Blended 2

角度を変えて、柔らかく温かな唇の感触を楽しむ。存分に舌をからめあい、唇を吸いあう。

アンジェリークが積極的に振舞ってくれるのは、照れ隠しの気持ちもあるのだろう。誕生日だからというエクスキューズが在る。お祝いだから、オスカー様に喜んでいただきたいから、これもプレゼントの一つだから…アンジェリークが普段より、少し大胆に振舞うのは、たぶん、こんな心情が働いているからだろう、そして、オスカーとしては、それは大歓迎だ。いつまでも少女のような愛らしさとあどけなさを持ち、恥じらいがちなアンジェリークが、思い切ったように積極的に振る舞ってくれると、それはことのほか新鮮で、セクシャルで、オスカーは、楽しく嬉しく思う。

が、深く濃い口づけを交わすうちに、アンジェリークの息がどんどんやるせなくなっていくのがわかった。体から力が抜けて柔くしなやかにその身を自然にオスカーに預けていく。

一瞬口づけを解き、鼻と鼻とをちょんと合わせると、アンジェリークが何か訴えるようにオスカーを見つめる。その瞳は濡れて潤んでオスカーを誘う。口づけに酔っているのが、その酔いをもっと求めているのが、はっきりわかる。だから、オスカーは改めて深々と口づけた。ねじこむように舌を差し入れ、絡め取り、きつく吸う。

同時に、そのしなやかな体を骨も折れよとばかりにきつく抱きしめる。隙間が許せない気持ちで、縛めるように抱きすくめる。

先刻の口づけはアンジェリークから仕掛けたものだ、けど、今の口づけと抱擁は、その主導権は、オスカーのものだ。

アンジェリークからのキスはいつでも嬉しい、けど、オスカーの性情として、なされるがままでいるのも、それを辛抱するのも、ちょっと辛い。支配したいとか、主導権を握りたいという馬鹿げた性情からではなく、自分もアンジェリークを愛したくて、かわいがりたくてたまらないから、それだけだ。

アンジェリークは一心にオスカーの唇を食み、ちゅくちゅくと吸いたてている。オスカーの首に回されていた手は、募る恋情を持て余すように、オスカーの髪に埋められ、程なく、うなじへと滑り下り、肩に置かれたと思うと、背に回され、精一杯、オスカーを抱きしめようとしてくれる。その仕草の全てが、溢れかえる程の愛情に裏打ちされていて、オスカーを幸せにする。オスカーもまた、同じようにアンジェリークに己の恋情、愛しく思う気持ちを伝えたく思う。

もどかしげにワンピースのファスナーを下ろす、抱き寄せたその手で、まろく滑らかな肩をあらわにする。その同じ手でランジェリーも忙しなく取り去ってしまう。その色柄を愛でる余裕もないことを、少し申し訳なく思いながらも、零れおちた豊かな乳房に目を奪われる。何度見ても見飽きるどころか、オスカーはほれぼれと見とれてしまう。まだ、その身を寝台に横たえていないー上体を起こしたままなので、なおのこと、アンジェリークの乳房のラインが美しく、かわいらしく、魅力的に見える。

乳白色のふくらみと薄紅色の先端は、その色味の妙もあって、この世にこれ以上愛らしい存在などあるのか、とオスカーに思わせる。殊に、つんと尖った先端はいかにも甘く程良く熟した果実を思わせ、見るからに美味そうで、唇をよせずにはいられない。

誘われるままに、乳房に手を添える。オスカーの手に誂えたようにすっぽりと納まる。その手触りは吸いつくようだ。例えるものが思い浮かばないほど柔らかいのに、小気味いい張りがある。その感触を存分に掌で堪能しつつ、オスカーは花のつぼみのような乳首にそっと口づける。唇が触れた瞬間、そこが弾力を増したのがわかる。嬉しくなって、さも、大事そうに口に含む。乳首の輪郭に舌を回し、根元に軽く歯をたてる。先端を尖らせた舌先でつつき、勢いよく弾く。

