注:この話は拙作「BITTER SWEET NEW YEAR 1」の幕間のお話ですので、
先に、前述の作品をお読みすることをお薦めいたします。そうしないと、背景がわかりません(笑)
馬車の中でアンジェリークはオスカーの膝に乗せられ、ふっくらとした唇をオスカーに貪られていた。
オスカーの舌はアンジェリークの口の奥深くまで入りこみ、アンジェリークの口腔内の全てを味わいつくさんとするかのようだ。
歯列をなぞり、上顎を探り、舌を自在に絡ませてアンジェリークの唇を吸う。
オスカーの深いキスにアンジェリークの頭はたちまち白い霞がかかったようになる。
オスカーに教えられるまで、アンジェリークは大人のキスを知らなかった。
キスとは唇を軽く触れ合わせることだとばかり思っていた。
だから、初めてオスカーの舌が自分の口に入って来たときは、びっくりしてオスカーの舌を噛みそうになってしまったものだ。
最初はオスカーの舌に口腔を探られるのが恥ずかしくて、なんとか舌を逃そうとしていたが、いつもすぐに舌を絡め取られてしまった。
そのうち、オスカーに舌を吸われると頭がぼぅっとして、体の中心が熱く疼きだすようになった。
今のように、自分も見よう見真似でオスカーの口に自分から舌をさし入れ唇を吸うこともあるが
自分からしかけたキスなど、オスカーから見れば児戯に等しいものだろう。
それでもオスカーは悦んで応えてくれる。
しかし、オスカーに本気で応えられると、アンジェリークの意識は即座に白濁してしまう。
だから、今日も馬車が私邸に到着して、御者が馬車の扉を開けた事に、アンジェリークは全く気付かなかった。
オスカーは当然気付いていたが、アンジェリークがしてくれたキスを自分から中断する気などオスカーにはさらさらない。
しばらく御者は待っていたが、二人が馬車から降りる気配が無いので、仕方なく軽い咳払いをした。
「ん・・きゃっ!」
アンジェリークが馬車がとうに屋敷につき、しかも扉があけられていたことにようやく気付いた。
あわてて、オスカーの膝から降りようとするが、オスカーはアンジェリークをしっかり抱いていてそれを許さない。
御者は目のやり場に困って、うつむいてしまっている。
「ああ、家に着いたようだな。」
オスカーは涼しい顔でアンジェリークを膝からおろし、アンジェリークとともに馬車から降りた。
アンジェリークの顔は真っ赤だ。
正面玄関までのアプローチを歩く間、オスカーはアンジェリークの肩に腕をまわし、下を向いてしまっているアンジェリークの顔を
自分の方に向けさせ、また口付けた。
「んんっ・・んむぅ・・」
アンジェリークが抵抗するが、構わず、口付けたまま歩きつづける。
玄関で執事がドアを開けて主人の帰りを待っていたが、やはりキスは止めずに玄関の扉をくぐる。
玄関ホールに入ったところで、ようやくアンジェリークから唇を離すと、ドアを閉めている執事に向かって
「夕飯はとりあえず、いい。俺が呼ぶまで誰も部屋に来ないように」
とだけ、言い放つと、アンジェリークを抱きかかえるようにして夫婦の部屋に引っ込んでしまった。
夫婦の部屋まで来て、ようやくアンジェリークはオスカーに抗議をすることができた。
「もう、オスカーさまったら、人前で恥ずかしいじゃないですか!」
オスカーはアンジェリークの抗議など全く意に介さず
「あれはお嬢ちゃんからしてくれたプレゼントのキスだろう?俺が満足するまでもらう権利があると思うんだが・・
それにあんなことぐらいで驚いていたら、うちの使用人は勤まらない。」
とニヤニヤして応える。
実際、この館の使用人たちは主人と奥方のあつあつぶりに、とっくに慣れっこになっており、
そう言うときはちゃんと見て見ぬふりをすることが習い性になっている。
だから、先ほどのようにオスカーが注意を促さなくとも、夫婦が二人で部屋にいるときは、オスカーからの呼び出しがない限り
決して夫婦の部屋に近づかないことが不文律となっていた。
「大体、使用人の前で、俺がお嬢ちゃんにしてることなんてキス止まりじゃないか。決してそれ以上のことはしたくても、してないぜ。
この俺の忍耐力こそ誉められてしかるべきじゃないのか?」
オスカーが更に自分の正当化にはしる。
しかも、なお悪いことに、口調からオスカーがかなり本気でこう思っていることがアンジェリークには解った。
アンジェリークは、はあぁ〜と大きなため息をついた。抗議がまったく無駄なことを思い知らされたのだ。
