Die Heirate aus Liebe〜恋愛結婚〜
挿絵 青空給仕様

今宵ルネスの王城は晴れがましい喜びの空気に満ち満ちていた。

王の双子の妹姫、エイリーク王女が真銀の騎士ゼトと華燭の典を挙げたのだ。王女と国随一の騎士の婚礼は、ルネス復興および新生の象徴であり、近隣諸国の王族や城下の家臣たちは皆、諸手をあげて二人を祝福してくれた。

その祝宴は、若きルネス王エフラムが自ら取り仕切った。

本来なら国を挙げての式典は宰相クラスの重臣が取り仕切る処であるが、現ルネス王エフラムの片腕として政治の補佐を行うゼト自身が、この佳日の主役だからである。

着々と復興しつつあるとはいえ、戦禍の傷跡深いルネスはお世辞にも国家財政にゆとりがあるとはいえない。しかし、花嫁となるエイリークは臣下であるゼトに降嫁してもルネスの王位継承権は存続されるので、王族という立場上、あまりに質素かつ簡素な婚礼というわけにもいかない。そこでエフラムは、近隣諸国からの招待客は極近しい親交のある王族に限る一方、ルネス王家に仕える者たちには慰労の意味も込めて祝宴の馳走と祝い酒を潤沢に振舞った。料理も無闇に豪奢な食材は用いず、滋味豊かな土地のもの、季節のものを豊富に供した。見た目の華美より質実剛健を尊ぶエフラムらしい采配であった。

そして祝宴もたけなわの折を見て、エフラムは、花婿であり、いまや義弟ともなったゼトに「宴は明け方まで無礼講だ、おまえたちが最後まで付き合うことはない、エイリークも挙式の緊張で疲れているだろうから、おまえはエイリークを連れてもう私室に下がった方がいい」と耳打ちした。

ゼトは一瞬の逡巡を見せたが、エイリークのことを出され、素直にエフラムの進言に従った。

ゼトは清楚で優雅な花嫁衣装に身を包んだエイリークの手をこの上なく大切そうにとると、エフラムに一礼してから、新居となる王城の小離宮に向かった。

二人の後姿を見送りながら、エフラムはその背に「王女の新床に祝福あれ」とワイングラスを掲げた。

 

挙式の時から祝宴の間中、ずっとエイリークは言葉少なだった。

兄エフラムからこの手をゼトが受け取ってくれたその瞬間から、足は雲を踏んでいるように覚束なく、誓いの口付けに…一瞬、唇が重なっただけのものだったが、尚更心はふわふわと浮き立ってしまい、手を取られて離宮に続く回廊をゆっくりと歩いている今も、頭は熱に浮かされたよう、心臓は駿馬のごとく速駆けている。

言葉が上手く出ないだけではない。エイリークはヴァージンロードで兄エフラムにけしかけられたことを思い出すと、頬が火照ってしまってゼトの顔をまともに見られない。ゼトと瞳が合うと、自ずと頬が染まり、ゆっくりと躊躇いがちに瞳を伏せてしまう。そんなことを幾度繰り返したかわからない。王族の常として婚姻の意味は良く教えられていたから、恥らう気持も大きい。

もちろん、ゼトと真の意味で結ばれることが嫌であろう筈がない。ただ、これからのことを思うだけで目くるめくような眩暈に圧倒されてしまい、どうしたらいいのか、ゼトに、どんな顔を向ければいいのかわからなくなってしまう。だから振る舞いや仕草が殊更控えめにたおやかになる。

ゼトはゼトで、そんなエイリークのことをこの上なく優しげに見つめ、微笑むばかりで、式の最中から今に至るまでやはり言葉は少なかった。

そのゼトの優しい沈黙が、エイリークをして、ますます、淑やかに振舞わせてしまう。

『ゼトは…今、何を思っているのでしょう…私のように…こんなに落ち着かない気持でいるなんてことは、きっとないのでしょうけど…でも…今日という日を、少しは嬉しいと…幸せだと感じてくれているでしょうか…』

幸せと恥らいの気持が重なって、エイリークの頬を艶やかに染める。幸福な気持の中に忍び込む小さな慄きに心が震える時、エイリークの睫もいたいけに震える。

この時のエイリークは自分のかもす風情というものにまったく自覚がなかった。ゼトと視線が合うと、エイリークは、一瞬、真摯で切なげな眼差しをゼトに向けた後、ゆっくりと瞳を伏せ躊躇いがちに視線を泳がせていたのだが、揺れる長いまつげの陰影は、意識せずとも思わせぶりな媚態にもなることにエイリークは気付いていない。楚々とした仕草の一つ一つがいかに男の欲を斯き立てるかも、恥じらいに染まる頬の色が男の目からいかに可憐に映るかも知らなかった。そして、すぐに瞳を伏せてしまうが故に、ゼトが終始いかに自分を熱っぽく見つめているかもエイリークは知らずにいた。

静かにそぞろ歩いた回廊の果てに、自分たちの住まいとなる離宮の入口が見えてきた時だった。

「エイリーク様、ご無礼を…」

耳元で低い声に囁きかけられたかと思うと、エイリークの身体はふわりと宙に浮いた。

「きゃ…」

文字通り、地に足がつかない頼りなさに、エイリークは、思わず目の前のものにすがりついた。何故か、とても懐かしいような胸の熱くなる思いがこみ上げてくる。

自分がゼトに抱き上げられていること、そして、見るからに頼もしいゼトの体躯に自らもしっかと抱きついていることにエイリークはすぐに気付いた。

こんな風に抱きかかえられたのは…ルネス落城のあの時以来かもしれない…ゼトの胸にこの身をしかと抱かれて心強く感じながらも、己の非力が情けなく恨めしかったあの日。私を抱えた不利な状況で、私を庇いながら敵の竜騎士と戦い…そのせいで酷い傷を負って…それでも私を守り抜いてくれたゼト…

私の心は、あの時からゼトのもの、ゼトだけのもの。ゼトも…私をあのまま抱いていたかったと、過日、言ってくれた。今も、そう思ってくれているのでしょうか。だから…私を抱き上げてくれたのでしょうか…。

エイリークは今まで以上に燃えるような頬を感じながら、問いかけるような瞳でゼトをじっと見つめた。目を伏せず、ゼトをまっすぐにみつめたのは、この日、この時が初めてだった。

ゼトは優しくエイリークに笑みを返して、こう言った。

「私の郷里では…このように花嫁を抱いて新居に入るのが慣わしなのです」

「ゼト…」

ゼトにはっきりと『花嫁』といわれて、エイリークは、心臓が破裂してしまうかと思うほどだった。もう、何も言葉が出ず、ゼトの顔をまともに見ることもできず、ただ、ゼトの広い胸に己の身を預け、ゼトの首筋に顔を埋めるようにしてひしと抱きついた。ゼトは、そんな花嫁をしっかと抱いて、黙って新居の門をくぐった。

 