「ふぁっ…んんっ…」

舌を蠢かすたびに、アンジェリークの唇から艶っぽい声が零れる。

「おっぱいを舐められるのは好きか?お嬢ちゃん」

言わずもがなのことをわざと聞く。意識をより愛撫されている乳房に集中させるために。羞恥をより煽るために。全ては、彼女をより強い快楽に酔わせるために。

「あぁ…はい…好き…オスカー様に舐めてもらうの…好き…」

「かわいいな、お嬢ちゃんは…」

オスカーは掌でもてあそぶように、乳房そのものを愛撫する。思いのほか持ち重りのする感触と、ほのかな温みは、いくらでも触れていたいと思わせる心地良さだ。そのふくらみをやんわりと揉みしだきながら、硬く尖りきった先端は、これでもかという勢いで舌ではじき、転がし、歯先で挟んで先端を吸う。わざと唇を鳴らすように音をたてて、右の乳首と左の乳首を交互に口づけ、口に含む。片方を口唇で愛撫しながら、もう片方の濡れた乳首を指先で摘み、軽くひねって、先端を指の腹で擦る。

オスカーは、アンジェリークの胸元に覆いかぶさるようにして、執拗なまでに乳房への愛撫を繰り返す。

「あぁ…オスカー様…」

アンジェリークは、オスカーの広い背を小さな手で精一杯抱きしめてくる。

と、アンジェリークがオスカーの首筋に舌を滑らせ、ところどころ、ちゅっと吸い上げる。そのまま唇を滑らせ、肩に軽く歯をたててきた。募る一方の快楽を少しでもそらしたくなくなったのか、愛撫に身を任せるだけでは、申し訳ないと思ったのか、その両方か…。そのちりりとした軽い痛みが、オスカーをより刺激する。より一層、アンジェリークを愛撫してやりたくなる。

「もっと舐めてほしいか?お嬢ちゃん…」

「んんっ…オスカー様…いっぱい…いっぱい舐めて…」

「ああ、お嬢ちゃんの全身をくまなく、舐めてやろうな…」

オスカーは自分の体を傾け、自然に、アンジェリークの身を寝台に横たえる。そして、己が体躯の重みで彼女の体をやんわりと押さえつけつつ、名残惜しげに乳房から唇を離すと、そのまま乳房の稜線からなだらかな腹部へ、蜂のようにきゅっと締まったS字を描くウエストへと、唇を滑らせていった。滑らかな肌に舌を這わし、縦横に無遠慮なまでに唾液の跡をつける。ところどころで極軽く歯をたて、きつめに吸う。腹部のあたりを愛撫すると、花の香りが一層強い。彼女は香水をウェストあたりに軽く着けていたのだろう。愛撫で肌の熱が増して、香水がより香り立ったのだろうと察する。脇腹を唇が撫でると、アンジェリークがくすぐったそうに身をよじり、腰が持ち上がったその機に乗じて、その身に一つだけ残っていたレースのショーツに手をかけ、さっと彼女の足からそれを抜き取った。生まれたままの姿になると、彼女のまとう花の香が、一層強く香り立つ。彼女自身の香りとフレグランスが混じり合って感じられる所為か、その香はひどく官能的に感じられた。先から張り詰めていた下半身は、もう、痛いほどだ。オスカーは自身に残っていた着衣も、この折に手早く脱ぎ捨て、改めてアンジェリークの上に覆いかぶさる。

互いの素肌を添わせ重ねるのはいつでも喜びだが、今宵は特に彼女の香りと己のまとう香りを混じり合わせんと、オスカーは意識して肌と肌とを密着させながら、アンジェリークの肌の上を滑る手を、唇を、そして体そのものを少しづつずらしていく。そして、極自然に彼女の脚に手を伸ばし、大腿部を撫でさすりながら、流れるように膝頭を掴み、足を割る、するりと己の体躯を滑り込ませた。

その機に、少し上体を起こして、アンジェリークにちゅ…と口づける。

アンジェリークがほわんと夢見るように、花が開いたような愛らしく初々しい笑みを返してくれる。今日、まとっている花の香りも相まって、彼女は本当に花の精のようだとオスカーは思う。

「お嬢ちゃんは、まさしく花だ…甘く薫り俺を酔わし…」

愛し子を慈しむように髪を撫で、その手はそのまま柔らかな頬を包み込む。

その一方で、もう片方の手はウェストからまろい臀部にかけて、なめらかな肌の感触を掌で楽しむように撫でさすり、その手は極自然に腿の内側へと流れていく、指先がふっくらとした花弁に触れる。つ…と、指先が花弁の表を滑る。それだけで、オスカーの指先は、とろとろと暖かなものに触れた。