仕方なく、アンジェリークはオスカーに向直って、もうひとつ気になっていることを訊ねた。
「でも、オスカー様、お夕飯どうするんですか?先にお部屋に来ちゃって・・」
すると、オスカーは
「だって、お嬢ちゃんが言ったんだぜ?キスだけでいいのかって。しかも続きは屋敷に帰ってからともいったよな。
さあ、キス以外に俺に何をしてくれるんだ?」
と、更にニヤニヤ笑って、逆にアンジェリークに詰め寄った。
アンジェリークは面食らった。
正直言って、屋敷に帰ってすぐ、このことを持ち出されるとは思っていなかったのだ。
ちょっとした茶目っ気でオスカーを誘ったものの、夜の寝室で自分からオスカーに多少愛撫をすればいいだろうくらいに思っていた。
具体的にしかも今すぐ何かをするなんて、アンジェリークは考えてもいなかったのだ。
しかし、自分から言い出したことである以上、オスカーに何も考えて無かったとは言いにくい。
オスカーが思いきり期待している姿を見ればなおさらだ。
アンジェリークは一生懸命考えた。
『う〜、オスカー様が喜ぶといったら、絶対あっち方面のことだけど、帰ってきたばかりでお風呂にも入ってないし・・ん?お風呂・・そうだ!』
「オスカー様、一緒にお風呂に入りましょう!」
アンジェリークの言葉にオスカーの眉がぴくりと動いた。
「風呂?それはいいが、風呂ならたまに一緒に入ってるじゃないか・・俺が隅から隅までお嬢ちゃんを洗ってやってるだろう?」
もちろん、その時は洗うだけでは済まないので、ゆっくり髪を洗いたいときなどはアンジェリークはオスカーと一緒に入るのを断ることにしていた。
アンジェリークはオスカーの言葉に赤くなりながら、
「・・だから、いつも私ばかりオスカー様に洗っていただいてるから、今日は私がオスカー様を洗って差し上げます!」
と、思いきって一息に言いきった。
「ほう・・」
オスカーが顎に手をあてて、軽く唇を綻ばせた。どうやらアンジェリークの提案がお気に召したようだ。
アンジェリークはほっとした。
「じゃ、早速風呂に入るとするかお嬢ちゃん」
オスカーはこう言うと、自分のマントと甲冑を手早くはずし始めた。
「あ、じゃ、私お湯を張ってきます」
アンジェリークがパタパタと続きのバスルームに入っていき、お湯のコックを捻ったようだ。
どーどーと威勢のいい水音が聞こえる。
お湯を張ってアンジェリークが戻って来たとき、オスカーは手甲と長靴をはずし終わり黒のアンダーウェアになったところだった。
「お嬢ちゃんは俺が脱がしてやろう」
オスカーはアンジェリークの後ろに回りこみ、補佐官服のファスナーを降ろそうとした。
「やぁん、恥ずかしいからいいです〜。自分で脱げます〜。」とアンジェリークが逃げようとする。
俺を風呂で洗うほうがよっぽど恥ずかしいんじゃないかとオスカーは思ったが、
そんなことを言い出してアンジェリークに前言撤回される愚は犯したくなかったので、敢えてそのことは口に出さず、
「お嬢ちゃんを脱がすのも俺の楽しみのひとつなんだぜ。」
とだけいうと、さっさとファスナーを降ろし、ついでにブラのホックもはずしてしまった。
手馴れてるだけあって、あきれるほど手際がいい。
そのまま、肩を露に補佐官服を脱がせ、アンジェリークが服から脚を抜き取るときに、ついでにショーツと靴下も脱がせてしまった。
アンジェリークはあっというまに生まれたままの姿にさせられた。
はずかしそうに、胸を押さえるが、豊かな胸はアンジェリークの細い腕では隠しようが無く、薄紅色の先端がうでの間から見え隠れしている。
隠すことが却ってオスカーの情欲に油を注いでいることに、アンジェリークは気付いていない。
「また、私だけ先に裸にしちゃって〜。オスカー様ずるいです」
軽く口を尖らせて、拗ねたように抗議する顔もかわいいなと、オスカーの口元が綻ぶ。
こんなかわいい顔をするから、つい、いじめたくなってしまうんだ、ともオスカーは思う。
「ずるいというのなら、お嬢ちゃんも俺を脱がせればいいじゃないか。それであいこだろう?さあ脱がせてくれ。」
『うっ・・』一瞬アンジェリークはしまったと思ったが後の祭だった。
仕方なく胸を隠していた手をほどき、オスカーのシャツに手をかけると、オスカーの手が乳房に伸びてきた。
大きな掌でやんわりとふくらみを包みこみ、そのまま、優しく揉みはじめた。
「やんっ、そんなことしたら、脱がせられません〜」アンジェリークが身をよじる。
「嫌だったら、早く俺の服を脱がせればいい」
