目が離せない

挿絵 青空給仕様

少女の言動を見るに見かねての苦言だった。主観としては心底彼女のためを思っての忠言でもあった。

エトルリアの少年・エルクに向かって、セーラが、自分に感謝しろやら、絶対服従しろやら、高飛車で一方的で理不尽な要求を押し付けていた様子を目にしたからだった。

だが、オズインがつい小言を言いたくなったのは、申し訳ないが振り回されているエルクの胸中を案じてというより、セーラのあまりに稚拙な感情表現、思慮の足りない言動が目に余ったからだ。誰に対してであれ、あんな接し方をしていては振り回された者は疲れ果ててセーラから離れていくか、反発してしまうだけだろうと危ぶまれた。見ていられなかった。それでつい、口を挟みたくなった。つまりは、放っておけない気分にさせられたのだ。

しかも、その時、自分は彼女を形ばかりではなく真実いさめたいと思っていたから、余計に口調は厳しいものとなったのだろう。

『きみの振る舞いや言動は兵の士気を下げている。同じオスティアの者として注意してもらいたい』

だが、この言い方は一般論でまとめすぎ、かつ、突き放しすぎだった。

軍人としての彼、お目付け役としての彼は、立場上、まず、兵士たちの士気を考えざるを得ないから「軍の士気を下げてもらっては困る」という言い方になってしまったということもある。彼女のわがままで若者たちが疲弊してしまい、集中力や注意力を損なうようなことがあれば、最前線では危険きわまりないのだから。

しかし、そんなの誹謗中傷だと食ってかかってきたセーラが、この苦言は自分の判断だと言うや、あれほどしょげ返るとはオズインも思わなかったのだ。

あの、いつも煩さがられるくらい元気な少女であるセーラが自分の苦言に萎れた花のようにしょんぼりとしてしまい、オズインはいささか慌てた。

確かに、あの言い方では、彼女の事を案じての忠言とは受け取れまい。

もっと率直かつわかりやすく「君の物言いは色々と誤解を招きやすい、誤解されると結局自分が損をするから自重するように」といってやればよかったのだろうか。

とにかく、言葉はもっと選ぶべきだったと思った。彼女が周囲の者の感情をかき乱しているのが事実だったとしてもだ。もっと丁寧に言葉を重ね、ああいう態度は君自身のためにならないのだと言ってやればよかった。

そうすれば、単に叱責されたと思わせずに済んだだろう。

だから機会を見つけて足りなかった言葉を埋めようと、後日、オズインはセーラに話しかけた。

ところが、彼女が返事をしない。

無視がいささか癇に触り、若干語気を荒げたら、途端にセーラがべそをかいた。しかも、自分が彼女を嫌っているから小言ばかり言うのだろうと言い出し、べそをかく始末だ。

オズインは訳がわからなかった。

確かに小言は言った。

だが、それがどうして「嫌い」という感情に結びつくのか。

しかも「どうせ、私は性格悪くて、かわいくなくて、みんなの嫌われ者で…」と誰もそんなことは言っていないのに、拗ねて己を卑下する言葉を延々と羅列する。

あれほど自己礼賛の塊だった彼女が、私から小言を少し言われただけで、どうして、ここまで自分への評価が正反対に急落するのだ?天井知らずの自信満々ぶりが、底なしの自己否定へまっさかさまという豹変ぶりだ。

第一、私は、直した方がいいと思う一点を指摘しただけで、彼女が言うように彼女の全人格を否定するようなことは何も言っていないのに、どうしていきなり「性格悪くてかわいくなくて嫌われ者」という評価が出てくるのだ?私がセーラを嫌っているという結論になるのだ?

この少女の短絡と論理の飛躍がオズインにはどうしても理解できない。

本当に嫌っている人間に、よかれと思った忠告などするものか。嫌悪する相手に、誰がそんな手間隙をかけたいと思うというのだ。

先行きを案じているから苦言を呈するのであって、それ即ち、彼女を気にかけているからこそだということが、何故か彼女にはわからないらしい。

自分の耳に痛い言葉は、すなわち全て悪口であり、だから嫌われているのだと単純に思い込んでいるのだとしたら…これは子供の理屈ではないか。

やれやれと思ったオズインは、だから、子供にもわかるような平易な言葉で、彼女が間違えようのないよう、誰も君を嫌ってなどいないこと、奔放すぎる振る舞いは君自身のためにならないから自重した方がいいということだけに論点を絞って、噛んで含めるように言い聞かせた。

そうしたら…自分の気持ちはわかったとか、期待しててくれとか、訳のわからぬことをまくしたてられ、何故か、そしていつの間にか、自分オズインは『セーラを好き』ということになっていたのだった。

 