「ふぁ…」

アンジェリークが鼻にかかった、甘えるような声をこぼす。

「そして…溢れるほど蜜を滴らせて、俺を誘う…」

オスカーの指先は合わせ目をまだ割ってはいない、花弁の表に指の腹を滑らせているだけだ。が、オスカーの指先は、あっという間に、とろりと温かいアンジェリークの愛液にまみれていた。愛液の豊さに助けられ、オスカーの指は、どこまでも滑らかに、アンジェリークの花弁の表を、表のみを優しく撫でさする。

「ぁん…や…オスカー様…もっと…」

と、焦れたようにアンジェリークが腰を蠢かす、切なそうな瞳がオスカーを見つめる。

「もっと…どうしてほしいんだ?お嬢ちゃん…」

つぷりと指先で花弁を割る、その指をゆっくりと上下させる。ちゅぷりくちゅりと、淫靡な水音を立てながら、今はまだ、指でのみ愛液の感触を味わう、早くこの蜜の香りと味も直に確かめたい、と切に思いながら、彼女と、そして自分自身をも焦らす。

「あぁ…意地悪しないで…オスカーさまぁ…もっと触れて…」

いやいやと頑是ない子供のようにアンジェリークが頭を振る。ぽっちゃりとふくよかな唇が濡れてうっすらと開いている、その様が艶めかしい。翡翠の瞳も濡れたように潤んで、更なる愛撫をオスカーにせがむ。オスカーの胸にぞくぞくするような喜びがこみ上げる。

「指で?唇で?それとも舌で…?」

「…そんな…選べない…オスカー様にしてもらうの…全部好きだから…やん」

自分で言って自分で照れて、アンジェリークは頬だけでなく、首筋から耳朶までをも真っ赤に染める、きゅっと瞳をつぶってしまう。

「お嬢ちゃん…」

思わず、その華奢な身を力いっぱい抱きしめる。花の香が一層、強くかんばしく香り立つ、熱に、いや、その香に浮かされ、うわごとのように彼女に告げる。

「ああ、全部、してやろう、いや、俺がしてやりたいんだ。こんなにも愛らしく魅惑的な花を前にして、愛さずにいられるものか…存分に愛したい、愛させてくれ、お嬢ちゃんという花を…」

言うや、オスカーは大きくアンジェリークの足を開いて、その真中に顔をうずめる。

尖らせた舌先を花弁の合わせ目に差し入れ、割るように上下に舐めあげる、舌先を丸めて愛液を掬って味わう。舐めあげた突端に、こりっと硬目の弾力を感じる、すかさず、その根元ぐるりに舌を回し、舌先で莢をこじ開ける、押し開く。艶やかな紅色の小さな宝珠のような突起が顔をのぞかせる。

その珠全体を唇で挟み込んでから、口の中に含み、ちゅ…と音を立てて吸う。口に含んだままの珠の先端でちろちろと丁寧に舌を躍らせる、珠そのものを根元から先端へと舐めあげ、やんわりと舌先ではじく。

口唇で愛らしい肉珠を愛撫する傍ら、手指は大きく花弁を押し開き、合わせ目をくすぐる。秘裂に指を差し入れて、肉襞をかきまぜる。

このたまらなくそそられる愛液の香りも味わいも、こりりとした花芽の弾力も、ふっくらと豊かな花弁の感触も、全て、彼女が俺だけに与えてくれる宝、俺だけに許し味あわせてくれる掛け替えのないもの。そう思うから、オスカーありったけの情熱を傾けてアンジェリークを愛撫する。オスカーが真摯に愛する程に、アンジェリークは素直に率直に官能の悦びを示す。声は次第に高く吐息は忙しなくなっていく。愛する者に愉悦を極めさせてやれる喜びと充実が、また、オスカーを酔わす。アンジェリークの媚態に、喜びの声に力を得て、オスカーの愛撫は一層熱がこもる。

その、突然の激しく息もつかせぬ愛撫に、アンジェリークは圧倒され、翻弄され、甲高い嬌声をあげる。

オスカーに触れてもらった所、全てがしびれるようで、火花が散るようで、あまりの心地良さに、閉じた瞼の裏が真っ白になる。

オスカーは熱くて、激しくて、優しい。オスカーに触れてもらうのが好き、触れてもらうと気持ちいいって、私が言ったから、望みに応えてくれてるんだと、アンジェリークは思う。私に触れる唇から、指先から、真摯な優しさが、情熱が伝わってくる。そんなオスカーへの感謝と愛情、そして、オスカーに与えられる官能の喜びと幸せで、アンジェリークの身も心も満ちて、溢れる。溢れる想いは、全てオスカーに注がれる。極自然に『こんな優しいオスカー様に…私も、私からもオスカー様に触れたい、オスカー様に気持ち良くなってほしい』と、強く、切に願う。