オスカーは手の動きをとめるどころか、存在を主張し始めた先端部分を指でくりくりと摘みあげ始めた。
「あんっ、やっ・・」
アンジェリークの体がびくりとしなる。手が震えてオスカーのシャツがうまく脱がせられない。
ようやく、シャツを脱がし終え、スラックスに手をかけるため少し前かがみになるが、
オスカーの手もしっかり乳房についてきて、乳首をつまんだり引っ張ったりしている。
乳首はもうすっかり固く立ちあがっている。心なしか、体全体もうっすらと色味を増したようだ。
「ほら、早く脱がせないから、もうここがこんなに固くなっちまったぜ」
オスカーが楽しそうに、アンジェリークに話しかけた。もちろん指の動きは止めない。
「あん、もう・・オスカー様のせいなのに・・」
アンジェリークがスラックスのホックを震える手で懸命にはずそうとする。
なんとか、ホックをはずし、ジッパーもおろして、スラックスを脱がすと、オスカーが下着一枚の姿になった
下着の中でオスカーのものが、もはや、存在を声高に主張している。
「あの・・これも脱がすんですか・・」
アンジェリークが上目遣いにおそるおそるオスカーに尋ねた。
「当たり前だ、お嬢ちゃん。それともお嬢ちゃんはパンツをはいたまま、風呂に入るのか?」
オスカーは当然だという態度で、答える。
「・・う〜、わかりました」
アンジェリークは観念して、オスカーの下着を一気に脱がせた。
オスカーのものが半立ちの状態でまろびでた。
あまりまじまじ見てはいけないような気がして、アンジェリークはさっと体を離して、服をかたずけた。
「やっと、おわったか。さ、風呂にはいろう。お嬢ちゃん、俺を洗ってくれるんだろう?」
オスカーがニヤニヤして、アンジェリークを促した。
オスカーの服を脱がすだけでも、アンジェリークの精神はかなり消耗してしまった。
しかも、やっと、一仕事終えたものの、本番はこれからである。
『もしかして、私、とんでもないこと言っちゃったのかも・・』
背中を流すくらいの軽い気持ちでいったのだが、これでは何を要求されるか、わかったものではない。
アンジェリークの頭を後悔の二文字が横切って行った。
オスカー邸の夫婦の寝室に付随している浴室は、非常にゆったりと空間がとられ、贅沢かつ豪奢な作りとなっていた。
オスカーが一人で住んでいた頃は、シンプルなバスルームでも用は足りていたのだが、
アンジェリークを屋敷に迎えるにあたり、オスカーは夫婦の寝室と定めた部屋の続きに、広い浴室を新たに作らせた。
もちろん、アンジェリークと一緒に入ることが目的だったので、
浴槽も洗い場もおとな二人が入ってまだゆとりがあるほどに空間を充分にとってある。
浴室全体はやわらかな間接照明の光で満たされており、浴室の壁面には湯気で曇らないよう裏側に電極を張り巡らせた大きな鏡が掛けられていた
オスカーはアンジェリークとともに温かい湯に体を浸した。湯のぬくもりに心も体もほぐれて行く。
アンジェリークを膝の上にのせてから、自分の正面を向かせ、優しくその背を抱きしめた。
アンジェリークの豊かな乳房がオスカーの胸板に柔らかく押しつけられる。
その感触を楽しみながら、オスカーはアンジェリークに口付ける。
オスカーが舌をさしこもうとすると、アンジェリークが唇を慌てて離した。
「どうした?お嬢ちゃん?」オスカーが訝しがる。
「今はふ・・深いキスはだめです。頭がぼうっとなっちゃうから・・そうしたら、オスカー様を洗えなくなっちゃう・・」
一緒に入浴すると、まずキスされる。
オスカーのキスに翻弄されるうちに、オスカーの手が全身を這い回り、いつのまにか体をくまなく洗われ、
シャワーで石鹸を流される頃には、自分の体もすっかり熱く蕩けて、そのまま浴槽で挿入されてしまい、高みに連れ去られる。
オスカーと入浴するときには大体このパターンが確立してしまっていたので、
今回この流れにのせられてしまうと、オスカーを洗うまえに、自分の足腰が立たなくなってしまう恐れがあった。
オスカーのキスの威力をアンジェリークは身をもって知っているので、警戒してオスカーを押し止めようとしたのだが
アンジェリークは、オスカーの性格をちょっと見誤っていた。
「俺にキスされると、頭がぼうっとしちゃうのか?」嬉しそうにオスカーがいう。
そんなことは先刻承知のオスカーであったが、
アンジェリークにだめといわれたことを、余計にアンジェリークにしたくなるという困った性癖がオスカーにはあった。
