ねぇ・・・翠の瞳が私を見つめた。
夕食を終えて、私とアンジェリークは暖炉の前で寄り添っていた。彼女の頭が私の肩に乗せられ、金髪と黒髪が混じり合っていた。
ん・・・?
先を促す私の声に、彼女はにっこりと笑った。
クラヴィスさま・・・好き・・・
彼女の甘い声は、私の理性をあっという間に消した。残ったのは欲望、全身を満たすのは彼女への愛。
私は彼女の翠の瞳に導かれるまま、彼女の首に手を回した。 彼女は私に体重を預け、ゆっくりとのけぞっていく。仰向いた首に火明かりが照る。私はそこに口づけた。
肌に直接あたる暖炉の熱が、私の情欲を燃え上がらせる。私の躰の下にいるアンジェリークの肌も、息も、熱い。私は彼女をつぶさぬよう、細心の注意を払って彼女を抱いた。
艶やかな彼女の表情に、私はおぼれていく。私の黒髪が彼女をとらえるように流れ落ちる。その黒髪に守られて、彼女はさらに艶を増していく。彼女の腕が私をつかみ、私の髪に絡まっていく。絡み絡まれ、まるで二人の人生のように・・・
暖炉の中ではパチパチと木がはぜている。 夜はゆっくり更けていく。