「オスカー様…私も…私にも…オスカー様に触れさせて…」

嵐のような愛撫に翻弄されながら、それでも、懸命にオスカーに伝え、オスカーの髪に指をうずめる。

オスカーが花弁にちゅ…と口づけざま、1度顔を起こした。

「嬉しいぜ、お嬢ちゃん、2人で一緒に愛の喜びを極めたいと思ってくれる、その気持ちがな…なら、2人一緒によくなろうな?」

にやりと笑むとオスカーはアンジェリークの背に腕をまわして、きつく抱きしめると、そのまま体をくるりと反転させ、アンジェリークを己の腹の上に乗せる形で、自分が寝台に横たわる。

「さ、お嬢ちゃん、俺の顔をまたいで…」

「…はい、オスカー様…」

まっすぐに瞳を見つめられ、迷いのない声で促され、アンジェリークは頬を染めながら、体の向きを変える。2人一緒に愛し合うなら、自分が上になった方が体が楽だと、オスカーに教えられ、実際その通りであることも、もう、経験上、良く知っているから。だから頬が染まるのは羞恥の表れであると同時に、めくるめく愉悦への期待も、混じっているのかもしれないとアンジェリークは思う、それだけ深く熱く果てのない快楽を、オスカーは、アンジェリークに知らしめてくれているから。

オスカーの指が、改めて花弁に触れたきたのを感じた。妖しくうごめき合わせ目をくすぐる、押し開く。剥き出しにされた珠に息がかかるのを感じ、アンジェリークはぞくぞくする。ぬめりと熱い感触…オスカーの舌先が敏感な部分に触れた、と、思うや、それは弾かれ、吸われた。同時に、細く長いものが、自分の内部をかき回し、擦り、時折軽く突く。頭の芯まで痺れるような快感と狂おしい羞恥がないまぜになって、電流が走るように、アンジェリークの全身をつき抜けた。

「あぁっ…は…んんーっ…」

火花が散るような、体も心もとろかすような愛撫に、アンジェリークは反射的に眼前のオスカーのものをやんわりと両手で包み込むように握りしめていた。そして、改めて、その硬さ、熱さ、逞しさに、思わず知らず、熱い吐息をこぼしてしまう。

「あぁ…オスカー様…」

これは、オスカーが自分を求めてくれている、一つに分かちがたく繋がりたいと熱く欲してくれている、その証だ。アンジェリークは嬉しくて幸せでたまらない。愛する人に熱く求められる喜びに身も心も震える、同時に、私も同じくらい、オスカー様が好き、オスカー様が欲しい、と熱く思う。

このこみあげて溢れかえる愛しさを、どう、表し伝えたらいいのか。好きすぎて、いとしすぎて。心の限り、愛してくれることへの感謝も限りなくて、与えられる快楽も大きすぎて。拙いかもしれないけど、オスカーのくれる快楽には比べようもないけど、それでもオスカーに少しでも持ちよくなってほしくて、自分のできることがしたくて。何より、好きで愛しくてたまらないから。愛しく思うものに口づけたいと思う気持ちは、本能としか思えないから。

だからアンジェリークはオスカーの雄渾のものの、その先端に愛しげに口づける。幾度かのキスの後、ためらいも迷いもせず、逞しい幹を口に含めるだけ含もうとする。オスカーのものはアンジェリークの口には大きすぎて半分も収められるかどうかだが、それでもだ。含んだまま先端を吸い、節くれだった幹に夢中で舌を這わす。

オスカーのものを口に含むと、オスカー自身の匂いを感じる、そんな気がする。今宵は初めてつけてもらったフレグランスの香りも相まってか、オスカーの香りが、より男らしく、よりセクシャルに感じられて、アンジェリークはなんだかくらくらしてしまう。いつも以上に身も心も熱くなっている気がして、なおのこと、オスカーへの愛撫に没頭する。

「オスカー様…好き…好きなの…」

うわごとのように、呪文のようにオスカーの名を、愛の言葉を繰り返す。そんな、迸って溢れる恋情をもてあますように、オスカーのものを一心に愛撫する。ただひとえに、オスカーに心地よくなってほしくて、自分がもらう喜びの何分の一かでもおかえししたくて。