もちろん、アンジェリークが本気で嫌がる事や、痛みを与えるようなことは決してしない。
ただ、アンジェリークがだめというのは、決して嫌ということではないのだということをオスカーはよく知っている。
だめと、嫌は、全く違うものなのだ。
そして、だめということはつまり、それが弱点だと自ら告白しているようなものであり、オスカーがそれを見逃す筈が無かった。
『お嬢ちゃんはだめって言うことが、余計に俺を誘っていることに気付いていないのか・・』
オスカーはそう思ったが、アンジェリークに誘われるのは自分にとって心弾むことなので敢えて口にはださない。
その代わり、
「そいつは、いいことを聞いた」
とだけいうと、アンジェリークにもう一度口付け、強引に舌を差しいれて、逃げようとするアンジェリークの舌を絡め取った。
「んんっ・・んむむぅ・・ん」
アンジェリークが必死に腕を突っ張って、オスカーから唇を離そうとするが、オスカーの力に敵うはずも無く、
固くこわばった腕が力無く下に落ちるまで、思う存分オスカーに口腔を蹂躙されてしまった。
アンジェリークの体から力が抜けたのを見たオスカーはようやくアンジェリークの唇を開放し、
「安心しろ、お嬢ちゃん、今はこれ以上何もしない。俺だってお嬢ちゃんに洗ってもらうのは楽しみなんだからな」
といって、浴槽から立ちあがると、もう、肩で息をしているアンジェリークに手を差し伸べ、アンジェリークも浴槽から出させた。
洗い場は浴槽から立ち上る湯気が充満し、ほかほかと暖かい。
オスカーは洗い場の椅子に腰掛けると、アンジェリークが自分を洗ってくれるのを待った。
アンジェリークはウォッシュクロスに石鹸を泡立て、オスカーの背中をこすろうとすると、オスカーがそれを押し止めた。
「おっと、待ったお嬢ちゃん。俺がお嬢ちゃんを洗ってやるとき、そんなものを使ったか?俺は何でお嬢ちゃんを洗ってやってたっけ?」
「・・・・オスカー様の掌・・・」
「そうだ。ならお嬢ちゃんもそうしてくれるよな?そんな目の粗い布でごしごしやられたら、俺の肌に傷がついちゃうだろ?」
『絶対うそ・・』
アンジェリークは思ったが、何か言ってもうまく言いくるめられそうなのが、目に見えていたので
仕方なく自分の掌に石鹸を泡立てなおし、オスカーの背中を手で洗い始めた。
アンジェリークの小さな手が、背中を撫でさする感触にオスカーはこそばゆいような感覚を覚えるが、それは決して不快なものではなく
むしろ、いつまでも、この小さな手で背中を撫でていてもらいたいとさえ思ってしまう。
ときたま背中にあたる、まろやかな乳房の感触も心地よい。
一方アンジェリークのほうはというと・・・
オスカーの背中はとても大きい。
オスカーの背中に縋りつくのがアンジェリークは大好きだったが、今はこの大きさが恨めしかった。
オスカーは、身長は約30cm高く、体重でアンジェリークの約二倍、当然表面積もそのくらい差があるだろう。
しかもアンジェリークの手は小さい。オスカーの半分くらいだ。
オスカーがアンジェリークの体を手で洗うのと、アンジェリークがオスカーの体を洗うのとでは
単純計算でもアンジェリークの労力はオスカーの4倍と言うことになる。
一生懸命手を動かしているのに、まだオスカーの背中の半分も洗い終わらない。
「ふぇ〜ん。オスカー様の背中大きすぎて、いくら洗ってもおわりませ〜ん」
アンジェリークが思わず泣き言をいうと、オスカーは
「じゃ、仕方ないな。背中はいいから、前を洗ってくれ。もちろんお嬢ちゃんのかわいいおててでな?」
とにやりと笑った。
アンジェリークはまたもや、自分が墓穴を掘ったことに気付いた。
アンジェリークはあきらめたように、オスカーの前に回って膝だちになり、もう一度手に石鹸を泡立て、オスカーの首に手を置いた。
手をくるくるまわして首から厚い胸板へと、石鹸の泡を塗り広げていく。
オスカーの逞しい胸板をみていると、その下に組み敷かれている自分を思い出して、思わず赤面してしまう。
『やだ、私、何考えてるのかしら・・』
こんな考えに気を取られているうちに、アンジェリークの手がオスカーの胸の突起にたどり着いた。
石鹸をあわ立てなおし、今まで以上に優しく、触れるか触れないかといった力加減で薄茶色の突起とその周りを洗う。
アンジェリークの掌が突起に触れると、その部分が若干固くなって立ちあがるような気がする。
この前の旅行のときは、自分がいつもされていることを、見よう見真似でしただけで、