「オズインさまぁ〜!」

突然、部屋の扉が勢い良く開くや、次の瞬間、渾身の体当たりを食らった。恐らく本人としては思い切り抱きついただけのつもりだろう。

漸く今日の仕事も終わったので、寝台に腰掛け、衣服を緩めようとしていた時だった。

オズインは、ぶつかってきた力を受け流すために敢えてそのまま寝台に押し倒される形で、飛びついてきた存在を抱きとめた。

「何事だ、セーラ」

「やっだぁー、オズイン様がそろそろ私のことが恋しくなる頃だと思って、慰めに来て差し上げたんじゃないですかー」

猫の子が親猫に擦り寄るように、セーラはオズインの分厚すぎるほど逞しい胸板にすりすりっと頬ずりをした。

「寂しかったでしょー?私が来てあげて嬉しいですよね?オズインさまぁ」

いつものことなので、オズインは、うむうむと頷くだけだ。

寂しいのも、人恋しいのも、会えて嬉しいのもセーラの方だとわかっているから、黙って彼女の髪をなでてやった。

すると、セーラはわが意を得たりとばかりに、オズインの腹の上に乗ったまま、シャツに手をかけ襟元を大きく緩めて胸板に口付け始めた。

まるで甘ったれな猫だとオズインは思う。無理矢理胸元に乗ってきて、こちらの都合はお構い無しに顔を嘗め回す猫のようだと。強引で一方的、だが、目一杯の愛情表現でもあるのだろう。

目の前に柔らかな桃色の髪が揺れて、唇とともに、その毛先もオズインの胸板をくすぐっていた。

「君は一体何をしているんだ、セーラ」

「オズイン様をいただいてますー」

「やめなさい」

「い・や」

挑発するような瞳で否定の答を返すと、セーラはピンクの舌を尖らせ、再びぴちゃぴちゃと猫がミルクを舐めるように、オズインの乳首を舐り始めた。上目遣いでオズインの反応をうかがっている。が、オズインの表情が寸分も緩まない様子を見てとると、口を尖らせた。

「オズインさまぁ、せっかく私がこんなにしてるんだから、もっと嬉しい顔してくれなくっちゃ」

嬉しいどころか、やれやれといった顔でオズインは嘆息した。

「君は…まだわかってないらしい」

「?」

そういうや、オズインはきょとんとしているセーラの背に腕を回し、彼女の長衣のファスナーを一気に下げた。すぐさま長衣の袖から彼女の腕を抜いてしまう。

「あっ…やんっ…」

あっと思った時には、セーラの上半身は霞のような淡灰色の紗の肌着一枚という姿にされてしまっていた。けぶるような薄絹を通して、控えめな胸の膨らみの突端に淡紅色の乳頭がほんのりと透けて見えている。

セーラが『あれあれっ?』と思う間もなく、オズインは無言で肌着の肩紐に無骨な指をくぐらせ、何気ない様子で薄絹の肩紐もすぐに外してしまった。こぶりだが綺麗な形の乳房が露にされる。唐突かつ迅速に着衣を剥ぎ取られていく状況に頭がついていけなかったセーラも、露にされた胸元は、流石に反射的に手で隠そうとした。が、その隙をついて、オズインはセーラの腰のあたりにわだかまっていた長衣と肌着を一緒くたに足元まで下ろして全て取り去ってしまった。この間、オズインは眉一つ動かさず、淡々とした仕草で一連の行為を行っていた。まるで、なんということはない日常業務をこなしている、とでもいうように。

迷いやためらいは一切ない。だが、性急さや焦りも微塵もない。ただ、正確に素早く、着実に無駄のない動きで、セーラの衣装を取り去っていった。自分の腹の上に彼女を乗せたままでだ。瞬く間に、セーラの身に残っているのはサテンの長手袋と申し訳程度に股間を隠している小さなショーツだけとなってしまった。

「君は何もしなくていい」

そういうとオズインはセーラの細腰を掴み、ゆすりあげるように少しだけ上方に持ち上げた。横たわるオズインの眼前で小振りな乳房が微かに揺れた。薄紅色の乳頭は恥らうように色づいている。乳房は小振りであるがゆえに、うつぶせの姿勢でも下方に流れず、生硬な印象さえ与えるほどの張りがあった。

「君は何もしなくていいんだ」

重ねて言うと、オズインは何の前ふりもなく、いきなりセーラの背をぐっと抱き寄せて、乳頭を口に含み舌で弾いて転がした。

「あんっ…」

オズインの腹の上でセーラの背がのけぞった。

だが、そのためにセーラの乳房が自分から逃げることをオズインは許さない。

小さな身体を自分の腹に押し付けるように更にきつく抱き寄せると、無骨な手で乳房を鷲掴みにした。ごつく大きなオズインの手がセーラの乳房は捏ねている様は、一見、オズインが乳房を惨くいたぶっているかのように見える。

だが、実際のオズインの手に余分な力は一切ない。ごつごつと見える指は細心の注意で花蕾のような乳首を優しくつまみあげては、その先端を指の腹で柔らかく押しつぶしている。

そして、乳首が指技に反応して立ち上がるや、再び、より容赦のない口戯をオズインは与え始めた。

乳首を唇ではさみこみ、根元から先端を丁寧に舐めあげる。乳首が充分に固く結実したことを唇に感じるや、舌でなぎ倒すように力強く弾いて、転がす。

「あっ…ふぁっ…やん、やん…」

腰から背をがっちりと抱え込まれているセーラは、オズインの口戯から身も心もそらす隙がない。オズインの腹の上に縫いとめられたように抱かれ、下方から思う存分乳首を嬲られるがままだ。オズインの舌が蠢くたびに、セーラは切なげに眉をひそめ、熱っぽい吐息を零す。