エイリークがそっと下ろされた先はゆったりとしたカウチだった。クッションは身体が沈まんばかりに柔らかく、背もたれは優美で複雑な曲線の凝った装飾が施されている。

「お疲れではありませんか、エイリーク様」

ソファに下ろされたエイリークに視線を合わせ…つまり、自分はソファの前に跪いた姿勢でゼトが気遣わしげにエイリークに尋ねた。

エイリークのふわふわと浮き立つようだった心持は、ゼトの、この弁えた態度と丁重すぎる言葉に、空気が抜けた風船のように萎んでしまった。

「どうぞ…エイリークとおよびください。私は、もう、あなたの妻なのですから…」

胸に小さな痛みを覚えながら、エイリークはゼトに切実な様子で訴えた。

丁重に接せられ…つまり、今までと変わらず遇されて、エイリークは急に不安になってしまったのだ。

あまりに丁重に振舞われると、私がゼトを慕うあまり…ゼトは、私を哀れと思って気持に応えてくれているだけではないかと、ふと、思ってしまう。王女である私の好意を退けられなかっただけではないかと…不安になる。

思えば、兄エフラムの後押しあってこそ、この日を迎えられた自分だ。1度は諦めようとした想いだからこそ、その喜びも信じられない程大きかった。だが、それは言葉を変えれば…エフラムの力添えがなければ、ゼトは自分の手を…取ることはなかっただろうということでもある。その事実がともするとエイリークを心弱りさせる。

ゼトと結婚できるだけで幸福なのに、ゼトが心から望んで私を娶ってくれたのでなければ嫌、哀しいとも思ってしまう…。

他の人に嫁ぐことなど考えられない…そして、もし、あなたが他の女性を娶る処を目の当たりにしたら私の胸は張り裂けてしまったことでしょう…それを思えば、今が、信じられないほど幸せだとわかっているのにです…

自分でも知りませんでした…私は…こんなにも、欲張りだったのですね…

「ゼト…あまりに丁重に遇されると…何か…気持に隔てがあるようで…少し不安になってしまうのです…私はあなたの妻…なのにと…」

それ以上は言葉が続かなかった。ゼトを責める気など微塵もない。ただ、ゼトにとって私は「妻」であるより、あくまで「王女」なのだろうかと思うと、ちりちり胸が痛む。丁重すぎる態度は、過日、ゼトが踏み越えようとしなかった距離を思いおこさせ、ゼトが自分との間におこうとした隔たりが、今もあるのではないかと危ぶんでしまう。だからエイリークは不安になる。

ゼトとの距離なんて失くしてしまいたい、もっとゼトと近しくなりたい…エイリークの望みは、ただ、これだけだから。

ゼトにもっと近づきたい、近づいてきてほしい…身も心も…。

すがるようにゼトをみつめるエイリークの熱っぽい瞳は、どんな言葉よりも雄弁にエイリークのこの心の内をゼトに訴えかけ、伝えた。

「…エイリーク様」

次の瞬間、エイリークはゼトの広い胸に思い切りかき抱かれていた。

「ゼト…」

「いえ、エイリーク。許してください。私の無思慮な振る舞いを…」

ゼトは一度抱擁を解くと、改めてエイリークの手を取り、エイリークを真っ直ぐに見つめた。

「私の妻となろうと、あなたがこのルネスの王女であることに変わりはなく、私もまた臣下の身であることに変わりはありません。私があなたの夫になったからといって、あなたを妻に迎えたからといって、いきなり、普通の夫婦のように振舞ってよいとも思えず…どう、あなたに接したものか、自分でも、しかと心が定まらなかった。結婚の喜びに浮かれるあまり、あなたに馴れ馴れしい態度をとり…その無礼を咎められ、あなたの心が離れていきはしないかも…不安だった…」

「ゼト…そんな…私はあなたの妻になれて嬉しい。また、ゼトには叱られてしまうかもしれませんが…王女であることより、あなたの妻と呼ばれることが私は嬉しくてならないのです。あなたの妻になれば…あなたともっと近しくなれると思い嬉しくてたまりませんでした。だから、どうか…ゼトも普通の夫が妻に接するように、私に接してください。私を王女として遇してくださる方はたくさんいます、でも、私の夫はあなただけ…私を妻と呼んでくださるのはあなただけなのですから…」

このエイリークの言葉に、ゼトは、更に己の浅慮を後悔した。

エイリークがあまりに大切だからこそ、どんな態度で接すればいいのか、どう遇していいか迷っていたことは事実だった。

夫になったからといって、いきなり親しすぎる態度を示せば、王女であるエイリークはその弁えのなさを呆れ厭うのではないかと危ぶんだ。

だが真に高貴な血は、その尊さを声高に主張したりはしない。真の意味で高潔な精神の持ち主は、これ見よがしの敬意や厚遇を要求しない。そんなもので自尊を支える必要がないからだ。

だからエイリークは自分の弁えた態度など望まない。ただ、ひたすらに、一途にもっと近しくなりたいと切望してくれていた。そして1人の女として、1人の男の自分を求めてくれたエイリークには、自分も心のままに応え求めてよかったのだ。

「エイリーク」

ゼトはもう一度、エイリークをぎゅっと抱きしめながらこう言った。

「すまなかった。私が…こうして、率直に心の欲するままに振舞っていれば…この晴れの日にあなたの心を僅かでも不安に曇らせることもなかった…私が下手に遠慮などせず……」

言葉の合間に、ゼトは触れるだけの口付けをエイリークに落とした。

「こうして…心の求めるままに、あなたを欲する気持を示せばよかった…あなたを抱きしめたい、口付けたくてたまらなかったこの気持を…」

「ゼト…ゼト…本当に…?」

エイリークの瞳に涙のしずくが盛り上がり、一粒、滑らかな頬にすべりおちた。

「エイリーク?」

ゼトは慌てた。何故、エイリークが涙するのかわからない。先刻も自分の慇懃すぎる態度がエイリークを不安にさせてしまった。せっかくの婚姻の日なのに、花嫁は誰より幸福な笑みに輝いているべき日なのに、自分はエイリークの心を悩ませるだけなのか?と、そんな悪い考えが頭を掠めたそのときだった

「嬉し…ゼト…そんな…そんな風に思ってくれていたのですね…ゼトが、あまりに私に丁寧だから…式の間も、あまりお話もしなかったから…もしかしたら、私に恥をかかせないために…いえ、よくて、私があまりにゼトを慕っているから、ゼトはその気持に応えてくれただけなのかもしれないとも思っていました、ゼトは優しいから…とても優しいから…今も…それだけの気持で傍にいてくれるのかと少し不安でした…それでも、私はそれを幸福だと思うべきだとわかっているのにです…私は、とてもわがままです。私がゼトを思うほどに、ゼトにも私を思って欲しいと考えてしまって…でも、ゼトはとても言葉少なだったから…それは望みすぎなのやもと思っていました」

「エイリーク、私が何故…言葉を失っていたか、わかりますか?」

「…え?…いいえ」

「…私があなたを娶ることができるなど…あまりに幸福で、今も夢を見ているようで…不用意に言葉を発したら、この夢が覚めてしまうのではないかと…今、この時が信じられず、言葉を発するのが怖かった…」

「ゼト…」

「そして、何より…あなたが、あまりに愛らしく美しくて…あなたの花嫁姿があまりに美しく、こんなにも美しく麗しいあなたを花嫁に迎えられることが信じられなかった…言葉を忘れて見つめずにいられなかった…それほど、私はあなたの美しさに魅了され、心を奪われていた。…誰よりあなたの近くにあることが幸福なあまり、言葉を忘れていた…この気持を正直に伝えていればよかった…」