オスカーがほんとに気持ちいいのか、乳首に関してはアンジェリークはちゃんと確認していなかったことを思い出した。
そこで、
「オスカーさまぁ、男の人もここさわられると、やっぱり気持ちいいんですか?」
と、アンジェリークは小さな指先でオスカーの乳首をくりくりと弄繰り回しながらオスカーに訊ねた。
石鹸で滑らかになった指先に乳首をなぶられ、オスカーは思わずうめき声をあげそうになった。
『この俺に声をあげさせそうになるとは・・しかも無意識と言うところが油断ならないぜ、お嬢ちゃん』
オスカーは一瞬こんなことを思ったが、努めて冷静を装って答えた。
「ああ、お嬢ちゃんが触られて気持ちいいところは、程度の差こそあれ、男だって気持ちいいんだぜ。元は同じ器官なんだからな。」
「ふ〜ん、やっぱりそうなんですか・・じゃ、私がこんな風に触ったら、オスカー様、気持ちいい?」
アンジェリークはこういうと、小さな指の腹で、オスカーの乳首の先端部分を円を描くようにすりあげはじめた。
いつも自分がされると乱れてしまうことをオスカーに試して見たくなったのだ。
オスカーの眉が微かに顰められる。
「・・ああ、気持ちいいぜ、お嬢ちゃんもこうされると、気持ちいいだろう?それと同じさ」
幾分かすれぎみの声で答えると、オスカーは自分もアンジェリークの乳房に手を伸ばし、薄紅色の先端を指の腹でさすった。
「あんっ・・」
アンジェリークのからだがぴくんと跳ねた。
「やん、オスカー様、だめ・・そこは・・」
「お嬢ちゃんが気持ちよくしてくれたお返しだ」
「んっ・・お返しは私がしてるんだから、オスカー様はしてくれなくていいんです〜。」
「ああ、俺のことはかまわず、お嬢ちゃんは俺を洗ってくれてていいんだぜ」
オスカーはアンジェリークの訴えを全く無視して、アンジェリークの乳首を指の腹で転がすように愛撫を続けた。
こうでもして、アンジェリークの注意をそらさないと、オスカーはアンジェリークの愛撫にいつ自分が声をあげてしまうか解らなかったのだ。
女性からの愛撫に声をあげてしまうなんて、童貞じゃあるまいし、百戦錬磨といわれた自分のプライドが許さなかった。
オスカーを洗う約束がある手前、アンジェリークも逃げるわけにも行かず、オスカーにされるがまま乳首を嬲られていた。
胸の先端から全身を駆け巡る快感に必死に耐え、オスカーに言われた通り、体を洗うことに専念しようとするが
吐息は次第に荒くせわしなくなっていき、手は落ち着き無くオスカーの体をさまよう。
体全体がほんのりとピンクに染まり、勝手に動いてしまいそうな腰をなんとか残った意志の力でどうにか押さえこんでいた。
アンジェリークはそれでも一生懸命オスカーを洗おうと、手をオスカーの腹部に伸ばして行った。
引き締まった腹筋のそこここを小さな手が撫でさする。
臍のあたりまで石鹸を塗り終わったとき、伸ばした手の先にオスカーのものの先端が触れ、アンジェリークの心臓がどくんと高鳴る
オスカーのものは隆々とそびえたち、その存在を誇示しているかのようだ。
その逞しさにアンジェリークは目が離せなくなってしまった。
そして、引き寄せられるように、そっと手を伸ばし、両手でオスカーのものをやんわりと包みこむと、
石鹸で滑らかになった手でオスカーのものを根元のほうからしごくようにこすりあげた。
「うっ・・」
カリの部分をこすられ、オスカーがたまらずに、うめき声をあげた。アンジェリークの乳房を嬲る手が一瞬とまる。
オスカーはアンジェリークが自分から手を伸ばしてくるとは予想していなかった。
恐らく自分のものに触れることをためらうであろうアンジェリークの手を導いて愛撫させる気でいた。
ところがアンジェリークに不意を突かれて、オスカーは思わず声をあげてしまった。
その声にアンジェリークはオスカーの顔を見上げた。
オスカーの眉が苦しげに顰められ、その瞳はまぶしいものでも見るかのように細められている。
「オスカー様、気持ちいいの?」
「・・ああ、お嬢ちゃんのかわいいお手てがあんまり気持ちよくって、思わず声が出ちまった・・」
アンジェリークの愛撫にもう声をあげてしまったのは隠し様のない事実だ。
ここまで来たら、変なプライドは快楽を高めることへの邪魔になることに気付いて、オスカーは率直にアンジェリークに打ち明けた。
アンジェリークの身中を今まで味わったことの無いぞくぞくするような感覚が走りぬけた。
『もっともっとオスカー様を気持ちよくして差し上げたい・・』