と、オスカーの舌がー指より頼りない、けど、ぬめりと柔く熱く狂おしい感触からそれとわかるー自分の胎内に入り込んで、抜き差しを始めたのがわかった。

「あぁあっ…」

快楽より羞恥が強く募る、思わず、オスカーの腹部に顔を突っ伏しそうになって、慌てて舌を差出し、懸命にオスカーのものを丁寧になめ上げようと努める。が、快楽と羞恥ゆえ、あまりうまく果たせない。と、オスカーが感嘆するように、こう言った。

「お嬢ちゃん、あとからあとから溢れてくるぜ…いくらなめとっても追いつかん」

「あぁん…や…恥ずかしい…でも、オスカー様のも…すごく熱くて、硬くて…脈打ってる…」

そう、アンジェリークだって、オスカーのものを感嘆の想いで見つめ、触れている。火傷しそうに熱く、凶悪な程に硬い、その硬さ熱さを確かめるように改めて口腔内に含む。苦しいほどだが、それでも懸命に舌を幹に沿わせ、全体の輪郭に唇を滑らる。軽く先端を吸ったり、小さな舌で舐めまわす、尖らせた舌先を合わせ目にほんの少しだけ差し入れても見る。

「く…」

オスカーが何かに耐えるような吐息混じりの声をこぼした。オスカーの低くかすれた声を耳にして、アンジェリークの体の芯が熱くなる。

「んっ…オスカー様の…また固く、大きくなったみたい…んんっ…」

「…ああ、お嬢ちゃん、もう、俺はお嬢ちゃんの中に入りたい、入らせてくれ…」

「オスカー様…私もオスカー様が欲しい…もう…早く、私の中に入って来てほしいって…そう思ってました…」

「俺たちの思いは一つだな…なら、お嬢ちゃん、そのまま…心の欲するままに俺のものを収めてごらん…」

「あぁ…はい、オスカー様…」

操られたようにアンジェリークは体の向きをかえ、位置をずらすと、オスカーのものに、それはそれは大事そうに手を添え、自身の花弁にあてがった。熱く悩ましい呼気をはきながら、アンジェリークはゆるゆると腰を沈めてオスカーの物を納めていく。先端、次いで、幹の中ほどまでと、オスカーからするとじれったい程で、見ようによっては、アンジェリークはオスカーの物の感触を、その量感を、じっくりと味わっているようにも思えた。入っていく、圧倒的な量感がアンジェリークの身をみたし、肺の中の呼気を吐き出させる。

「あぁ…オスカー様の…入ってきます…私の中、いっぱい…」

「もっと、奥まで入るだろう?いれてごらん…」

「…これ以上なんて…こんなに大きいのに…」

甘えた声だった。思いきり貫いて欲しいのだとオスカーは感じた。それ以上に、ゆっくりとじらされるような挿入に、もう、自分が堪え切れなかった。渾身の力で貫き、己に縫いとめてしまいたい、焼けつくような思いは、もう抑えが利かなかっ。た

「けど…いや、だからこそ、こうしてもらいたいんだろう?お嬢ちゃん」

言うやオスカーが下から思い切りよく突き上げた。

「あぁあっ…」

不意を突かれて、アンジェリークの背がしなり、軽く上体がのけぞる。

その軽くのけぞったアンジェリークの腕をとらえる、手首をしっかと握り、オスカーは手綱を引くように、アンジェリークの腕を引っ張り、彼女の体が浮いて逃げないようもくろむ。アンジェリークの腕は、オスカーに捕らえられた翼のようだった。そして彼女の腰と自分の腰が密に接したその機に、オスカーは、すかさずリズミカルで力強い突き上げを立て続けに放つ。

