも関わらず、燃え燃え度が低いのは私なりに話に整合性をつけるため、屁理屈をこねまわしているからです(爆)
 さて、どうにかこうにか書き上げたこの話に、ななせ様は約束通り、ストーリーに添ったすばらしい画像を新たに撮りおろしてくださいましたのですが、ただいま、↑の画像は、ななせ様の裏サイトが工事中のため、残念ながら閲覧できません。ですが、ななせ様の「ぷち・えんじぇる」には私のイマジネーションをこれでもかーっと刺激してくれた超かっこいいオスカー様ドールとめちゃくちゃらぶりーなアンジェドールが掲載されていますので、よろしければ、是非、ご覧になってみてくださいね。
ななせ様のサイトはこちら↓

http://homepage1.nifty.com/Petit-Angel/index.htm
 


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