そう思ってアンジェリークは小さな手を懸命に上下させ、オスカーのものを滑らかな手で柔らかくこすりあげた。
つやつやとした先端とカリの部分は特に念入りに掌で円を描くように撫でさする。
オスカーのものを愛撫しながら、アンジェリークは上目使いにオスカーを見やり、
「オスカー様、気持ちいい?気持ちよかったら、そうおっしゃって・・」
と、甘えるようにオスカーに訊ねた。
オスカーは片手で乳房を揉みながら、もう片方の手でアンジェリークの髪を優しく撫でると、
「ああ、とっても上手だ、お嬢ちゃん。お嬢ちゃんの手でイッちまわないよう、我慢するのが大変だ・・」
と、答えた。その声は幾分上ずって聞こえた。
「そうしてくださっても構わないのに・・」
アンジェリークが愛撫の手を休めずにうっすらと微笑むと、オスカーは優しく答えた。
「だめだ、俺はイくのはお嬢ちゃんの中と決めてるんだからな。わかるか?お嬢ちゃん。これがお嬢ちゃんの中に入るんだ・・」
アンジェリークはオスカーのこの言葉を聞いて、苦しいほど胸が高鳴った。
『そうだわ・・こんな大きくて固いものがいつも私の中に入ってくるんだわ・・今日も、これからきっと・・』
自分が今愛撫しているこの逞しいものにこれから貫かれ、あの目もくらむような悦びを与えられるのかと思うと
アンジェリークは体の中心がどうしようもなく熱く疼いてくるのが押さえられなかった。
「オスカー様、私・・私・・」
潤んだ瞳でオスカーを見上げる。多分自分の秘裂はもうしとどに蜜を溢れさせているのだろうと、アンジェリークは思う。
「なんだ、想像したら我慢できなくなっちまったのか?」
オスカーが優しく、そして嬉しそうにアンジェリークにいう。本当の事なのでアンジェリークは何も言えず黙ってしまう。
「まだ、俺はろくに愛撫もしてないのにな・・どれ」
オスカーがアンジェリークの股間に手を伸ばし秘唇をなで上げた。
そこは、案の定、水とも石鹸とも違うぬるぬるとした液体で溢れかえっていた。
「あぁ・・」
オスカーが秘唇を軽くなで上げただけで、一瞬アンジェリークは気をやりそうになってしまう。
それほど情感はたかまり、押さえがきかなくなっていた。
「・・まるで洪水だな・・本当に我慢できないみたいだな、お嬢ちゃん、今すぐ欲しいか?」
オスカーが指についたアンジェリークの愛液をぺろりと舐めると、こう聞いた。
「・・オスカー様さえよろしければ・・」
耳まで真っ赤になって、でも、緑の瞳を欲情に濡らし、アンジェリークはオスカーにやっとのことでこれだけ言うと俯いてしまった。
オスカーはふっと笑うと、こう言った。
「すぐ我慢できなくなっちまって、しょうがないお嬢ちゃんだな。もうちょっと俺もいろいろしてやりたいところだが・・
夜はまだこれからだしな・・とりあえず、体を流してくれ、お嬢ちゃん」
アンジェリークは黙ってオスカーにシャワーを浴びせ、自分がオスカーに塗った石鹸を洗い流した。
あらかたきれいになると、オスカーはアンジェリークの手をとり、自分の方に引き寄せて優しく囁きかけた。
「さ、おいで、お嬢ちゃん」
自分は椅子に座ったままアンジェリークを後ろ向きにして、背中から抱き寄せる。
そして、アンジェリークの膝をかかえて大きく開かせ、そそり立つ自分のものの上に、ゆっくり腰を落とさせた。
潤みきった秘裂にオスカーのものがするりと飲み込まれて行く。
「ああぁ・・」
オスカーのものを根元まで収めきると、アンジェリークは体を少しのけぞらせて、オスカーに寄りかかるような姿勢になり
うっとりとした表情で満足げな声をあげた。
オスカーがアンジェリークを膝にのせて貫いたまま、少し体の向きを変え、アンジェリークに声をかけた。
「ほら、お嬢ちゃん良く見てみろ」
アンジェリークが目をあけると、浴室の大きな鏡にオスカーに膝を大きく広げられ、中心を深深と貫かれている自分の姿が映っていた。
「いやあっ」
アンジェリークが自分の淫らな姿に耐え切れずに顔を背け、目をつぶる。
「だめだ、お嬢ちゃん、ちゃんと目を開けて見るんだ。自分がいまどんな格好をしているか・・」
オスカーがやさしく、しかし、きっぱりとアンジェリークに命じる。
オスカーの声に抗いがたく、アンジェリークが恐る恐る瞳を開けた。
膝はオスカーの腕にがっちりと押さえられ、閉じることは許されない。
充血して紅く染まった秘裂はオスカーの逞しいものを咥えて極限まで広げられ、ひくひくと蠢いている
そのすぐ上の金色にけぶる叢を透かして、花芽が紅い宝玉のように愛液に濡れてつやつやと輝いていた。
