アンジェリークは大方の守護聖の予想通り女王の座についた。
ただ、それは皆が思ったよりも、女王試験の日にちがかなり過ぎてからであった。
というのも、毎日のように力を送りつづけていた光と炎の守護聖がある日を境にぱったりと力を送るのをやめてしまったからだった。
それまでのアンジェリークへの執心ぶりを見知っていたほかの守護聖は、ジュリアスとオスカーの二人が、
アンジェリークに告白はしたものの、その愛を受け入れてもらえなかったのだろうと思った。
もちろん彼の守護聖二人はそのことについて何も語らなかったけれど。
口の悪いぜフェルなどは
「おっさんたちが二人そろってアンジェに振られましたなんて、自分から言うわけねーだろーが。
でもそんなこと、隠したってばればれだけどなー。」
などと、コメントをしていたが。
そして、ジュリアスとオスカーが有体に言ってしまえば振られたらしいと悟ったほかの守護聖のうち何人かは
アンジェリークの思い人はもしや、自分だったのかもという淡い期待を抱いて、アンジェリークに愛を告白した。
しかし、アンジェリークの答えは、全てNOだった。
皆、アンジェリークは女王になる決意をしているのだと思った。
ならば、女王になれる手助けは惜しむまいと、思いを受け入れられなかった後も、闇や水の守護聖などはエリューシオンに力を送りつづけた。
そして、第256代の女王にアンジェリークは即位した。
しかし、もともとアンジェリークは、ロザリアのように特別な教育を受けたわけではないし、
女王になったのも守護聖たちの愛を勝ち得たことによるところが大きい。
そんなアンジェリークに女王としての執務や責務に明確なノウハウがあるわけはなく
いきおい、アンジェリークの統治は自らの内なるサクリアに耳を傾け、その望むように守護聖たちのサクリアを調整するという、
いうなれば、勘に頼る統治にならざるをえなかった。
もちろん優秀な補佐官ロザリアや守護聖の長ジュリアスが、何くれとなく補佐はしてくれるが、
ほんのちょっと前まで普通の女子高生であったアンジェリークが女王の責務に気疲れを感じたとしても不思議はない
だからアンジェリークが週末は誰にも煩わされず一人でゆっくり休ませて欲しいと言い出したことに、
ロザリアも守護聖も、疑問や不満を感じる者はいなかった
もとより、女王の依頼に異を唱えるものなど聖地には存在しない。
他人がそばにいないほうが気が休まると言うのなら、そうさせる。そうするだけの力が彼女にはあった。
週末は使用人にも暇を出し、かくして、アンジェリークは、誰にも干渉されることのない休日を手に入れた。
金の曜日の夜もふけてから、オスカーは聖殿の廊下を、一人歩いていた。
聖殿の廊下には人影は見当たらない。
オスカーはある部屋にノックもせずにするりと入り込んだ。
部屋に入ったとたん、愛らしい声とともに、小さな柔らかい人影がオスカーの元に駆け寄った。
金の髪の女王、アンジェリークその人であった。
女王の正装をはずし、目立たない色のワンピースを着た彼女は、一見宇宙を統べる女王にはとても見えない。
「オスカー様、お会いしたかった・・ずっと待ってたんですよ。」
「これは、陛下、毎日聖殿でお会いしているじゃないですか」
ニヤニヤ笑いながら、オスカーが答える。
「ん、もう、そんな意味じゃないって、わかってらっしゃるくせに・・それに、陛下なんて呼ばないでください」
軽く小首を傾げ、すねたように上目使いでオスカーを見上げる。
その仕草の愛らしさに、オスカーは思わずアンジェリークの腕を強く引き寄せ、その広い胸にかき抱くと、覆い被さるように唇を重ねた
上唇と下唇を交互に吸い上げ、薄く開いた口に舌をさし入れる。
白い歯列をなぞってから、さらに舌を口腔の奥に侵入させると、アンジェリークの舌がおずおずと、オスカーのそれに絡み付いてきた。
長いキスの後オスカーの唇がアンジェリークから離れると、二人の唇の間に透明な糸がかかる。
アンジェリークがほぅっと、切なげな吐息を漏らす。
オスカーはアンジェリークのほほに自分のほほを摺り寄せて、ささやいた。