「…ゼト……本当に…?私…嬉しくて…また泣いてしまいそうです…」

「いいえ、泣かせません。私の腕の中にありながらあなたを泣かせたりしない。あなたの笑みを守ることが私の努めであり喜びなのだから…」

「はい…はい、ゼト…」

「ですが…私の心をこんなにも幸福で満たし、あまりの可憐さに心乱してもいたあなたは、その自覚もなかったとは…私がいかにあなたを愛しく思っているか、その愛らしさに心奪われていたかもご存じないとは…全く、あなたという方は…」

ゼトの口調は言葉と裏腹に非難する空気は欠片もない。ただ、ひたすらにその声音は甘く、この上なく優しい笑みをエイリークに向けている。

「ああ…ゼト…」

「愛している、エイリーク。私がどれ程あなたを愛しく思っているか…心の限り、お伝えしたい」

「はい、教えてください。私もあなたにお伝えしたい。私があなたをどれ程お慕いしているか…そして私を、あなたの妻に…本当の妻にしてください」

「エイリーク、私の花嫁…」

ゼトは、エイリークの背中と膝下に腕を回して、己の花嫁を再び抱き上げると、幾つもの口付けを振らせながら寝室へと向かった。

 

幾つも幾つもそれぞれに触れる角度を変えたゼトの口付けは、春の雨滴のようだった。優しく暖かく無数に振ってきて、エイリークを包み込む。

夢中で口付けを受けるうちに、エイリークはぽわんと頭に霞がかかったような心持になっていた。が、ぎし…と軋む木の音と、体がふんわりと沈み込む感触に、自分が寝台の上にそっと下ろされたことを悟った。

途端に頭に血が上る。

心の底から望んでいることでも、だからといって、胸の動悸が治まるものではない。いや、心から望んでいるからこそ、破裂しそうに胸は高鳴り、頭はくらくらとして気が遠くなりそうだ。

ゼトの手が滑るようにエイリークのヴェールを外し、寝台の脇卓に置く。その拍子に髪に飾られていた花が一ひら二ひらとシーツの上に零れ落ちた。

ゼトは、エイリークの髪を飾っていたその花を手に取ると、花びらにそっと口付けてから、ヴェールと一緒に卓においた。ゼトの長く綺麗な指が花を取る様子に、そして愛しげに口付けるその表情に、エイリークは自分でも何故かわからぬうちに、体の芯が熱く火照りゆくのを感じる。

身の内の奥深い処から涌き溢れてくる熱い感情をどう扱っていいかわからず、エイリークは瞳を閉じてゼトにすがりつく。

ゼトはそんなエイリークを安心させるように、ついばむような優しい口付けを繰り返す。艶やかな髪を優しく撫でながら、純白の絹のドレスのぼたんを一つ一つ外していく。

ドレスを肩から落としざま、引き寄せられるように、ゼトはエイリークの白くなよやかな首筋に唇を落とした。

「あ…」

エイリークが戸惑うような声をあげる。

すかさずゼトの唇は、エイリークの唇に舞い戻る。宥めるように穏やかにエイリークの唇を塞いでから徐々に口付けを深めていく。舌を優しく絡ませながら、ゼトの手は迷いなくエイリークの着衣を剥ぎ取っていく。

そして、エイリークの肌を少しづつ露にしていくごとに、ゼトはその部分に唇で触れていく。

取り去る布の替わりに己の唇でエイリークの肌を覆い隠すように。

露にされた華奢な肩からうなじへ、胸元からしなやかな二の腕へと、ゼトの唇は徐々に満遍なくエイリークの肌を降りていく。ゼトの唇に触れられた処からは、電気が走るかのようで、エイリークは自然と身体が震えてしまう。それは心地よい戦慄だと知ってか知らずか、ゼトはエイリークの震えを抑えるように硬く抱きしめてくれる。エイリークは夢中でゼトを抱き返す。

その、僅かに腰を浮かせた拍子に軽く抱き上げられてエイリークはドレスを全て取り去られた。

すがるようにゼトを見つめると、ゼトも自らの礼装を緩めていた。シャツの隙間からゼトの逞しく厚い胸板が見てとれ、エイリークはどぎまぎして目を瞑ってしまった。

と、ゼトは、唐突にエイリークの細い指を口に含んだ。そして此度は手首から肘の内側へと唇を遡らせていった。

「は…ぁ…」

エイリークがやるせない吐息をつく。

途端に、その吐息ごと飲み込むような深い口付けを与えられた。口腔の奥までゼトの舌が入ってきて、きつく唇を吸われた。同時にエイリークの背筋をくすぐるようにゼトの指が蠢き、ランジェリーも外し取ろうとする。

「んんっ…」

ゼトの指先が背筋を這う感触にぴくんと背が軽くしなり、そのはずみに、エイリークの乳房がふるりと揺れて零れおちた。

「あ…」

恥じらいに思わず手で胸を隠そうとするその暇を与えず、ゼトの掌がエイリークの乳房を優しく包み込んだ。

ゼトの手の温もりがエイリークの肌にじんわりと伝わってきた。ゼトの手の大きさが、暖かさがエイリークは大好きで、ゼトの手はいつも自分に安心をくれたけど、今は、その同じ手の温もりが慕わしいと同時に恥ずかしくてたまらない。どうしたらいいかわからず、きゅっと唇を噛んで、硬く瞳を閉じてしまう。

すると、またも唇が塞がれた。ゼトの舌に歯列をあけるよう促され、おずおずとそれに応えると、ねっとりと舌を絡ませあう口付けをされた。ゼトはエイリークの心が震える度に、優しい口付けをくれるのがわかる。エイリークの気持を鎮めるように。露にされた肌の分だけ緊張していた心が、ゼトのキスに柔らかく解される。

心が解れると、体も柔らかくなるのだろうか。それを察したように、ゼトの手がゆっくりとエイリークの乳房をやんわりとこねるように揉み始めた。

「ふぁ…」

エイリークは思わず鼻にかかった吐息を零す。

そして、ゼトはゼトでエイリークの乳房の美しさに言葉を失い、その感触に賛嘆の吐息をついていた。

つんと上向きの稜線を描く真白い乳房は、神の手による彫刻のような美しさだった。小振りに見えるが触れてみると意外なほど持ち重りがする。しっとりと手に吸い付いてくるような肌と、指を食い込ませるのが躊躇われるほどの妙なる柔らかさがたまらなくゼトの心を熱くする。桜色の先端は譬えようもなく可憐で、触れてほしいと誘いかけるような風情がゼトの目を捕らえて離さない。

エイリークに思い切り触れたい、自分がいかに切実にエイリークを欲しているかを、咆哮するようにぶつけたい。が、無垢なエイリークを僅かでも怯えさせたくはないとも思う。引き裂かれる気持そのものがゼトの真実だ。

ゼトは奇跡のように美しい膨らみを思い切り揉みしだきたい気持を無理矢理押さえ込むと、その感触を掌に染み渡らせるようにじっくりとエイリークの乳房をこね回した。指と指の間に挟み込んだ乳首の輪郭が少しづつ粟立ち、先端が硬くしこっていくのを感じる。