「ぁあ…んっ…すご…深い…奥まで来るの…」

「ふ…それが、気持ちいいんだろう?…お嬢ちゃん…すごく感じてるみたいだぜ?」

オスカーがわざとしどけない口調で、アンジェリークの官能を煽る。

「あぁ…はい…いい…いいの、もっといっぱい…いっぱい奥まで来て…オスカー様ぁ」

「なんて淫らでかわいいんだ、俺のお嬢ちゃんは…俺の上でこんなに乱れて、俺のものに貫かれてこんなに喜んで…」

「だって嬉しい…私の中、オスカー様でいっぱいだから…オスカー様にいっぱい満たしていただけて…幸せ…」

「まだだ、お嬢ちゃん、こんなもんじゃない…もっと俺をやる、俺で…俺で君を全て満たしちまいたい…」

オスカーは、もっと、アンジェリークと密につながりたいと、強く願う。

彼女の背に腕を回し、自分の胸元に倒れこませるように抱きよせ、思い切りきつく抱きしめ、口づける、抱きしめながらも、力強い律動は緩めない。

「んんーっ…」

アンジェリークが苦しがって口づけを解いた、でも、その表情は、この上なく幸せそうだ。

「嬉し…オスカー様…ぎゅってして…もらうのも…好き…」

「アンジェリーク…」

愛しさで頭がおかしくなりそうだった。

「いくらでも抱いてやる、抱いてやりたいんだ、アンジェリーク…」

背筋の反動で体を起こす、思いきり彼女の身を抱きすくめる。その腕でアンジェリークの腰をしっかと抱え、思い切りよく揺さぶる。アンジェリークの乳房がたわわに揺れる、その揺れる先端を器用に唇でとらえて、きつく吸う。

「あぁっ…あんっ…あっ…」

アンジェリークはゆすぶられて、オスカーの上で踊る。その身が頼りなくて、もっと、しっかり抱きしめ、抱きとめたくなって、オスカーは、アンジェリークを抱きしめざま、体を傾けて、アンジェリークの身を敷布の海に沈めた。彼女に背に腕を交差させて、さらにきつく抱きしめる。

「は…」

アンジェリークが苦しそうな顔になる、なのに、懸命にオスカーの背を抱き返してくる。

「いっぱい…ぎゅってして…オスカー様…」

「ああ、俺に…思い切り、しがみついてろよ、お嬢ちゃん」

促されるままに、アンジェリークの腕はオスカーの首根っこにしっかり回される。

それを待ちかねていたように、オスカーはアンジェリークのひざ裏に腕をまわして片足を抱えあげ、そのまま、勢いをつけて腰を打ちつける。

「あっ…あぁっ…」

律動に合わせて、アンジェリークがオスカーの逞しい肩に爪をたてる。

「やっ…そんな…奥まで…」

根元までおさめきった状態で、円を描くようにぐりぐりと腰を回す。

「ひぃんっ…」

アンジェリークが激しく頭を振る、無意識にか、己の小指を噛む。

その頤を摘んで、オスカーは己の方を向かせざま、口づける。思い切り深く舌を捻じ込む。その間、彼女に打ちつける律動は、一層早く、力を増す。

アンジェリークを自身が貫き、己に縫いとめている、身動きできない程に。そんな錯覚に酔う。

2人の香りを一つにしたいと彼女が言った。個々の香りがわからなくなる程、不可分に混じらせたいのだと彼女が望んだ。そして、その言葉を耳にして、オスカーは思った。それは俺自身の願いでもある。俺もまた、何より強く熱く、そうあらんと望んでいるのだと。

そして、俺たちの体温が上がる程に、身にまとった香りも強く薫り立とう。だから、きりのないほど熱くなれ。俺が君を熱くする、熱くしてやる。

そんな思いをこめ、オスカーは渾身の力で、魂の全てで、彼女を愛しく思う気持ち、大事にしたい気持ちのありったけで、アンジェリークを抱き、貫き、己を打ちつけ、己に縫い付ける。

深くはてのない愛情故に彼女を欲し、また、彼女も自分を欲してくれているという確信あればこそ、ありったけの思いを、力いっぱい、思う存分ぶつけられるのだ。そして自分が愛する程に、彼女がしどけなく乱れ、その吐息は熱く忙しなくなる、その様子に、さらに彼女への愛しさがます。彼女が無防備に赤裸々に俺の与える官能に酔ってくれるのは、それだけ深く俺を愛し、強く俺を欲し求めてくれているからだとわかる。

これ程の幸せがほかにあろうか。

「んふっ…んんっ…」

アンジェリークが苦しげに身じろぎする。

塞いだ唇から嫋嫋たるすすり泣きが零れる。

それでも、オスカーは律動を緩めない。むしろ、一層強く突きあげ、力強く肉壁を擦り、掻きだすように抜きとる、更に強く、もっと激しくと言わんばかりに、己を打ちつける。渾身の力でえぐるように貫き、容赦なく引き抜く。その度に、じゅぶずぷと淫媚な水音と、肉を打つ湿った音があがる。そこにアンジェリークのどうにも抑えきれないという風情で零れる嬌声と、忙しなく激しい熱い吐息とが重なると、これ以上愛らしく嬉しい、なのに淫らこの上ない調べはない、とオスカーは思う。