一度自分の姿を見てしまったら、アンジェリークはその余りの淫らさに今度は目が背けられなくなってしまった。
『あんな大きなオスカーさまのものが私の中にちゃんと入ってる・・』
オスカーのものを咥えこむと、自分の秘裂があんなに広がるなんてアンジェリークには眼前の光景が信じられなかった。
しかし、先刻まで愛撫していた愛しいオスカーのものに自分が今貫かれていることを実感した途端、体の奥から新たに愛液が溢れ出し
アンジェリークの秘裂が自分の意思に関係なくきゅっとオスカーのものを締め付けた。
オスカーはその感触に、アンジェリークが自分の淫らな姿に感じていることを悟り、膝を押さえていた手を緩める。
もう、アンジェリークが自分から膝を閉じようとはしないことを見越して・・
そして、更に淫らな言葉で、アンジェリークを煽って行く
「ほら、お嬢ちゃん、自分のここが見えるか?こんなに広がって、俺のものをうまそうに咥えて、たくさん涎をたらしてるぜ。
お嬢ちゃんの下のお口はほんとうに淫乱だな・・」
「いや・・オスカー様・・恥ずかしい・・」
「正直になるんだお嬢ちゃん、自分の恥ずかしい姿に感じているんだろう?、ほら、ここもこんなになって・・」
オスカーはこういうと、秘裂の上に息づいている花芽を指で摘み上げた。花芽は充血してぷくりと固く膨らんでいる。
「あああっ!」
アンジェリークの体がびくんとはねた。しかし秘裂はよりきつく収縮し、オスカーのものを離すまいとする。
「見えるだろう?お嬢ちゃんのかわいいお豆が俺に弄られたくて、ぴくぴくしてるのが・・」
オスカーが指で秘唇を押し広げ、アンジェリークにはっきり見えるように、花芽を露出させる。
しかし、露出させるだけで、愛撫はまだ与えない。
「俺のものを咥えこんだまま、ここを弄くられたら、どれくらいお嬢ちゃんは乱れるのかな?」
オスカーがアンジェリークの耳元であくまでも優しく囁く。
『・・・オスカー様に貫かれたまま、あそこを弄られる?・・』
オスカーの言葉がアンジェリークに染み入るまで数秒かかった。
しかし、その言葉を理解してそのことを想像した途端また新たな愛液がじゅんっと溢れだすのが自分でもわかった。
当然挿入しているオスカーにもそれは感じ取れたはずだ。アンジェリークの反応にオスカーは勝ち誇ったように
「弄って欲しいか?お嬢ちゃん・・」とアンジェリークに尋ねた。
淫らな考えに思考を占領され、アンジェリークの口からためらう間もなく言葉が零れる。
「・・・弄ってください・・オスカー様」
オスカーは満足そうに瞳を細めたが、口から出た言葉はさらにアンジェリークを追い込むものだった。
「・・ひとつ、約束するんだ、お嬢ちゃん、決して目を閉じないと。自分の淫らな姿から目を背けるな。
もし目を閉じたら、俺はすぐに抜いちまうからな。」
「・・はい、約束します。約束しますから、オスカー様・・お願い・・」
搾り出すように言葉を紡ぎ、必死に懇願する。
アンジェリークはもう、これから与えられる快楽の事しか考えられなかった。
これだけ煽られたあげく、望んだ愛撫を与えられなかったら、自分は狂ってしまうかも知れないとさえ思った。
「ふっ、解った、約束だぜ、お嬢ちゃん」
こう言うとオスカーは露出した花芽を二本の指で激しくすりあげはじめた。縦横に、時には円を描くように。
それと同時にもう片方の手の指で乳首を摘み上げては、指の腹で転がし始めた。
唇はうなじに落とされ、首すじ全体に舌を這わせて、舐めまわして行く。
と、同時にアンジェリークの内部の肉壁をこするように数回突き上げた。
「やっ・・ああああっ!」
いきなり与えられた快楽の三重奏にアンジェリークはあっけなく達してしまった。秘裂がびくびくと痙攣している。
「なんだ、もうイッちまったのか?本当に今日のお嬢ちゃんは、辛抱がたりないな・・」
オスカーはこう呟くと、花芽をもう一度きゅっと摘み上げ、アンジェリークに囁いた。
「あぁっ・・」
「ほら、お嬢ちゃん、みてみろ、これがお嬢ちゃんがイッた時の顔だ。俺だけが知っている・・」
アンジェリークは目を開けて鏡を見ていた。
鏡には、オスカーに貫かれたまま、乳首と花芽の両方を手で摘まれている自分の姿が映っていた。
しかし、アンジェリークはオスカーの言葉を理解しているようには見えなかった。瞳にはぼんやりと霞がかかったようだ。
もはや意識は、はるか高みにたゆたったままなのだろう。