その感触に誘われるようにゼトは尖りかけた先端を指の腹で軽く円を描いて擦ってみた。

「あんっ…」

びくんっ…とエイリークが身体をしならせた。ゼトを誘うように乳房が前に突き出される。指先で弄った途端に紅の色を増し、硬く立ち上がった乳首にゼトは心臓の真ん中を射抜かれた気がした。

瞬間、思考が空白となり、気がつくと、思い切りエイリークの身体を組み敷いていた。

指を絡ませて寝台に縫い付けるようにエイリークの身体を押さえ込み、彼女の自由を奪っていた。

ゼトは度を失った。今しがたエイリークを僅かでも怖がらせてはいけないと己に言い聞かせていたのになんたるざまだと、忸怩たる気持で絡めた指を解こうとした。

「怖がらせてすまない」

が、エイリークはきゅっとゼトの手を握り返してきた。絡めた指を解くまいと力を込めて。

「どうして?ゼト…」

ゼトが苦しそうに切なげに瞳を細めた。

「あなたを大切にしたい…怖がらせたくないんだ。私があなたをどれ程欲しているか…私が思いのままに振舞えばきっとあなたを怯えさせてしまう…」

「怖くなんてありません…ゼトが触れてくれる程に、私は喜びに震えるばかりなのに…」

「エイリーク…」

エイリークは、はにかみを湛えた眩しい笑みをゼトに向けた。

「教えてくださるのでしょう?ゼト…お願いです、あなたの思いの丈を全て私に教えて…抑えたりしないで、思いのまま触れて…それが私の喜びだから」

「っ…」

ゼトの内部で何かがはじけた。エイリークの身体を、力の限り、折れんばかりに抱きしめた。首筋に顔を埋め、胸一杯にエイリークの香りを吸い込み、しなやかな首筋に思う様舌を這わせては、きめ細かな肌を所々吸いあげた。

「はっ…あぁっ…」

いきなり渾身の力でゼトに抱きすくめられたエイリークが切なげで苦しげな声を発した。

ゼトはその声にむしろ押されるように、エイリークの肌のそこここを貪るように口付けては、花びらのような痕を次々と散らしていった。が、己の刻む刻印より、一層鮮やかな紅色に染まった乳房の先端にすぐに心奪われた。誘われるままに、その先端を口に含む。小気味いい弾力がゼトの唇に伝わってくる。舌先で舐め転がすとその舌を弾き返すほどにエイリークの乳首は既に硬く張り詰めていた。くっきりと立ち上がった乳首は、いかにも早く吸ってほしいとゼトに訴えているようで、ゼトは、熱に浮かされたような気持でエイリークの乳首にむしゃぶりついた。乳房の形が変わるほど指を食い込ませながら乳首を舐め上げ、舌先で転がし弾いては、音をたてて吸う。両の乳首を一時に舐めてやれないことがもどかしく、口に含まない乳首は、指先でつまみあげてくりくりと捻り転がしながら、先端を指の腹で擦る。愛撫を強請るように昂ぶっている乳首に僅かな間も空隙を感じさせたくなかった。

「ひぁっ…あ…あぁっ…やっ…」

エイリークは唐突にゼトからもたらされた怒涛のような感覚に溺れそうになっていた。

乳房の先端から、痺れるような居たたまれないような心地よさが間断なく迸る。ゼトの舌が乳首の突端をくすぐるたびに未知の、だが、もっともっとと強請りたくなるような快美感が海の波のように途切れなくエイリークを洗い何処かに攫っていこうとする。

でも、エイリークはそれを恐ろしいとは思わない。ゼトの熱情が、ひしひしと痛い程に唇から伝わってきて、それが身が震える程嬉しくてならない。

『ゼト…もっと…教えて…ぶつけて…あなたの想いを…』

そんな思いを込めて、エイリークは必死にゼトの肩に腕を回し、その燃えるような紅い髪に指を埋める。ゼトからの更なる愛撫を求めるように。

言葉にならぬ想いが通じたかのように、ゼトの手がエイリークの身体中を彷徨いはじめる。大きな手が、滑るようにエイリークの綺麗にくぼんだ鳩尾から優美な曲線を描くウェストを、そして柔らかな下腹を撫でていく。優れた剣の遣い手であるエイリークは身体全体が凛と締まって微塵も無駄がない。

ゼトの手がまろやかな臀部へとたどり着く。するとゼトは、エイリークの身体をぐいと抱き寄せ、半ば己の腹に乗せるような形で横向きにさせた。

「あ…」

エイリークの見せる戸惑いを宥めるように乳房に優しく口付けながら、背中の方から、冷んやりしっとりと手に吸い付いてくるようなまろいお臀をゼトは幾度もいとおしげに撫でさすった。それを受けてエイリークの身体のラインが、なよやかにたわむ。

と、ゼトの手がお臀の方から、極自然にエイリークの股間に滑り入り、指先が優しく花弁を擦った。

「ひぁっ…」

突然のことに、エイリークが驚いたように上体を反りかえらせた。

すかさずゼトは、身体を半ば起こしたエイリークの斜め下方から揺れる乳房の先端を唇で捕らえると、ぴちゃぴちゃと音と立てるように乳首を舐め回し始めた。

同時に、臀部の方からエイリークの股間に差し入れた手をゆっくりと前後させる。ふっくらともりあがる豊かな花弁とその合わせ目を、そろえた指先で微かに割るようにじっくりと弄る。

「あっ…やぁっ…あっ…あぁ…んんっ…」

ゼトの唇に捕らえられた乳首は、痛い程硬く尖りっぱなしだ。ゼトがまるで見せつけるように舌を差し出してその部分を舐めている。ゼトの舌が踊るたびに鋭い快楽がエイリークの全身に走る。

しかも…ゼトに触れられて初めて気付いた。エイリークの花弁は、ゼトを求めて疾うに歓喜の蜜を溢れさせ、豊かに滴らせていたのだと。

ゼトの指は、愛液のぬめりを花弁全体に塗り広げるようにゆっくりと動いている。指が前後する度にくちゅくちゅと粘り気のある水音が響き、同時にむずむずするような穏やかな心地よさがじんわりとエイリークの身体に広がっていく。

舌で掬いあげられるように乳首を舐め弾かれ、愛液と花弁の感触を指先で味わうように愛撫され、エイリークの身体の奥から際限なく熱いものが溢れ、こみあげてくる。

「…あなたは、こんなにも熱く私を求めてくださるか…」

「あぁ…ゼト…私…恥ずかしい…」

ゼトが感嘆したように漏らした言葉に、エイリークは羞恥に消え入りたいような気持になってゼトの胸に突っ伏した。するとゼトはエイリークの髪を撫でながら、頤をつまみあげて自分の方を向かせ、触れるだけの口付けをくれた。

「恥ずかしがらないで…私は嬉しくてならないのだから…私に触れられて、あなたが、こんなにも喜んでくれていることが…こんなにも熱く私を欲してくれていることが…」

エイリークは潤んだ瞳でゼトを見つめ返す。

「…いいのですか?私、こんなになって…恥ずかしくてならないのに…ゼトは嬉しいと言ってくださる…の?」

「ええ…あなたが高まってくれるほどに私は嬉しくてならない」

「ゼト…」

「花嫁衣裳のあなたはこの上なく美しかった、でも、今、生まれたままの姿で、悦びに全身を上気させているあなたは更に…たとえようもなく美しい。あなたの乱れ昂ぶる姿をもっと見たい、見せてほしい…私に…私だけに…」