俺たちの望みは、願いは、紛れもなく同じだ、そう確信できるから、オスカーの動きには、淀みも迷いもない。ひたむきに、愚直なほどに、ひたすらにアンジェリークに己を突き立てる。その度に、目も眩む快楽が背筋から脳天へと突き抜ける、が、その快楽は逃げることなく、オスカーの中で嵩を増していく。

体が内部からぐわっと膨らんで、はじけそうだ、いや、もう今にも爆ぜる、堪え切れない。

「お嬢ちゃん…もう…俺は…」

「来て…オスカーさまぁ…私、もう…もう…っ…」

アンジェリークが腕の中で小さく震えた。うねるように、絞られるように、アンジェリークの中も震えた。

「っ…」

たまらずに放った。自身が爆発し、なだれ込み、受け止め包まれ、抱きとめられる…そして、言いようのない充実と幸福感が体中に満ち満ちた。

どうしようもなくこみ上げる愛しさ、同時に、優しい気持ちがオスカーの胸中に溢れる、溢れるままに注いでやりたくなる。アンジェリークの眦ににじむ涙の雫を舐めとり、荒い呼吸を繰り返す唇にそっと口づける。すると、細くか弱い程の腕が、しっかりとオスカーを抱きしめ返してくれる。そして髪を撫でるオスカーに、アンジェリークはにっこりと、それはそれは嬉しそうな幸せそうな笑みで応えてくれた。

 

ベッドに体を投げ出すように沈ませ、ぐいと裸の胸にアンジェリークを抱き寄せる。アンジェリークは素直に、むしろ、待ちかねたようにオスカーの体にその身を添わす。

「花の香りをまとう君と愛し合うのは、花園の中で結ばれるようで、中々乙だったぜ、お嬢ちゃん」

「うふふ、オスカー様も、とってもいい香りで、私、いつもより、もっと、うっとりしちゃいました。けど、今は、あまり強くは香りを感じないから、それって、私たちの香りが、混じり合ってるってことかしら、きっと…。そう思うと、とっても幸せ、より一層幸せな気持ちになります」

「ああ、けど…」

と、言いかけざま、オスカーはアンジェリークの肩口に顔をうずめる。

「やはり、俺には、今、この時も、お嬢ちゃんはなんともいえず香しく芳しい」

オスカーのさらさらとした髪が首筋から鎖骨のあたりに触れて、くすぐったそうに首をすくめていたアンジェリークははにかんでほほ笑んだ。オスカーは、愛しげな眼差しで、一層しっかりとアンジェリークの肩を抱きよせて、言葉を続ける。

「どんな香りをまとっても、ベースにお嬢ちゃん自身の香があるからだろうな。俺が最も愛する、お嬢ちゃん自身の甘くて蠱惑的な香り、それと、お嬢ちゃんの花弁からしとどに滴る甘酸っぱい蜜の香り…お嬢ちゃん自身の香は、いつも、君のその熱くとろけるような唇や滑らかな肌の感触と共にあって、俺を酔わせる。甘い香りを感じると、なんとも幸せな気持ちになるのは、君の香りを感じる時、俺はいつも、この上なく幸せだからだ。俺の幸せの記憶は、いつも君の香と共にあったんだな…と今、改めて、思った…」

と、アンジェリークが少し体を起こして、オスカーの胸元に擦りよった。

「それは、私も同じです。幸せな思い出は、いつも、オスカー様の香りに包まれています。私の幸せは、いつもオスカー様と共にあります、幸福な気持ちになる時は、必ず、オスカー様が傍にいてくださって、オスカー様の香りが私を包んでくださってた…初めて、肌を合わせた時から、そうだったから…だから、私、オスカー様の香りが好きで、オスカー様の香りを感じると幸せな気持ちになるんです。オスカー様が私に幸せを教えてくださったから…今、オスカー様の言葉を聞いて、改めて感じました。だから、私も、オスカー様自身の香りが1番好きなのかも、です。オスカー様に抱きしめていただくと、いつもとってもいい匂いがして、うっとりしますけど、それは、時折、香の趣が変わっても、同じでした、そして、今も…オスカー様の香りに私がうっとりするのは、今に限れば、私が好みの香りを選んだからっていうのもあるかもしれないけど、でも、私は、オスカー様がまとっている香だってことが大事なんだと思います。やっぱり、オスカー様ご自身が、すごく、いい匂いだから…うっとりするような男らしい香をお持ちだから、香水も引き立つのだと思うし…えっと、つまり、オスカー様の香りが、私の一番好きな香りなんです」