その間に、オズインの無骨な片手は、これも小振りに締まったセーラの臀部にいつの間にか達していた。セーラは小柄なので、手を伸ばそうと意識せずとも、オズインはセーラの全身隈なくを容易く触れられる。

ショーツの中に手を差し入れ、張りのある臀部をむにむにと揉んだり、滑らかな肌の感触やまろやかなヒップラインを掌で堪能しながら、極自然に小さな布を取り去ってしまうと、尻の方向から、すっと、花弁へと手を伸ばした。

「あっ…」

オズインの指が花弁に触れた途端、セーラの身体がびくっと震えた。

そのセーラの震えを無理矢理押さえ込もうとするかのように、オズインはセーラの乳首を乳輪ごと深く含んできつく吸う。

同時にいささか強引な指使いで、花弁の合わせ目を割った。

ちゅぷ…と粘り気のある水音が響き、オズインの太い指にとろりと糖蜜のように濃い愛液がまとわりついてきた。オズインは、愛液をもっと指に絡みつかせるように、秘裂の入り口をくちゅぬちゅと音をたててかき回す。

「あんっ…」

セーラがやるせなげに首を振った。桃色の髪が弧を描いて舞うように揺れた。

「少し腰をもちあげなさい」

「は、はい…」

オズインの腹の上で、別人のようにしおらしい答をセーラが返し、素直に腰を浮かせた。

セーラは、こういう口調のオズインには逆らえない、逆らいたいとも思わない。

オズイン様が厳しくて、怖いから…じゃなくて…

私のためだから。

オズイン様の言葉は、いつでも私のためを思ってのことだって、わかるようになってきたから。

「オズインさまぁ…」

僅かに腰を浮かせたセーラは、褒められることを期待しているのかのように甘えた声でオズインの名を呼ぶ。

セーラの甘えた声を聞き、潤んだ瞳を見て、オズインは期待に応えるようにセーラの頭をぐいと引き寄せ、深い口付けを与えた。

荒々しく差し入れた舌に、小さな舌が懸命な様子でまとわりついてきた。

舌を絡ませ唇を吸いながら、オズインの手は迷いなく花弁のさらに奥に伸ばされる。

心構えを促すように幾度か花弁の入り口をくすぐるように撫でてから、いきなり中指を秘裂の奥まで穿つように差し入れた。

「んぁっ…」

入り口がきゅっとすぼまり、肉壁全体がオズインの指を締め付ける。オズインはその締め付けに逆らうように、差し入れた指をくの字に曲げ伸ばしして背側の肉壁を意識して擦る。

もう片手は、花弁をぱっくりと大きく押し広げて肉芽を露出させた。たっぷりと愛液をのせた指の腹で肉芽を探しあてると、その部分をころころと転がし、軽く押しつぶす。指先でくりくりと肉芽の根元も捻る。

「んんっ…んふぅっ…」

唇を塞がれたままのセーラが、断末魔の獣のようにオズインの腹の上でびくびくと躍り上がる。

身体をがっちりと抱きすくめられ、息が苦しいほど深く唇をふさがれ、その上で胎内の肉襞と敏感すぎる肉芽を同時に刺激されているのに、声も出せず、刺激の逃がしどころがない。

だが、オズインはだからといって指の動きを緩めたりしない。

無骨な指は絶え間なく肉壁を擦り、秘裂全体をかき回す。時折奥の一点を狙って指を突き入れもする。

同時に力を入れすぎないよう注意して肉芽の莢を剥くと、こりりと固くしこった肉珠を羽で触れるような微かな力で、そっと、丁寧に指の腹で幾度も撫で転がした。執拗とも言える丹念さで。

「んんんんーっ…」

セーラの身体が電撃をくらったかのように無秩序にびくびくと跳ね、直後にくったりと弛緩した。オズインの腹にかかる重みが僅かに増した。

それを察してオズインは漸く口付けを解いてやった。

「はっ…はぁ…オズインさま…いじわる…」

「いじわるなどしたつもりはない」

「だって…私ばかり、こんなに…」

「君がわかってないからだ」

「?…いいもん、それなら私もオズインさまに意地悪しちゃうから…」

セーラの手が、おおよそのあたりをつけて伸ばされる。

目的のものはすぐセーラの小さな手に触れた。

オズインの体躯に相応しい、無骨に節くれだった雄雄しい男根は、これ以上はないほどの硬さと力強さで隆々と屹立していたからだ。

セーラはオズインの男根を窮屈そうな布から解放すると、根元をやんわりと握りこみ、すぅっと滑らかな動きで、先端まで手を滑らせた。カリの部分を僅かにめくりあげるように細い指先がしなやかに蠢く。サテンの手袋をはめたままなのが幸いして、素手で触れるより滑りがいい。濡らさなくても滑らかな布のおかげで摩擦がおきないのだ。

「こらこら」

しかし、オズインは手をゆったりと上下させて愛撫を続けようとするセーラをたしなめた。

「君は何もしなくていい、さっきもそう言ったはずだ」

「だって、だって…オズインさま、嬉しくないの?」

オズインは一度吐息をつくと、セーラの瞳を見つめながら、ゆっくり噛んで含めるように語りかけた。

「君は何もする必要はない、何をしなくても君は愛されるし、大切にされる。恩とか見返りとか奉仕とか…そういうことは何も考えなくていい、そんなものに関係なく君は愛されるし、私は君を愛する。だから…君は何もしなくていいんだ」