「お嬢ちゃん、もう訳がわからないか?それなら解るまで何度でもイかせてやるからな・・」
オスカーはこう言うと、指で乳首と花芽を強くすりあげ、転がしながら、下から激しく突きあげ始めた。
アンジェリークの最奥を狙って、抉るように己を突き入れる。
「あああっ・・やぁっ・・」
アンジェリークが即座に乱れる。
たった今高みに達してその余韻に浸っていた体は、また高みを目指して駆けあがり立て続けに何度も達した。
もう、声をあげることもできず、陸にあげられた魚のように虚しく口を開けるだけだ。
達しても達してもオスカーの愛撫と容赦ない突き上げはとどまるところを知らなかった。
オスカーの突き上げに乳房が激しく上下する。しかしオスカーの手は乳首を決して離さず執拗なまでに撫でさする。
オスカーのものが根元まで入れられては、引きぬかれ、そのたびに自分の紅い襞がオスカーのものに絡みつく様が見える。
オスカーの指に嬲られている花芽はもうこれ以上大きくなれないというほどに膨らんで充血している。
アンジェリークはオスカーに言われた通り、鏡に映ったこんな自分の姿をただ見つめていた。
間断ない快楽の嵐に翻弄されきり、見ている光景をもはや理解しているわけではなかったが、それでも目をつぶろうとはしなかった。
もし自分が目をつぶって快楽の海に漂おうとしたら、
オスカーは言葉通り即座に挿入も愛撫も止めてしまうだろうと、アンジェリークは感じていた。
オスカーはその点に関しては多分容赦をしない。
オスカーにとって約束は恐らくどんなものでも神聖なものなのだろうと、アンジェリークは思う。
そして、アンジェリークはオスカーとの約束を破るなんて、そんな愚を犯す気はさらさらなかった。
愛撫を止められてしまう恐怖よりも、
そんなことをしたらオスカーが悲しむことをアンジェリークは本能的に理解していた。
もちろん、達しつづける意識の中で、こんな明文化した思考をしていた訳ではないし、第一できるはずも無い。
それでも、アンジェリークの肉体はオスカーを裏切ることなく、オスカーの命を守ろうとする。
オスカーの与える愛撫全てをことごとく受け入れ、情熱的に応えようとする。
秘裂は激しく収縮しつづけ、抜き差しの速度を一層早めるオスカーのものをきつく絞り上げた。
「くっ・・お嬢ちゃん、受け取れ!」
オスカーが締付けのきつさに、ついにアンジェリークの胎内に絞りに絞っていた欲望を解き放った。
「はぁっ・・ああぁ・・・」
体中にオスカーの熱さが染渡っていき、アンジェリークは満たされた思いに包まれ意識を失ってしまった。
「お嬢ちゃん、よく、最後までがんばったな・・」
アンジェリークから自分のものを引きぬき、彼女を正面に向かせて抱きしめると、オスカーはいとおしげにアンジェリークに口付けた。
アンジェリークは意識を失ったままなので、軽い口付けに止める。
正直言って、アンジェリークが最後まで目を閉じずにいられるとは信じていなかった。
そうなっても、本当に挿入を止めたかどうか、オスカー自身断言はできなかったが
自分との約束を必死に守ろうとしたアンジェリークの気持ちが何より、オスカーには嬉しかった。
自分の精とアンジェリークの愛液が混じったもので二人とも下半身はとろとろだったので、オスカーはアンジェリークを抱いたまま
さっとシャワーを浴びると、アンジェリークをバスローブで包んで、寝室のベッドに運んでやった。
上掛けを掛けてやってから、自分もローブを羽織り、インターホンで執事を呼び出した。
「今夜は食堂には降りないで、ここで夕食を取る。食べやすいものをワゴンに適当に見繕っておいてくれ」
と、命じるとアンジェリークの顔を見に、ベッドサイドに戻り、ベッドに腰掛けた。
アンジェリークは先ほどとは打って変わった穏やかな顔で、すやすやと寝入っている。
オスカーはあふれ出す愛しさのままに何度もアンジェリークの髪を撫でた。
使用人が食事を持ってきたら、起こしてやろう。
夕飯も取らずに、激しい情事を強いたのだ。きっと空腹だろうから。
最初はここまで、激しくアンジェリークを貪る気は無かった。
が、アンジェリークの愛撫に思わず声をあげてしまった照れから、いつもより更にアンジェリークを苛みたくなってしまった。
自分に声をあげさせたアンジェリークにお返ししてやりたくなってしまったのだ。
『君からお返しをしてもらうはずだったのに・・な?』
こんなことを思いながら、飽きることなく、オスカーはアンジェリークの髪を梳いていた。