そう言いながらゼトは、すっと指を花弁の上方に滑らせた。

「ひぅっ…」

途端に、電撃にうたれたような鋭い快感がエイリークの全身を突きぬけた。

エイリークは一瞬何が起きたのかわからなかった。

ゼトが、花弁の奥に息づく小さな肉芽を、愛液をたっぷりとまぶした指先でくじりまわしていた。その小さな1点から迸る感覚は余りに鋭く鮮烈で、エイリークの全身を甘く痺れさせた。

「あっ…あぁっ…ひぁんっ…やっ…なに…あ…あぁあっ…んんっー」

「気持いいですか?」

「やぁ…知らな…こんな…こんな…私、変…変です…あぁっ…」

「ああ、まったく、あなたは、なんと愛らしいのか…食べてしまいたくなる」

「え…?」

ゼトの身体が一瞬エイリークから離れた。と、すぐさまエイリークは脚を大きく広げられた。羞恥に身をよじる暇もなく、ゼトの体躯がその脚の間に割り入った。エイリークの太腿の付け根をしっかと抱えると同時に、ゼトはエイリークのの股間に顔を埋めてきた。

「あ、ああああっ…」

エイリークは、熱くぬめぬめとしたものが身体の中心に触れるのを感じた。途端に、頭の中に幾重にも重なって火花が散った。触れてくるものの熱さと、柔らかな弾力が、先刻より更にエイリークを狂おしく乱し、全身を白熱させる。小さな一点から、体中を痺れ溶かすような感覚が迸り、突き抜ける。

「やっ…ゼト…そんな…だめ…あっ…ひぁあっ…」

何も考えられなくなる程の、苦しいくらいの快楽と羞恥にエイリークは圧倒された。

鋭い愉悦の波に翻弄されるエイリークにわかるのは、ゼトの舌が、唇が、自分にこの激しい快楽を与えてくれているということだけだった。

ゼトはエイリークの若草を思わせる柔毛を掻き分け、花弁を容赦なく押し広げていた。愛液に濡れ濃い紅色に染まった花芯はこの上なく淫らに美しい。ゼトは無我夢中で花芽を、そして肉の珠を露にして舌先で縦横に弾いた。ぷっくりと膨らんだ肉の珠は、痛々しいほどに張り詰めきっており、ゼトはその可憐な珠を遮二無二しゃぶった。

「あんっ…あっ…あぁあっ…」

その刺激にエイリークの秘裂は愛液を噴出せんばかりに豊かに溢れさせる。ゼトは肉珠を弄うその舌先を時折丸めて鮮烈な液体を掬い取って味わった。それでも足らず、尖らせた舌先を秘裂の奥に差し入れ、複雑に重なる柔襞を舌で掻き分けるように幾度か抜き差しを繰り返した。舌で味わうエイリークの柔襞はきゅうきゅうと引き締まり、それでいて蕩けるように柔らかく熱い。その妙なる媚肉に己が包み込まれる時のことを思い、ゼトの昂ぶりは限界に達した。

エイリークも熱いゼトの舌が、自分の身体の内側深くに入り込んできた感触に、あまりの羞恥に意識が焼ききれそうになっていた。

「や…あぁっ…ゼト…恥ずかしすぎます…はっ…あぁんっ…」

「…あなたは愛らしすぎる。これが私だけに見せてくれる姿と思うと、尚更に愛しく…あなたが欲しくて…もう、私は頭が変になりそうだ」

「はっ…はぁ…ゼト…私も…私を…どうぞ、あなたのものに……」

「エイリーク…」

ゼトは身体を起こして、エイリークに口付けると、猛りきった怒張の先端を愛液に濡れ光る花弁の中心に押し当てた。

「力をぬいて…」

一気に貫いてしまいた気持を抑えこみ、ゼトは、じれったい程の慎重さで、ゆっくりとエイリークの秘裂に怒張を飲み込ませていった。

「は…あ…うっ…くぅっ…んんーっ…」

ゼトがゆっくりと細心の気遣いで入ってきてくれているのはわかった。それでも、その瞬間、気が遠くなりそうな痛みに、エイリークは思わずゼトの肩に爪をたてていた。

でも決して悲鳴はあげたくなかった。エイリークは唇をきゅっと噛んで、その痛みをなんとかやり過ごそうとする。

息を詰めて小刻みに震えるエイリークをゼトがぎゅっと抱きしめる。

「…すまない…辛い思いをさせる…もし、あまりに辛いようなら…」

「いえ…平気…平気ですから…お願いです、ゼト、止めたりしないで…私をあなたのものに…あなたの妻にして…くださ…い…」

「エイリーク…」

ゼトは改めてエイリークに口付けると、粛々と、だが、断固とエイリークの中に分け入った。

「んっ…んくぅ…」

ゼトが根元まで自身を収めきった時、燃えるように熱く、圧倒的な量感を持つゼトのものを余さず受け入れたエイリークは息が止りそうだった。

ゼトもエイリークの媚肉の感触に息を飲み、言葉を失っていた。

豊かな愛液に潤うエイリークの胎内は驚くほど滑らかで燃えるように熱かった。重なり合う柔襞は緊張のためか、幾分生硬な感触だったが、そのこなれなさが、尚更にゼトには愛しく感じられた。

「エイリーク…わかるか?あなたの中に私がいる…」

「あ…はい、ゼト……私、ゼトと結ばれているのですね…嬉し……」

「私もだ…あなたとこうして一つになれて…たまらなく幸せだ…」

「私もです、ゼト…幸せすぎて…」

「ああ、もう…、堪えられそうにない…」

ゼトは、ゆっくりとエイリークの胎内をさぐるように腰を動かし始めた。

「あ…あっ…ふあぁっ…」

エイリークは、たまらずにきゅっとゼトにしがみついた。まだひりつくような痛みが残る、それでなくても、動かれるとゼトのものがより大きく感じられて苦しいほどで、上手く息ができなくなる。でも、その分、ゼトが自分の中にいてくれること、ゼトと自分が分かちがたく結ばれているのだと、痛いほど感じられて、涙が出そうに嬉しい。

「ゼト…ゼト…」

「しっかり…私に捕まって…」

そういいながらゼトは自らもエイリークの身体をきつく抱きすくめる。

そして、少しづつ、腰の律動を早く、奥深くへと進めていく。

「はっ…あ…あぁっ……」

「くっ…」

ゼトは、繋がった部分から、全身が溶けていきそうに感じていた。

エイリークの媚肉は緊張からか痛みを堪えているからか、硬く締まって、ゼトの怒張を痛い程締め付けてくる。膣壁を擦るように突き入れ、雁首で媚肉を掻きだすように引きぬくと、エイリークの媚肉が名残惜しげに絡み付いてくるようで、その度にゼトの背筋を狂おしい快楽が走り抜ける。エイリークの媚肉の感触に酔いしれ今にも我を失いそうになる。がむしゃらに思い切り突き上げてやりたい気持がゼトを揺さぶる。