「!…やだ、もう!」

「セーラ?」

「私、オズイン様にサービスして、褒めてもらおうとか見返りとか思ってません!私が…したかったの!オズインさまに喜んでもらいたかっただけなの!」

ぷっと膨れたセーラを見て、オズインは思わず微笑んだ。それまでセーラが何をしてもまったく表情の変わらなかったオズインがだ。それは、とても優しげな柔らかな笑みだった。

「そういうことなら…喜んで受けさせてもらおう」

「オズインさま…」

セーラは不意をつかれたように見せられたオズインの笑みにぼーっとしてしまった。つい今しがたまで膨れていたのに、その拗ねた気分も霧消した。

中々眉間の立てジワの消えないオズインだから、少しでも笑ってもらえると嬉しい。

オズインの嬉しそうな顔を見せてもらえると、なぜだか、自分もすごく嬉しくなる。つまり、そういうことなのだ。

「オズインさま!私、オズイン様に喜んで欲しいの!だから…」

「ああ…それなら…」

「きゃ…」

オズインはセーラの腰を抱いて軽く持ち上げると、くるりとセーラの身体を半回転させた。

セーラとオズインの身体の向きが互い違いになった。

「これなら一緒にできるだろう」

「やぁーん、オズインさまのえっちぃ」

「君がしたいと言ったんだぞ」

「うふふ、はぁい…」

セーラは顔にかかる髪をかきあげながら、改めてオズインのものを手に取り、まじまじと見つめた。

なんでこんなに大きなものが私の中に入ってしまうのか、いつも不思議。

この変な形…やっぱり何時見ても変な形…だわよね?が、中に入ってくると、どうして、あんなおかしな気持ちになるのかも不思議。

苦しいような、切ないような、なのに、もっともっとと強請りたくなるような、自分が溶けてなくなっちゃうような不思議な気持ちになるのは、このおかしな形のせいなのかしら…

オズインの男根を手で玩具にするように、眺めつすがめつしながら、先端にそっと口付け、そのまま含もうとしてみた。

が、元々ふてぶてしいほどに逞しいオズインのものだ。口が小さなセーラは先端からカリの部分あたりまで頬張ると、もう、息苦しくなってしまう。それでも精一杯唇をすぼめて僅かながらも口を上下させ、カリの内側を舌でくすぐってもみる。

こんなに頑張っているのだから、やっぱり少しは褒めてもらいたいという気もおきてきた。

「おふゅいんひゃは、ひもひいい?(オズイン様、きもちいい?」」

「咥えたまま、しゃべるものではない」

「ふぁっへぇ(だってぇ)」

「君には…しゃべる余裕など与えない方がよさそうだ」

オズインは、セーラの腰を掴んで、彼女の花弁が自分のすぐ眼前に来るようにその身を引き寄せると、間髪をいれず、にゅむ…と暖かい舌を胎内に差し入れ、抜き差しし始めた。

「ひぁんっ…」

セーラはオズインのものを思わず口から離し、支えていた手で根元を思わずきゅっと握ってしまった。

かまわずに、オズインは両の手で容赦ないほど花弁を押し広げ、セーラの秘裂に可能な限り深く舌を差し入れる。

「あっ…ああっ…そんな…奥まで…舌いれちゃダメぇっ…」

だが、オズインは一層花弁を指で押し広げ、これ見よがしに深々と舌を差し入れ、愛液をすする。

オズインの目に映る鮮紅色の媚肉は淫らというより愛らしさの勝る色合いだった。愛液は海の潮のような味わいで、これも鮮烈な若さを感じさせる。

尤もオズインは彼女の若さに重きやありがたみを感じているわけではない。むしろ、彼女には、もっと成熟した女性になってもらいたいから、浴びるほどの愛情を示す手段として抱いているといってもいい。

だから、セーラへの愛撫は出し惜しみがない。

思い切り開かれた花弁の上方には、ぷくりと膨らんだ肉芽がかわいく頭を覗かせていた。その肉芽の根元に舌を回し、更に露出させた肉珠を尖らせた舌先で縦横に弾く。

「あっ…ああんっ…やぁんっ…」

その鋭い快感にセーラはオズインのものへの愛撫など覚束ない。

剛直を無秩序に握りこみ、裏スジに指を沿わせる。時折、先走りの滲む先端に触れるだけの口付けを落とすくらいで精一杯だ。

オズインの舌に肉珠を舐られ、焦らすように秘裂の入り口を指でかき回されると、脳裡が真っ白に痺れるほどの快感が途切れなく襲ってくる。

「やっ…だめぇっ…痺れて…溶けちゃう…溶けちゃうのっ」

「セーラ、欲しくなったら、そう言うように」

焦らすつもりではなく、単にセーラが十二分に満足するまで愛撫を与えるつもりのオズインは、挿入はセーラの意思に任せるつもりでこう言った。

「はっ…はぁ…オズインさま、私、もう…」

が、明確な意思をもって、セーラがオズインのものをきゅっと握り込んだ。

「では、きなさい」

オズインがセーラの身体を抱き上げ、向きを変えさせた。

「は…い…」

セーラがオズインのものに手を伸ばし、自らの秘裂にあてがう。

幾度も受け入れてきているのに、オズインの男根の圧倒的な量感は、今も、セーラを僅かに慄かせる。ゆっくり騙し騙し導かないと、上手く入らなさそうな気がしてしまうから、セーラはそろそろと腰を落とそうとしていた。