「悪かったな、お嬢ちゃん、人気がないとはいえ、ここはまだ聖殿のなかなのに、お嬢ちゃんがあんまりかわいいからつい、我慢できなくなっちまった」
ほほを染めて、アンジェリークは下にうつむいてしまった。
「さあ、お嬢ちゃん、ジュリアス様がお待ちかねだ、俺のマントのなかに・・」
「はい・・」
オスカーは、アンジェリークを自分のマントですっぽりとくるむと、肩を抱いて足早に歩き出した。
華奢なアンジェリークはオスカーのマントに全身がたやすく隠れる。
オスカーが女性を連れていることは不思議ではないし、マントを剥がさない限りその女性が誰かはわからないだろう。
聖殿の外に留めておいた愛馬に、オスカーはアンジェリークを手早く乗せると、もう1度念入りにマントでくるみ直した。
そして、アンジェリークをしっかり胸に抱き、オスカーはジュリアスの屋敷に馬を急がせた。
『ああ・・あったかい・・・それに・・オスカー様のにおい・・・』
オスカーの腕の中で、アンジェリークはこわばった心とからだがゆっくりとほぐれて行くようなきがしていた。
着いた所は、ジュリアスの屋敷の離れであった。
もともと来客用であった部屋を、さらに独立させ、屋敷の中を通らなくても中にはいれるようにしてある。
オスカーはアンジェリークを連れて離れに入っていった。
部屋の中には光の守護聖ジュリアスがいた。
守護聖の正装を解き、くつろいだ様子の長衣をまとっている。髪は後ろでゆるくまとめられていた。
アンジェリークの姿を認めると、ジュリアスはめったに他人に見せることのない、極上の笑顔を浮かべた。
瞳には優しさが溢れている。
「アンジェリーク、待ちかねたぞ」
「ジュリアス様っ!」
アンジェリークはすぐさまジュリアスの元に駆け寄った。
ジュリアスはそんなアンジェリークをきつく抱きしめ、額に、ほほに、まぶたにと口付けの雨を降らせたのち
アンジェリークの唇に自分のそれを重ねた。
角度を変えて、何度も口付けを交わす。
アンジェリークの唇を存分に味わってから、名残惜しそうに唇を離すとジュリアスはささやいた。
「おまえを抱きしめられない1週間のなんと長く、味気なかったことか・・・
いつもおまえは私のすぐそばにいるのに、私はおまえに指一本触れること適わぬのだからな・・・」
「ジュリアス様、私だって、私だって・・・んん・・」
あとは言葉にならず、アンジェリークはジュリアスの体に両手を回し今度は自分から口付ける。
自分の舌をジュリアスのそれに絡め、唇を吸うと、ジュリアスもアンジェリークに応える。
まるで、触れ合えなかった空白の時間をうめようとでもするかのように。
ジュリアスとアンジェリークが口付けを交わしている間にオスカーはアンジェリークの後ろからワンピースのジッパーをおろしにかかった。
オスカー自身はもう全裸である。
器用にアンジェリークのワンピースを脱がし、ブラのホックをはずし、ショーツも脱がすと後ろから乳房を掬いあげるように揉みながら耳元でささやいた。
「さあ、お嬢ちゃん、執務で疲れただろう?いっしょに風呂に入ろうぜ。俺がお嬢ちゃんを優しく洗ってやろう」
「ああ、それがいい、オスカーと湯浴みをして疲れを取ってくるといい・・」
ジュリアスも唇を離して、こう答える。
オスカーは返事を待たず、さっとアンジェリークを抱き上げて浴室に入っていった。
アンジェリークを抱いたままバスタブにつかり、自分の上にアンジェリークを座らせた。
「オスカー様、恥ずかしいです・・私、自分で洗えますし・・」
アンジェリークがためらいがちに目を伏せた。
「何も恥ずかしいことはないぜ、お嬢ちゃん、それにお嬢ちゃんの柔らかい肌に傷でもついたら大変だからな、俺が手で洗ってやるよ」
そう言うと、自分の前にアンジェリークを立たせ、自分の手のひらに石鹸をあわ立てると、後ろからアンジェリークの体に手を滑らせた。
「きゃん、くすぐったいです」
「ちょっと我慢するんだ、お嬢ちゃん」
かまわずオスカーは体中に石鹸をつけていく。
オスカーの手が乳房を、その大きな手のひら全体で大きく円を書くように洗う。