だが、自分と結ばれたい一心で苦痛を堪えてくれたエイリークに手前勝手な欲望を押し付けたくはないとも思う。少しでもいい、苦痛ではないものを感じ取らせてやれたらと切望する。

ゼトは、欲望の手綱をようよう引き絞りつつ、押さえ気味の律動を繰り返して、エイリークの悦楽を探すように最奥を極軽く突き上げてみた。

「ひぅっ…」

エイリークの背がしなった。同時に、エイリークの膣壁がきゅうっと痛い程に締まり、ゼトは思わずうめき声をあげそうになった。

「っ…辛い…か?」

痛みのせいで膣壁が緊張したのかと、ゼトは考えた。辛いといわれても、止められるか…ゼトには自信はなかった。が、エイリークの苦痛が耐え難ければ、どうあっても堪えてみせるという気持もあった。

エイリークは頬を上気させ、眦に涙を溜めて苦しげな表情で、いやいやと首を振った。

「ちが…今…奥、あたったら…響いて……私…変に……あ…あぁっ…」

「!……ここか…?」

ゼトは腰を密に接し、亀頭の先端で探るように最奥を小刻みに小突く。

「あぁっ…あっ…あんっ…」

先端が奥を突き上げる毎に、エイリークが頭をふる。過ぎる感覚をどうにか逃そうとするように。

ゼトは、思い切って最奥を狙い、力強く突き上げてみた。

「ひぁっ…」

エイリークが高い声をあげて、背をのけぞらせた。

身体の1番深いところを射し貫かれたような気がした。瞬間、ずしん…と重い快楽がエイリークの全身に響きわたった。愛撫を受けている時感じた鋭く痺れるような快楽とは、また異なる、身体の奥深くにいつまでも残響するような重厚な快楽が、身体の中心から全身に広がった。

その、エイリークの喉から迸った悲鳴のような嬌声と小刻みな身体の震えが、エイリークが快楽を感じとってくれていることをゼトに確信させた。

もう、堪えられない、いや、堪えなくていいのだ。

ゼトの魂は歓喜の咆哮をあげた。弾かれたように、自身をたたきつけるように、エイリークの最奥を思い切り突き上げた。

「あぁああーっ…」

エイリークが悲鳴のような嬌声をあげた。

構わずゼトは渾身の力で強く激しい律動を放つ。先端が奥にあたり、跳ね返される、最奥を突き上げる度に、エイリークの柔襞が痛い程に自分を締め付けてくる。その締め付けに逆らって無理矢理のように引き抜くと、雁首が捲れあげられ、信じられない程の快楽が突き抜ける。尚更力強く腰を打ち据え、膣壁を深く鋭く抉る。

「あぁっ…やっ…はっ…あぁんっ…こんな……すごい…」

エイリークは、もう何もわからない、身体の奥深くを思いきり突き上げられる度に、頭が真っ白になってしまう。内側から酷く擦られる度に、全身が燃えて灼ききれそうな気持になる。矢継ぎ早に、全身に重く響きわたるような快楽が幾重にも重なって、エイリークを圧倒する。

「ゼト…あぁ…だめ…私…あぁああっ…」

取り留めのない言葉に、エイリークが性の快楽に翻弄され、戸惑っているのがわかる。ゼトは、より深い快楽をエイリークを与えてやりたいと熱望する。

ゼトは上体を起こして、改めてエイリークの膝頭をしっかと支えると、思い切りよく、腰を突き出した。

「やああぁっ……」

ゼトはエイリークの脚を折り曲げたまま、素早い律動を息つく間もなくくりだした。自分の性器が…エイリークの愛液と破瓜の証に塗れ濡れ光る男根が、エイリークの可憐な花弁を惨いほどに押し開き、激しい勢いで出入りしている様が、まざまざと見て取れる。痛々しくも淫靡な光景にゼトの頭は沸騰しそうになる。

下から上へと、腹側の肉壁を雁首でえぐるように擦っては、力強く突き立てる。性器の先端がエイリークの最奥を叩く度に、エイリークが狂ったように頭をふる。同時にエイリークの柔襞が、ゼトのものをきゅうきゅうと絞めつける。

「いいか…?」

「あぁっ…やっ……わからな…あ…ふぁあっ……」

それでいい、なにもわからなくなるほど酔いしれてほしいのだ。

ゼトは、手指を自分の性器が突き刺ささっている花弁の上に、勃起しきって小さな顔を覗かせている肉珠にそっとあてがった。

エイリークの胎内をえぐるように腰を突き上げながら、指の腹でこりりと張り詰めている肉珠を擦った。

「ひぃっ…あぁああっ…」

エイリークの全身がびくびくと震える。二重に与えられる快楽に今にも心が灼ききれそうだ。

エイリークは全身がゼトに貫かれているようで、ゼトが余りに深く入ってくるので、どこまでが自分でどこからがゼトなのかもわからなくなっている。

こんなに苦しくて、切なくて、息がおいつかない…でも、熱くて…体中、燃えるようで、幸せでたまらない、こんなこと、好きな人とでなくてはできない、したくない

そう、好きな人だから…ゼトだから、こんなにも…満ち足りて…あなたと溶け合って交じり合ってしまうようで、それがたまらなく幸せで…

「ゼト…あなた…好き…あ…あぁっ…私…もう…あぁああっ…」

一際甲高い叫びがあがった瞬間、エイリークの膣壁がうねるよう蠕動して、ゼトのものをより密に包みこんで震えた。

「くぅっ…」

エイリークの最奥に思い切り自分をたたきつけた瞬間、堪えられずにゼトも自分を解き放った。

全ての激情が逆巻き、迸り、爆ぜるように雪崩れ込んだ。何もかもを手放し、溶け合い、交じり合うような感覚にゼトの心もまた震えた。

己の身体の下で、半ばすすり泣いているエイリークが愛しくてたまらなかった。

繋がりを解きたくなくて、そのままエイリークの上に倒れこむようにその身を思い切り抱きしめ、眦に浮かぶ涙を舐め取ってから口付けた。

「エイリーク…私のエイリーク」

「っ…はぁ…は…ゼト…これで…私、あなたの妻となったのですね、本当の妻に…」

「ええ、あなたは私のものだ…エイリーク、愛している…心の底から愛している…」

「はい…私も…」

荒い息を押して、二人はひしと固く抱きしめあう。目が合えば自ずと笑みがこぼれた。

エイリークは信じられないほどの幸福に包まれていた。

どんな顔をすればいいのかなんて、わかりきったことだった。愛しい人には、ただ、心のままに微笑みかければいい、そうすれば、愛する人は同じように笑みで応えてくれ、私は…この上なく幸せになれるのだ。