すると、オズインがいきなりセーラの尻をぐっと掴んで自分へと落とさせ、同時に自身は腰を突き上げた。

「ひぁああっ…」

自分のペースでオズインのものを収めようとしていたセーラはいきなり勢い良く突き上げられ、全身を貫かれたような衝撃に一瞬気が遠くなった。

のけぞるセーラの身体を追うようにオズインが半身を起こした。セーラの背を抱きよせて、彼女の体を完全に己の上に乗せ、自分の首根っこに細い腕を回させる。

セーラの細腰はがっしと掴んで密着を保ったまま、下から突き刺すような、かき回すような律動を交互にくりだした。

「っ…ふぁっ…やっ…あああっ…」

思い切り下から突き上げられ、セーラが嫌々するように頭をふる。

腰を押さえ込まれているので、激しい突き上げにも身体を逃がせず、突き上げの衝撃はより深く重く全身に響き渡る。自分の内側全てがオズインで埋め尽くされているかのようだ。

「か…はっ…やぁっ…も…もぅ…いっぱい………」

気持ちいいのか、苦しいのか、セーラは自分でも判然としない。苦し紛れに目の前にあったオズインの肩甲骨あたりに、無意識のうちに、かりりと歯をたてた。

「苦しいか…?」

「んっ…んふっ…も…おなか一杯で…くる…し…」

「ああ、私も…君の中はきつすぎる程だからな…」

若さゆえか、セーラの肉壁はまだまだ生硬な感触で、柔らかく剛直を受け止めるよりも、それを排除したがっているかのようなきつい締め付けをかけてくる。

元々小柄なセーラの肢体は、それでなくてもどこもかしこも小さく引き締まっている。当然のように、秘裂も思いきり男根をねじ込むのが躊躇われるほど華奢だから、尚更きつい。ともすれば痛いほどだ。

「だが、こればかりは慣れてもらわねばな…」

そう、結局はこなれてもらうしかない。

セーラが望んで始めた関係だ。

そして、自分もまた、セーラに愛され大切にされる安心感を…理屈ではない安心感を与えるために応えてやると決めた。だから遠慮はしない。渾身の力で愛される経験を幾度も重ねて実感することで、得られるもの、わかるものがあるはずだから。

オズインはそれでも、彼女の苦しいという声を汲む。

セーラの身に覆いかぶさり自然に身体を横たえさせると、自分は膝をついて、セーラの太腿を抱えて持ち上げ、そのセーラの足をそれぞれ自分の大腿部の上に乗せるような形にして抱きかかえた。

「はっ…はぁ…オズイン…さま…」

「これなら…まだ、苦しくないだろう」

言うやオズインはセーラの腰を半ば持ち上げ浮かせるような姿勢で前方から貫いた。腹側の肉壁を意識して擦りあげるように、思い切り腰を突き出しては引き抜く。

「やぁあっ…」

オズインの荒々しい律動に、セーラの身体ががくがくと震える。

セーラは、背中は敷布についているが腰は持ち上げられているので、オズインのくりだす力のままにその身も激しく揺さぶられてしまう。

そして、この姿勢ゆえ、二人の結合部分がオズインにはよく見える。

自分の男根がセーラの花弁を極限まで押し広げて突き刺ささる。引き抜くたびにめくれあがる肉襞の鮮やかな赤がオズインの目を射る。

「はぁっ…あっ…やぁ…すご…すごいの…」

「いいのか?セーラ」

「んんっ…擦れて…一杯で…いい…いいのっ…オズインさまぁっ…」

「そうか…」

オズインは、更にセーラの腰をぐっと自分の腰に引きつけ、思い切り腰を突き出す。続けざまに、素早く力強い律動をたたきつける。

「あっ…ああっ…はっ…やっ…だめ…もう…もう…あぁっ…」

「…それでいい、そのまま…」

「やぁあっ…も…オズインさまっ…来て…きてぇっ…」

「ああ…」

元々痛いほどきつい膣壁だから、そう長くはもたないと感じてもいた。オズインは、自分の解放のために僅かばかり動きを早め、反対に、ほんの少し己の心の手綱を緩めた。

「あ…はっ…やっ…あ…ああぁっ…」

セーラの閉じた瞼の裏に火花が散った。肉壁は震えるようにオズインのものを絞り上げた。

「っ…」

痙攣するような締め付けに、セーラの内で一瞬自身が膨れ上がったような錯覚の後、オズインの腰から背筋を鮮烈な解放感が突き抜けた。

 