オスカーの手のひらが、先端にふれると、みるみるそこは固くたち上がり、アンジェリークの口からも切なげな吐息が漏れ出した。
「あ・・んふ・・ん・・はぁ・・」
「どうしたんだ?、お嬢ちゃん、かわいい声を出して・・・俺はお嬢ちゃんをきれいにしてやってるだけだぜ?」
わかっているのに、わざと意地悪くオスカーがささやく。
オスカーの手は容赦なく乳房をこね回し、先端を手のひらでこすり、ときおり親指と人差し指でくりくりと摘み上げる。
片手は白く張りのある臀部に向かっておりていき、双球も手のひらで大きくなでまわす。
「あっ・・ああ・・んん・・やん・・」
必死に声をかみ殺そうとするが、石鹸のついたオスカーの手は全身を這いまわり、その滑らかな感触がアンジェリークの体を火照らせていく。
「ここは、特によく洗わないとな・・」
そう言いながら、オスカーの手が股間に伸びる。
淡い叢を手のひら全体で覆うようにこすってから、その奥に指を滑らせると、そこには、水とも、石鹸とも違うぬめぬめとした液体の感触があった。
「おや、お嬢ちゃん、どうしたんだ?ぬるぬるだぜ?」
さらにオスカーが言葉でアンジェリークを責めながら、秘唇を手ですりあげた。
「ひゃんっ」
たまらず、アンジェリークは声をあげてしまう。
かまわず、オスカーは秘裂にそって指を走らせ、花芽を探り当てると指のはらを花芽にあて細かく上下に動かし始めた。
こするにしたがって、花芽は硬度を増して、ぷくりと、膨らんでいく。
秘裂の間から自分はここにいると主張をしているかのようだ。
「あっ、あん・・ダメ・・だめです・・オスカーさ・・あぁん」
「せっかくきれいにしてやってるのに、何がだめなんだ?お嬢ちゃん?」
オスカーはとぼけて、さらに指の動きを早めた。
片手は乳房をもみしだき、時折、先端を転がすように愛撫する。
石鹸のために、指の動きはいつにも増して滑らかで、アンジェリークの体は中心がどんどん熱くなって行く。
自然と腰がうごき、内股をすり合わせるようにしてしまう。
体の奥からじゅんっと何かが溢れ出すのが自分でもわかる。何かに満たしてもらう為に・・・
「お嬢ちゃん、俺が洗ってやってるのに、こんなに溢れさせちゃ、いつまでたってもきれいにならないぜ。」
「あっ・・あぁ・・ご・・ごめ・・んなさ・・い・・オスカーさ・・ま、ああっ」
「ほんとにいけないお嬢ちゃんだ・・」
オスカーはアンジェリークのうなじに口付けると、首筋を強く吸い、舌を這わせる。
すっかり硬くなった乳首と花芽へ間断なく愛撫を与える。
「あん・・あっ・・あん・・んんっ」
アンジェリークの口からはもはや、甘い吐息しかこぼれてこない。
「お嬢ちゃん、お嬢ちゃんがあんまりかわいい声で鳴くから、俺のものがこんなになっちまった・・」
オスカーが耳元でささやく。アンジェリークの背中に何か硬いものがあたる感触があった。
オスカーはアンジェリークにシャワーを浴びせ、アンジェリークをバスタブから出すと、さらに言葉を続ける。
「さ、お嬢ちゃん、責任を取ってもらおうか・・」
「え、わたし、そんな、・・どうすれば・・」
「ふっ、言わなくても、わかるだろう?」
オスカーが目を細めてアンジェリークを見つめる。
オスカーの氷青色の瞳に射すくめられたアンジェリークはオスカーのものに視線を落とし
操られたようにふらふらと跪くとオスカーのものを口に含んだ。
天を向いて硬く屹立するオスカーのものは、アンジェリークの小さな口には半分ほどしか入らない。
それでも、アンジェリークはオスカーのものに手を添え、一生懸命に奉仕する。
先端を舌で転がし、軽く吸い上げ、唇で全体をこすりあげ、口でオスカーのものを包み込もうとする。
「そうだ、うまいぞ、お嬢ちゃん」
オスカーの手が、愛し子を慈しむように、優しくアンジェリークの髪を撫でる。
「ふふ、良い格好だな、アンジェリーク」
そういって、浴室にはいってきたのは全裸のジュリアスであった。
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