「お嬢ちゃん、それは俺も同じだ。俺にとっても君の香は幸せと充実の象徴だ。だから、俺は、今まで、甘い香りを嗅ぐと、とても心温かな幸せな気持ちになった。そうしたら、君が…互いの香を合わせることで、もっと芳しい香りになるとと言ってくれて、俺はとてもうれしかったんだ…まるで、俺たち自身の愛の在り方のようだと思って。2人寄り添うことで互いに高め合い、より素晴らしくなるなんて、まさに俺たちにぴったりじゃないかと、な…」

あの時…フレグランスを贈られ「互いがまとう2つの香りを一つにしたい、1つに混じり合うと、それはより素晴らしいものになるから」というアンジェリークに言葉を耳にして、オスカーは気付いた。改めて思い知った。ああ、それは自分の望みであり願いでもあると。

オスカーがアンジェリークが傍にいてくれればいい、俺だけのアンジェリークでいてくれること、それが何よりの喜びだという言葉には、かけらも嘘偽りはない。

だから、力いっぱい抱きしめる、隙間のできないほど肌をよせ合いたく思い、彼女を貫いて最も深い部分で繋がりたいと願う。それは、突き詰めれば「愛する者と一になりたい」という願の様々な形、表現だ。そして、2人の香りを混ぜて一つにしたいという彼女の願いは、形は違うが、自分と同じ気持ちの表れだとオスカーにはわかった。その気持ちを表す小道具として2つの香が合わさることで、より芳しく香りたつフレグランスを彼女が俺にくれたことは、まさしく、俺たちの愛の形そのまま、象徴だとオスカーには思えた。

「ありがとう、お嬢ちゃん、いつも思っているが、誕生日には、ことのほか、強く感じるぜ。君を愛している、君に愛されて、この上なく嬉しく幸せに思う、そして、君に限りなく感謝していると…」

「そう言っていただけて嬉しいです、オスカー様。オスカー様の生まれた記念日を、今年もお祝いできて…その幸せを私に与えてくださって、私こそ、感謝してます。大好き…愛してます、オスカー様…」

「ああ、俺も…きりがないが、俺も、心から君を愛している」

自分の生まれた記念日を一年中で一番大切な日だと明言してくれる人がいてくれること、その人が自分を心から愛してくれており、自分もその人を何より愛してやまないこと、その気持ちが互いに、出会った時のまま、変わらずにいること。

このどれをとっても、奇跡のような幸福だ。なんと自分は恵まれていることか、その事に改めて気付かされ、感謝する、それが自分の誕生日なのだと、オスカーはしみじみ思い…改めて、限りない感謝と情愛をこめて、愛しい妻を抱きよせ、口づけた。


オスカー様のお誕生日のプレゼントは何にしようかしら…「そうだ!」と思いつければ、しめたものと申しますか(笑)創作の骨子が、これだけで、ほぼできあがるといっても過言ではありません、私の場合。
そして、今年のオスカー様へのプレゼントはフレグランス。それもただの香水ではありません、カップルフレグランスと言って、男性用、女性用それぞれ異なる香なのだけど、2つが調和するように調合されている香水でして、英国製のブランド「フローリス」という老舗メーカーの香水をイメージしてます。
こちらの香水、女性用は薔薇やジャスミンなど古典的な花の香りが主体であくまで女性らしく、そして男性用はスモーキーかウッディとか、やはり、男性的な香りなのに、2つの香りが混じり合うと、より調和して良い香りになるように調合されているものがあるんです。このことを、偶然知りまして、これってまさにオスアン的フレグランスじゃないのー!と、思ったことが、今回の創作を紡いだきっかけです。
たおやかでかわいくて女の子らしいリモちゃんと、どこまでも男性的で雄々しいオスカー様は、それぞれ対極の存在でありながら、2人寄り添うことで、理想のカップルとなるわけですから(^^)
そして、うちのリモちゃんは、おしとやかではありますが、オスカー様を好き!という気持ちを、素直にまっすぐに表せる子なので、こういうフレグランスを知ったら、ドキドキしながらも「私の香とオスカー様の香りを一つにしたい」と
率直に愛情表現するんじゃないかな、いや、します、しちゃいます。というわけで、このお話ができあがりました。
ちょっと捻ったサプライズでしたが、こういう贈り物も楽しいのではないかと自分では思ってます。お楽しみいただけたら、幸いです(^^)

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