「はっ…はぁ…オズインさまぁ…」

事後は事後で、セーラの甘ったれな気持ちがより募るのを知っているオズインは、セーラを自分の身体に半ば乗せるような形で抱き寄せて、髪をなでてやる。

セーラは素直に身を寄せてきて、オズインの首根っこにしがみつくように抱きついてきた。

オズインの傍にいて、かまってもらえるのが嬉しくて仕方ない様子だ。

肌を合わせるようになってからの日はまだ浅いが、甘えてまとわりついてくる様はあの頃から変わらぬな、とオズインは思う。

セーラの行状を諌めた時、まくし立てられた言葉の意味が、オズインにはまったくわからなかった。

だが、その時以降、セーラは子犬のように事あるごとに嬉しそうに自分にじゃれ付き、のべつ幕なしまとわり付くようになったのだ。

そして、嬉しそうなのは彼女の方なのに

「オズインさま、私が傍にいてあげて嬉しいでしょー?幸せでしょー?オズイン様は私のことが好きなんですもんねー」

と、ことあるごとに強調する。

率直に言って、オズインは戸惑った。セーラをかわいいと思い、色々な意味で目が離せないとは思うが正直いって、そういう意味での好意の対象と思ったことはない…少なくとも意識したことはなかった。

いくらなんでも14歳も年下の少女だ。自分の子供ほどの年齢とまではいかないが、オズインからすれば、そういった対象としてみるには心身ともに幼すぎる存在だった。

それでも、彼女のあからさまで真っ直ぐな好意をオズインははっきり拒否しなかった。自分もセーラを女性として好いているという彼女の思い込みを「馬鹿なことを言うものではない」と一蹴もしなかったのは、その彼女の精神の幼さを慮った故だった。

自分が少々小言を言っただけで、彼女は自分の全存在を否定されたと思いこんでしまうほど幼い。

彼女のこのわかりやすい好意を拒否したら、彼女はまた自分の全存在を否定されたと思ってどん底に沈みやしないかが、危ぶまれた。

それに、耳に痛い言葉は嫌悪の感情からで、耳に甘い賞賛の言葉だけが好意の証だと単純に思ってしまう彼女の幼さを思うと、実のない口先だけの賞賛や好意の言葉を発するものに、この少女は何時、簡単に騙されてしまうかしれたものではない、と、オズインは心配になってしまった。口の上手い若者に玩ばれやしまいか、人買いに騙されて娼館に売り払われたりしまいか…など、悪い想像が次々と頭に浮かんでしまう。

何にせよ、彼女のことが気がかりで仕方ない。心配でたまらず、ずっと彼女の動向を注視していないと、気がすまないのではないかとさえ思った。

我ながら、この落ち着かない感情をどうしたものかと頭を抱えた時、以前、マシューが侯弟ヘクトルを評していた時のことを、ふと、思い出したのだ。

目が離せなくて、放っておけないなら、とことん付き合ってしまう方がいいのだと、その時、マシューは言っていた。

そうだ、そうすればいい、いや、そうするしかない。

気になって仕方ないのなら。危なっかしくて目を離すことができないのなら、それなら、いっそ手元に置けばいい。いつも傍で見守ってやればいいのだ。

だから、セーラが自分にまとわり付くに任せた。

傍に置くうちに、オズインは、この少女の自意識の揺れとでも言うようなものが傍から見ていて少しづつわかっていった。

感謝や褒め言葉を誰彼かまわず強要したり、自分への礼賛を憚らないのは『自分』を周囲に認めてもらいたくて必死だからではないのか。本当の意味で自分が確立していないから、わかりやすい褒め言葉を要求せずにはいられず、反対に、小言には容易く自信を失ってしまうようだ。また、人に対し、絶対服従などと無茶を言うのは、甘えているからに思える。気を許した者にはわざと無理難題を吹っかけ、どれほど我侭を聞いてくれるかで彼女は自分への関心や愛情の度合いを無意識に計り、確かめたがっている、そんな気がした。

彼女の出自とオスティア候家に召抱えられるまでの生育歴を思い出し、オズインはセーラの不安定な情緒のわけに思い当たった。

確か…孤児だった彼女の育った修道院は、現オスティア候が援助するまでは、それは酷い有様だったらしい。寄進だけでは孤児たちは3度の食事もままならず、冬には燃料も買えないので子供たちは数人で薄いボロ布に包まってお互いの身体で暖を取っていたというような話を聞いた覚えがある。

そんな不遇な子供たちの中でも彼女は杖を使う才に恵まれた故に、修道院を出てオスティア候家に仕えることができた。

彼女が惨めな境遇から抜けだせたのは、自分の才を認めてもらえたからに他ならない…ならば「何かと引き換え」とか「何かの見返り」がないと、自分は周囲から大事にされないと無意識のうちに感じているのではないか。常に『自分』の価値を認めてもらえないと、あのひもじい寒い惨めな場所に逆戻りしてしまうかも、という理屈ではない不安が彼女にはあるのかもしれないとも思えた。

それを思えば妙に爵位や金銭に執着を示したり、絶対服従の部下を欲しがるような気持ちも理解できた。

充分に愛情を受け大切にされた体験が乏しいから、際限なくわがままを聞いてくれる存在に憧れ。

何時までも周囲に大事にしてもらえるための、目に見える縁(よすが)として「金銭」や「爵位」に執着するのではないかと。それは誰にもわかりやすい「周囲に認めてもらえる価値」だからだろう。