願わくば…今、ゼトも私の笑みで同じように幸せだと感じてくれていますように。

祈るエイリークは、しかし、ゼトの心の中も幸せな気持で満ちていることを感じている。

渦中には心が一杯一杯でわからなかったゼトの肌の感触、温もり、汗のにおいがじんわりとエイリークを包み込み、穏やかな幸福で隙間なく満たしてくれる。

感謝と愛情を込め、ゼトの体躯の逞しさを確かめるように背に腕を回した。

その時、ふと二の腕に触れた、いびつな感触。鞣革のように強靭で滑らかなゼトの体躯の中途にある引き攣れるような不自然な筋肉の盛り上がりに、エイリークははっとした。

背に回していた腕を恐る恐る下方へと滑らせる。

手で触れてみて、はっきりとわかった。胸板のすぐ下からわき腹へとかけて不規則に走る筋肉の引き攣れと無骨で不自然な肉の盛り上がり…長い、そして受けた刃の深さを自ずと思わせる傷跡…。

エイリークは反射的に手をひっこめ、替わって、何かに突き動かされるように、ゼトの逞しい首にきゅっと抱きすがった。

「ゼト…ゼト…」

エイリークが怯えたように抱きついてきた訳をゼトは当然のように察した。己のわき腹にエイリークの手が恐る恐る触れてきた時にまずいなとは思っていた。かといって、エイリークの手を払いのけることなどできよう筈もなかった。が、結局はその曖昧さが仇となって、エイリークにより不愉快な思いをさせてしまったと、ゼトは思った。

「怖がらせただろうか…あまり見目の良いものではないから…これからは灯を絞ってなるべくあなたの目に入らないように…」

「違います!私とて剣を振るう身、傷痕を恐れ厭わしく感じるとお思いですか?…でも…ああ、ゼト、ごめんなさい…不用意に触れてしまって…私を助けてくれた時の傷…こんなに…こんなに酷い怪我をしたのだと今更ながらに思い知って……私を守るために…ゼト、ありがとう…ごめんなさい…あなたは国一の騎士、私を庇って戦ったのでなければ、こんな酷い傷を負うこともなかったでしょうに…」

「いいえ、あなたは謝ってはいけない。この傷はあなたを守ることができた栄誉の証、私の勲章なのだから…」

「でも、痛むのでしょう?まだ痛むのでしょう?この傷は一生癒えないと…ゼトが言っていたことを、私、覚えていますもの」

「!」

このエイリークの言葉にゼトは一瞬大きく瞳を見開くと、この上なく優しく笑んで首を横に振った。

「いいえ、もう…痛みません。ルネス陥落の折、私が身体の内に受けた傷は…もう痛むことはありません。恐らくは永遠に…」

「本当に…?だって…ゼト、私を気遣ってなら…」

「エイリーク、私が…一生癒えぬかもしれないといった傷は、わき腹のこれではなく…ここに負った傷だった」

ゼトはエイリークの手を取ると、自分の左胸を触れさせた。

「ゼト?…」

「身の程を弁えず、あなたに惹かれ…愛した。王女でありながら剣を揮い、私の戦いを助けたいと言ってくださるあなたに、大それた思いは膨らんでいくばかりだった…だが、その気持は無理にでも押さえつけ葬り去らねばならないものだったから…その苦痛たるや、私の胸は常に内側から食い破られているかのようだった…特に…心にもない言葉で、無理にあなたを遠ざけようとして、あなたの傷つき打ちひしがれた様子を見た時は…胸が張り裂けるとは、この事かと思い知った。が、この痛みはあなたを傷つけた罰だと思った。だから、どれほど胸が痛もうと耐えねばならなかった…その覚悟はしていたつもりだった。なのに、私は、この胸の痛みを、生涯癒えぬ痛みかもしれぬと、つい、口を滑らせてしまった…」

「ゼト…それは…その意味は…」

「エイリーク、言ったでしょう?私が負ったのは、身体の『内』の傷だったと。…でも、今、あなたは私の腕の中にいてくれる。だから、私の傷はもう痛まない…痛むことはない。あなたが私の傍にいてくれる限り、永遠に…」

「ああ!ゼト!」

ゼトは、大切そうにエイリークを抱きしめると、ちゅ…と軽く口付けた。

「こんな風に、今の私は…あなたに、私がどれ程あなたを愛しているか、いつでも、思いのまま伝えることができる…だから、私の傷はもう痛まない。あなたへの愛しさを抑えなくていいから…あなたが私の腕の中にいてくれるから…」

「はい…私は生涯、あなたのお傍にいます、いさせてください。でも…でも、身体の外側の傷の方は?本当に、もう痛まないのですか?だって、やっぱり、こんな…酷い…」

「あなたは何も気にすることはない。この傷一つで、あなたを守れ、ひいては今の幸福を得られたのだから安いものだ」

「でも…」

「あなたは本当に優しい心配性さんだな。なら…そう、もう、あいこと言うことでいいでしょう」

「あいこ?」

「私も、今、あなたに血を流させた。私のために、あなたに苦痛を味あわせてしまった。だから、あいこです」

「………ゼト!な…何を」

暫しの沈黙の後、ゼトの言葉の意味を解したエイリークは顔中真っ赤にした。しかし、ゼトの言葉はエイリークには、聞き捨てならないものでもあった。どれ程羞恥に苛まれようと、エイリークはゼトにそれを伝えねばならないと思い、つっかえつっかえ懸命にこういい募った。

「そ、それは違います…ゼトは間違ってます。私…その…確かに痛みは感じましたが、それは苦痛ではありません、痛くても、苦痛ではないんです、それは…その…とても幸せな痛みで…いえ、その痛みすら私は幸せだったんですもの…」

すると、ゼトが、ふ…と楽しそうに笑った。

「私も同じだ、エイリーク。身体に受けた傷、流した血は、あなたを守り抜いた証、だから、その時、痛みは感じても、それは苦痛ではなかった。あなたを守りきったことで、私が感じた痛みも、充実した幸せな痛みとなった。だから…あいこなのです」

エイリークはびっくりして大きく瞳を見開いた。

「!…あ…はい、ああ…ゼト…ゼトの言いたいことが…わかりました。わかったような気がします」

エイリークは悟った。ゼトが、自分に苦痛を味合わせたとわざと言ったのだと、そして、その意図するところも。

ゼトが私に破瓜の苦痛を味あわせたこと、血を流させたことをずっと気に病んでいたら、私も困ってしまいます。気にしないでと言うに決まってます。だって私は本当に幸福なのだから。痛みが幸福に繋がることもあるのだと今は知っているから…。

エイリークはゼトの身体にその身をそっと摺り寄せた。

「ゼト、ありがとう…私の旦那さまになってくれて…ゼトが、私の旦那さまで…私、本当に、とても…とても幸せです」

「私も…今、全く同じことを言おうとしていた、エイリーク。私の妻になってくれて…ありがとう、こんな幸せを教えてくれて…本当にありがとう…」

あなたを突き放すような言葉を言いながら…あなたには、王女としての立場を堅守するようにと諌言しながら、自分は騎士として徹することができず…あなたに特別な感情を…騎士にあるまじき感情を抱いてしまったことを告げるという、ちぐはぐな真似をし…結果、あなたを酷く悩ませ惑わせてしまった…あなたに自分の思いを告げるなど…あなたを悪戯に悩ませ、苦しめるだけだったかもしれないのに、そんな…軽はずみな真似をした自分が、許せなかった。なのに、あなたは、こんな私を見下げ果てることもせず、変わらぬ想いを寄せてくれた。その純粋で一途な思いが、私を今のこの幸福に導いてくれた。