つまり…彼女は…多分、大切にされたいだけなのだ。安心できる場所が欲しいのだ。

人として大切にされ、尊重されたいのだ。感謝される褒められることで、自分は必要とされ、求められていると感じたいのだ。大事にされ、必要とされることで…つまり、安心できる自分の居場所が欲しいのではないのか…。

だが、年若い少年たちには彼女のある種の「おしつけがましさ」の背後にあるものは見えまい。何故、彼女が高飛車な言動や際限ないわがままを繰り返すのかまで考えが回らず、彼女に振り回されて疲れきってしまう。

これは周囲の者にとっても、そして、何より彼女自身のためにならない。こんなことで、彼女の真にほしいものは恐らく手に入らないからだ。方法が、その方向性が悲しいほどに間違っているから。

それに気付いてしまってから、ますます彼女から目を離すことができないと思った。

そして、気付いてしまったのなら…

…自分が、彼女の「安心できる居場所」になってやればいい。

天啓のようにそう思った。そうだ、自分が彼女に「何かと引き換えでなくても、君は、愛されるし、大切にされるのだ」ということを教えてやればいい、教えてやりたいと思った。

自分は、彼女が安心できるようになるまで、何かわかりやすい拠り所にすがらなくても済むようになるまで、本当の意味での自信がもてるようになるまで、とことん愛情を注ごう。

彼女が一個のオトナとして自分で立てるようになるまでの一時的なものでもいい。

見返りなしに愛され大事にされるとはどういうことか、実際にその身で実感してわかってくれば、大切にされたことが本当の自信につながろう、さすれば、ある種のさもしい言動も収まろうし、無闇に周囲に自分を認めさせようという言動もなりをひそめよう。愛情を測るような我侭や、口先だけの好意に惑わされる恐れも減じよう。

どうせ、気になって仕方ないのだ。口先だけの賞賛をする者に騙されやしないかと、気がかりで仕方なく、目が離せない。ならば、この気持ちもまた「情愛」といえるのではないか。燃えるような恋情とはいえない、むしろ父性愛に近いような気もするが、これも、大雑把にくくればセーラの言う「好き」という感情と言ってもいいかもしれないと思えた。実際、自分は戦いの前「誰も死なずにすみますように、誰か怪我しても私の杖で治してあげられますように」と祈っていた彼女の優しさを知っていたし、そんな彼女に好意を抱いていたからこそ、様々な面で気になって仕方なかったのだろうと素直に思えたのだった。

だから、見返りなどなくても、何かの奉仕や恩を売るというような代償などなくとも、君は君であるだけで愛され、大切にされるということを存分に伝えてやりたかった。伝えてやろうと心を決めた。

そして、彼女の「前向きに検討するから楽しみにしてくださいねっ!」という言葉の当然の帰結としての

「好きあってる男女なら当然のことですよねっ!」

という結論?期待?とにかく彼女のこの思い込みにも、必然的にオズインは率直に応えることを決意した。

彼女には「理屈でなく愛され、とことん大切にされる経験」が嫌というほど必要だと思ったから、それなら、その実体験を存分に示し実感させることもまた、必要欠くべからざることであろうと思えた。

だから、彼女から衒いない愛情を示されれば受け止め、かつ応え、求められれば全身全霊で愛を交わした。

彼女からの見返りなど求めず、ひたすら一心に情愛を注ぎこみ、触れて交わった。

だからこそ、彼女が何かの見返りを求めて、自分に奉仕する気なら断るつもりだった。

何をしなくても、何かと引き換えでなくても、君は愛され大切にされると、自分は繰り返し告げてやりたいのだから。

だが、これは義務感からではない。オズイン自身もまた、セーラに愛情を注ぐことを決して義務や苦労ではなく、喜びであると感じている。この少女に浴びるような愛情を示してやる役割に、自分もまた喜びを覚えていると、オズインは自覚していた。

若い肉体を存分に堪能できるからなどではない。経験が乏しく未熟な肉体は、性愛の悦びを極めるには、労多くてむしろ実りは少ない。だから、自分の感じている喜びは、愛しきものに存分に愛情を注げる喜び、とでもいうのか。人は『愛されたい』と願うばかりでなく『愛したい』とも願うのだ、とことん情愛を傾けられる存在を欲してもいるのだと、思い知らされた。

出征した折りには、無鉄砲さばかりが目に付いたヘクトルも、もう充分1人立ちする分別も身についてきた。

今後の人生をともにする伴侶も見出したようだった。

それなら、お目付け役がお役ご免の日もそう遠くないかもしれない。

その時、自分は安堵とともに一抹の寂寥を感じるやもしれない。だが、セーラのおかげで、そんな感慨に浸る暇もないなら、自分こそ、セーラに救われることになるのかもしれん…