ゼトは、エイリークの肩を抱き寄せた。

「エイリーク、今、私がどれほど幸福か、どれほどあなたに感謝しているか、そして、どれほどあなたを愛しく思っているか、私は、あなたに伝えることができたのだろうか…」

「ゼト…?」

「私は、まだ、伝え切れてない…そんな気がするんだ、エイリーク」

不思議そうに見上げる瞳に返される微笑、そして、落とされた口付け。ゼトの舌が、優しく、しかし、きっぱりとエイリークの歯列を割り、舌を絡め取った。反射的にエイリークもゼトの唇を吸い返す。

丁寧な口付けに、エイリークの瞳がうっとりと夢見るように潤んだのを見て取ると、ゼトはエイリークの肩口に顔を埋めて、首筋に舌を這わせ始めた。ゼトの手は、エイリークの指を絡めとって寝台に縫い付けている。気がつけばエイリークの乳房はゼトの目に余すところなく晒されていた。ゼトの舌は迷わず乳房の稜線を遡り、その頂をいとおしげに口に含んだ。

先刻の性急な愛撫と違い、ゼトは、丁寧に乳輪を舌でなぞり、乳首の輪郭にも舌を回す。立ち上がった乳首を様々な角度から丹念に何度も何度も舐めあげては、先端で舌を小刻みに踊らせた。

「あっ…やん…そんな…ゼト…胸ばかり…」

「大丈夫だ、心配せずとも、すぐに全身くまなく愛して差し上げる」

柔らかく瞳を細めてこう告げるや、ゼトは、エイリークの熱く潤びる秘裂の合わせ目を指でゆっくりかき回し始めた。あわせて乳首を乳輪ごと深くくわえ込んで、強く吸い上げた。

「ひゃんっ…」

エイリークは若竹のように、しなやかにその背を反らせた。美しい青緑色の髪が寝台に広がった。エイリークは、誠、新緑の若葉のように瑞々しく美しいと、ゼトは感嘆の思いで自分の妻を見つめた。愛し愛される喜びがその初々しい美しさを更に輝かせていた。

「…あなたの全ては私のもの……この髪の一房から、桜貝のようなつま先まで…全て私のものだ…」

「ゼト…あぁ…そんな…恥ずかしい…」

「お嫌か?」

「いえ…嬉しい…です…天にも昇るほど嬉しいです」

「ええ、連れていって差し上げよう。幾度でも…」

「あ…あぁ…あぁああっ…」

ゼトに張り詰めきったままの花芽を2本の指できゅっと捻られ、エイリークは響くように素直な反応を返した。

類稀なる情熱と熱心さで、ゼトがエイリークとの約束を果たすのに、そう長い時間はかからなかった。その後エイリークが快楽の高みに上り疲れて深い眠りに落ちた時、東の空には既に曙光がさしていた。

気を失うように寝入ってしまったエイリークの額に口付けてから、ゼトはその身体を抱き寄せた。

エイリークの安らかな寝息が耳に心地よく、ゼトの意識も眠りの園に入りかける。

エフラムが鷹揚に多めの慶休を賜ってくれていたので、安心して、朝寝のできることがゼトはありがたかった。

『エフラム様には、本当に…何から何まで感謝の言葉もない…』

そう考えたのを最後に、ゼトはエイリークをその腕に抱き、この上なく満たされ幸せな気持で眠りの国に旅立った。

FIN


 50万HITキリリクは、ゼト×エイの初夜でしたーv。
 タイトルはドイツ語でまんま「恋愛結婚」。王族において恋愛結婚というのは稀有のことと思うので、あえて恋愛をつけてみました。
いえね、タイトルは何語にしようか迷ったのですがFEの世界の人名って英語圏でもフランス語圏でもなさそう(エフラムもゼトも聖書に出てくる名前で、つまり元はヘブライ語、でもエイリークはノルウェー語のしかも本来は男の名…というくらい無国籍。ちなみに加賀氏監修のFEはケルト&アイルランド文化色が濃厚なのでわかりやすい)あーんど、後、家に辞書があったのでドイツ語にしてみました。
 そして、話の内容なのですが、リクエスターのKさまのご要望は「策謀の王子」の直の続編で、ゼトとエイリークの初夜を…というものでした。
 「お式の後、2人きりになった辺りからのお話で、Hシーン描写より好き好き好き好き〜のべたべたあまあまな会話がたくさんほしいんです。しかもゼトの血吐くくらいに甘いセリフ!」
というご希望だったので、ゼトには、思いきり、気恥ずかしいほどラブ甘い台詞をこれでもかと言わせてみたつもりです。
 ただ「こらえた分暴走したゼトに翻弄されるエイリークが読んでみたい」というご要望もあったんですが、ゼトのHはエイリークを翻弄するまでは行ってないというか、どこまでも生真面目にラブ甘くジェントルな愛し方に終始してしまったような気がします>ゼト将軍。
 基本的にラブ&スイート&ロマンチックな雰囲気重視にしたので、初夜ものの割りにH度が低くて申し訳ありません。
 そして!今回も青空給仕さんのご厚意で、ゼト×エイのラブ&スイートな挿絵をいただけたのですよー!キリ番創作にまで挿絵いただけてしまうなんて、私はなんと果報者なのでしょう!青空さん、本当にありがとうございますー!
 挿絵は特にどのシーン…というものではなく全体のイメージ絵ということだったのですが、メチャ甘いキスシーンはゼトが2回戦(笑)に挑戦し始めに、エイリークをとろとろにすべく濃厚な甘い接吻を与えてるシーンにイメージぴったりかなーと思って、文章の途中に挿入させていただきました。
赤髪の真銀の騎士さま(ほんと、かっこいい二つ名だよねー)の接吻は、もう、見るからに蕩けそうで、うっとりしてしまいますねー。こんなキスされるエイリークは、本当に幸せものだわー。そして、わき腹の傷=愛の勲章は二人の愛を更に強固に深く結びつけるのですわ!なので、エイリークがちょっとHに慣れてきたら、ゼトの傷跡全てに優しく労わるような口付けすることを希望(笑)で、その流れと愛の感情の昂ぶりからエイリークはオトナなご奉仕にも意欲を見せて、ゼトにやり方を仕込まれるっつーのが今後の予定です(嘘)
なお、青空給仕さんの「骨董甲子園」では、こちらのイラストよりもう少しアダルト仕様というか(笑)もう少し下半身まで描写されたイラスト付きで(もしかしたらゼトは着衣だそうです)このお話を掲載していただく予定となっております。アップロードされ次第、こちらからリンクさせていただく所存です。
 なお、エフラムが慶休をたくさんゼトにあげているのは、二人のハネムーンベビーを目論んでいるからです(笑)第一稿では、そのエフラムの企み描写もあったのですが、甘甘な雰囲気が損なわれるので削除しました。私、放っておくとすぐ策士なエフラムの描写をずらずら書いてしまうんです(冒頭部分も最初はもっとエフラムの描写が多くて、かなり削った)本当に策士なエフラムが好きなんですな(笑)
 でも、とりあえずはリクエストのご要望に沿った甘いお話にできたかなー?と思います。
 読んでくださった方が、二人の初夜の甘い雰囲気に酔ってくだされば幸いです。

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