「オズインさまぁ、何を考えてるんですか?」

オズインの胸板の上で、指先でのの字を書きながらセーラが尋ねた。

「わかった!私がかわいくて仕方ないなーとか、考えてたんでしょ!」

「まあ、そういってもよかろう」

「もーオズインさまったら、正直ものなんだからぁ!そんなに私のこと好き?なら、もう1回してもいいですよ?うふふ…」

悪戯っぽく笑って、セーラがオズインのものに手を伸ばしてきた。

「こらこら、私は君ほど若くないんだ。そんなに続けざまにはできん」

「んもー、オズインさまったら、愛は態度と行動で示さなくちゃ!」

「充分、示しているつもりだが?」

「んーんー、そうだけど!でも、私が、もっと若い男の子に方に行っちゃったら困るなーとか、だから、もっとがんばっちゃおうかなーとか思わないんですかー?」

「…そうだな、君がそういうことを言っている間は…私の傍にいなさい。愛情を測ろうとするのは、向けられる愛情と愛される自分の両方に自信がないからだろう。なら、私は、まだ君に充分な愛情を感じさせてないことになる…。だから、そういうことを言いたくなってしまう間は、私の傍にいなさい、いいね」

「オズインさま…」

「だが…もし、愛情を測るような気がおきなくなったら…自分の気持ちも人の気持ちも、試さずとも信じられるようになったその時も、私の傍にいたいかどうかは…その時に、改めて君が決めるといい。その時は、もう君の方が私を必要としていないかもしれないからな…」

「やっ!だめ!そんなことない!嘘、嘘なの!他の人の所になんて行かない!私、オズインさまがダメって言っても、傍にいます!傍にいたいです!」

「そうか…」

必死になってしがみついてくるセーラの和えかな重みと温もりに、心が安らいだ。

自分で思っている以上に…いや、彼女に愛情を注いでいるつもりで、やはり、癒され救われているのは自分の方なのかもしれないな、とオズインは思い、セーラの身体をしっかと抱きしめなおした。

そして、感謝の気持ち…に似た思いをこめて、小さな柔らかな唇にそっと口付けた。

FIN


初書きのオズイン×セーラ、お楽しみいただけたでしょうか?私も我ながら、オズセラを書く日が来るとは思ってもいませんでした(笑)そんな私にオズセラ書きたい!と思わせてくれたのは、青空給仕様の1枚目の挿絵でした。
元々は青空さんサイトでは、イラストに書き文字で「やめなさい」「いや」という二人の台詞が入ってまして、このシチュに、私は、えらくそそられてしまったのですね。
オズインが愛撫を「やめなさい」という理由は、単に「つつしみがないから辞めなさい」とか、そんな単純な意味じゃないような気がしたんですよ、そんなことをする必要はないんだよ、とでもいうような大きな愛をイラストから感じたんです。
文中で言及してますが、セーラというのは戦災孤児としては普通ちゃ普通ですが、現代日本の子供に比べたらかなり悲惨な生育環境下にあったことが公式に設定されてまして、その逆境を生き抜くために「本当は自分は貴族のご落胤なのだ」という誰にでもわかるような嘘で自分を支えてるような、支えずにはいられないような寂しい子なんです。ぱっと見の言動は、きゃんきゃん煩い女の子って感じですが、その煩さも大人からみると、どう見ても「かまって、かまって」と甘えてるだけなのですな。
この不安定なセーラを理解し、受けとめてやれるのは、やはり、セーラの不安定さを見抜けるだけの経験と目のあるオトナの男性であるオズインであるというのは、自然な流れだと思いまして。
オズインは、セーラが真に自分を確立するためのエネルギーを注ぎ込むべく、目一杯愛します。人は無条件に愛されたって経験が、辛いことに立ち向かうための力になると、私は思ってますから。そして、大人のオズインには、それだけの余裕と力がある筈だから。
だから「やめなさい」なのですよ、そんなことをしなくても、何の見返りがなくても「君は君であるだけで愛される」とオズインは伝えるために「やめなさい」と言ったのだ!という思い込みから、このお話はできました。
もちろん、愛を注ぐことで、オズインもまた幸せなんですよ。恋がしたいっていうのは、単に「愛されたい」ってことじゃないでしょう?人は、自分の想いを思い切り注ぎ込める相手というのを欲するものだし、そういう相手を見つけられたことは、限りない幸せだと思うから。
だから、今は愛を注ぐことで幸せなオズインだけど、オトナになったセーラが己の意思で、改めて自分を選んでくれたら…ということも、心の隅でもちろん願っているわけです。でも、恩着せがましい態度は絶対とらない、こんなに愛してやったのに、なんて絶対言わないで、ただ見守るのがオズインなのだなぁ。
私にオズセラのお話をインスパイアしてくれた青空さんには、ほんと、感謝の言葉もありません。
元々他の方のリク絵だったので、私が文章つけちゃっていいものか、とも思ったのですが、関係諸氏にもご快諾いただけ、公開の運びと相成りましたことも、感謝の極みです。
しかも、青空さんには、がんがんに愛されまくってるセーラのイラストを更に書き下ろしていただけちゃって、もー歓喜のあまり、踊ってしまいましたわ、私は!
骨董甲子園さまでも、こちらのお話を飾っていただいてますが、もともとのフルカラー&セーラがばっちり挿入されている萌えバージョンのイラストがご覧いただけますよー。
あの私の描写から、あの体位をよくぞ、ここまでわかりやすくビジュアル化してくださいました!ちっさなセーラは、オズインの太腿の上に乗っけられるような形で愛されてるってのが、もーばっちりわかります!すっごくいたいけでエロちっくー!
是非是非、つか、もう絶対、骨董甲子園様のオリジナルイラストの方を見てくださいませね!

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